スクーターとは、バイクの種類のひとつである。
概要
スクーターの定義としては、昭和28年に通商産業省(現:経済産業省)と日本小型自動車工業会(現:日本自動車工業会)が定めたものとして
を満たす二輪車とされている。なお現行のスクーターの多くは自動変速機を備えるがスクーターの定義に自動変速は含まれずマニュアルでも構わない。実際にベスパの旧車両もマニュアルである。
なお車格および免許は排気量・出力に応じたものとなり、50cc以下は原動機付自転車、それ以上は自動二輪となる。免許は50cc以下の原付一種なら原付免許、125cc以下なら小型二輪免許以上、126cc以上は普通二輪免許以上、401cc以上は大型二輪免許が必要である。
また、高速道路・自動車専用道路を通行できるのは126cc以上の普通二輪以上である。
電動キックボードで知られる特定小型原動機付自転車も、メーカーによっては着座式シートを備える車両も生産しておりそうした車両はスクーターの要件を満たす。
そもそもスクーターの原型がエンジンを積んだキックボードであるため先祖返りである。
他の種類のバイクと異なる特徴としては、多くの車種がこれに当てはまる
- 跨る必要がない・・・足を置くスペースがあり、フラットであれば2Lペットボトル6本入りの段ボールを置けるが荷物を載せた状態での運転は極めて危険であるためやってはいけない
- 収納スペースがある・・・座席下に設けられており、50ccクラスではジェット形ヘルメットが入る車種が多い。一部の125ccクラスだとA4サイズのアタッシュケースを入れられるものも。
- ホイールが小さい・・・8インチ~12インチが相場。一部外車では16インチという大径車も。
- オートマチックの車種が多い・・・右手のスロットルで加速し、両手元のブレーキレバーで減速。
歴史
スクーターの原型は、1910年にアメリカでAutopedの名称で作られた二輪車が最初と言われている。
子供用のキックスケーターに10インチタイヤと155ccエンジンを搭載した簡素な構造でシートも備えず立ったままの状態で運転するものであった。安価であったためヨーロッパ各国に輸出され、また輸出先でもライセンス生産されるようになった。
1919年にイギリスABC社が着座式シートを装備したSkootamotaを発売、現在のスクーターとほぼ同じスタイルと名称が確立した。折りしもヨーロッパは第一次世界大戦後の混乱と復興に追われており、安価な二輪車として民生はもとより軍用車としてもスクーターは重宝された。
日本で最初に誕生したスクーターは富士産業(現:SUBARU)が生産したラビッドシリーズ、そして中日本重工業(現:三菱重工業)が生産したシルバーピジョンである。共に1946年からで奇しくもベスパのピアッジオも同じ1946年にスクーターの生産を始めており、3社共に敗戦からの復興、航空機産業からの転換という道を辿っている。
ビッグスクーターとスクーターの違い
125cc以上のヤマハ・マジェスティやホンダ・フュージョンなどは一般的にはビッグスクーターと呼ばれている。
スズキ・ヴェクスターなどは125cc以上でもビッグスクーターと呼ばれることは少ない。
両者の違いは主に車体の長さ、パワー、重量である。
ちなみにカワサキモータースがスクーターを販売しないのは、吸収したメグロが大型バイクを販売しており、小型バイクの販売網を国内に持っていないからだとか。エプシロンって黒歴史だろ?
スクーターを乗るときの注意
必ず片足で待機することである(両足で待機する人を見かけるがこれはかなり危険)。教則には万が一転倒しても自動車交通の妨げになりにくいからとされているがもう一つ理由がある。それは片足がアクセル代わりになっているからであり、両足で待機していると加速時にバランスを崩し転倒リスクが高くなる。
したがって、着地している路面も滑らない地面を選んでおくことが大事であり、特に雨天時にマンホールや白線などの上で待機していると、加速時に転倒事故を起こす危険が高い。
主な車種
ホンダ
50cc以下
トゥデイ
ディオ・ディオチェスタ
ベンリィ・ベンリィプロ
ズーマー
ジョルノ
クレアスクーピー
ジャイロX
ジャイロキャノピー
EVネオ
51cc以上
リード・EX
PCX150・PCX125
ディオ110
ベンリィ110・ベンリィ110プロ
ヤマハ
50cc以下
ビーノ・ビーノモルフェ
ヴォックス
ジョグ・ジョグZR
ギア
EC-03
51cc以上
シグナスX・シグナスX SR
アクシストリート
TMAX500・XMAX250・NMAX125
スズキ
50cc以下
51cc以上
アドレスV100・アドレスV125・アドレスV125S・アドレスV125G
アヴェニス125
バーグマン200・バーグマンストリート125
スイフト110
スカイウェーブ250・スカイウェーブ400・スカイウェーブ600(市販最高排気量)
カワサキ
自社製品はないが、かつて輸入品で販売実績があった。
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関連項目
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