バリスタとは、
- ballista - 古代から中世のヨーロッパで使用された設置式の巨大クロスボウ。
- barista - バールという喫茶店でエスプレッソを扱う人。
- barrister - 法廷弁護士。
- 非直線性抵抗素子(variable resistor)のこと。突発的な高電圧から精密機器を守るときなどに使用される。
- 3世紀のローマ帝国の軍人。元々は親衛隊長官でいろいろあって皇帝を僭称したけどなんやかんやで殺されたらしい。
本記事では1.~3.を扱う。
1.の概要
名称は古代ギリシア語の「βάλλω」に由来する。これは英語の「Throw(投入)」に相当し、大型矢だけでなく石や金属なども弾として発射できるカタパルト的なものだったことを表している。当時は主に攻城兵器やそれらからの防衛として猛威を振るった。
銃砲が発達した今では使用されることは稀なものの、英語で弾道学を示す英単語「ballistics」にその名残が見られる。ICBMのBはBallisticのBと覚えよう。
ちなみにラテン語由来フランス語訳のアーバレスト(arbalest)はクロスボウの同義語とされることが多いが、バリスタを指して使われることもある。バネの使用非使用で両者を分ける場合もある。
めっちゃでかいクロスボウにロマンが感じられるのか、フィクション作品では兵器として登場するに留まらず、名前として用いられることもしばしば(ex. 世界樹の迷宮、アイシールド21等)。
モンスターハンターでは対古龍用ステージや闘技場に設置されている。大砲と比較すると威力は低いものの、標準がつけられる点で差別化を図っている作品が多い。ただし発射後の硬直には注意。水中用バリスタ弾やバリスタ用拘束弾などの派生形も。
別に道をふさぐ葉っぱをビームで吹き飛ばせたりする人のことではない。
そもそも捏造だし。
2.の概要
イタリアにおけるバール(Bar)は英語圏のバー(Bar)に由来する語だが、酒場ではなく軽食喫茶店を指す言葉である。よって、同じ成り立ちの言葉でも、英語の「Bar + tender(バーで世話をする人)」であるバーテンダーが酒類について詳しい人である一方で、イタリア語の「Bar + rista(バールで働く人)」は主にエスプレッソに詳しい人を指す。
研鑽した知識や技術を用いた認定試験や競技会も盛んであり、特に米国or欧州スペシャルティーコーヒー協会は各国の全国大会優勝者が集う「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ」を毎年開催している。
ネスレ日本が開発した世界初の家庭用インスタントコーヒー専用マシン「ネスカフェ バリスタ」はこの語が由来。低迷したインスタントコーヒー人気に対して開発された「小型化した業務用機」がコンセプト。簡単操作で様々なメニューを楽しめる上、丸洗いが可能な便利設計。本体価格が抑え目な分カートリッジで利益を出す方式をとっている。
ニコニコでは焙煎のし過ぎを怒ったりして最終的にうさぎになった人とかが有名。
3.の概要
イギリスやその支配下にあった国で、法廷内での仕事(弁論や証拠調べなど)を一手に請け負う方の弁護士。対義語は事務弁護士(solicitor)。
この分業制度が敷かれている国では、まず直接法律的な相談・依頼を受ける弁護士は事務弁護士の方であり、彼らは代理人として書面作成などの裁判手続きを行う。一方、法廷弁護士は基本的に事務弁護士から委任されないと事件に関与することはできず、報酬なども彼ら経由から受け取る。
メリットとしては、判例に詳しく裁判事例ごとにそれぞれ特化した専門知識を兼ね備えた弁護士に裁判の場に携わってもらうことができる点が挙げられる。デメリットとしてはコストの二重化や過度の専門化による視野狭窄など。最近では上級事務弁護士といって、法廷に立てる事務弁護士も現れている他、法廷弁護士への直接依頼の禁止も撤廃が進んでいる。
ちなみに2.のバリスタとはあながち無関係な単語ではない。というのも「Bar」という単語には「弁護士・裁判」といった意味もあるため。飲食店のBarが馬を繋ぐ棒に由来するのに対して、こちらは傍聴席との仕切りの横木が元になったと思われる。
「街の国際弁護士」の「弁護士」はこの弁護士のこと……かもしれない。
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関連項目
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