プロテスタントとは、キリスト教の分類の一つである。新教。
概要
厳密にはプロテスタントという宗派は存在せず、多くの宗派の集合体、総称である。このためプロテスタントのクリスチャンと言ってもそれぞれの信条宗派は異なることがある。この点空手に似ている。空手も多くの流派があって一様ではないように、プロテスタントにもここでは書ききれないくらいの宗派に分かれているのである。有名なものはルーテル派、聖公会、メソジスト、カルバン派、アーミッシュなど。結構団体も乱立していてこの辺もちょっと空手の状況に似ている。
なのでどこからどこがプロテスタントなのかも定義しがたいし、中にはちょっと怪しい教会、宗派もある。カルトとされるようなところがプロテスタントを自称することもある。(聖公会はカトリックに近いところがあるため、プロテスタントとはしないこともあるし、セブンズデーアベンチストのような見解が分かれるものもある。)
歴史
ルター以前からフス、ウィクリフなどその胎動はあったが、なにより1517年にドイツのマルティン・ルターが95か条の論題を出してカトリックに抗議したとこからプロテスタントは始まる。ローマ教皇の守護者たる西ローマ帝国の自称後継者神聖ローマ帝国から出てきたのも皮肉なもんである。このprotest(抗議)がプロテスタントの由来となる。当時カトリックは免罪符という買えば罪が許される券を発行しており、こういった一連の腐敗に対しルターは「信仰によってのみ救われる」信仰義認主義を説いた。また聖書を庶民が読めるようにドイツ語に翻訳したり、人々にわかりやすくキリスト教を説いたため、当然カトリック側はこの一連の動きを弾圧した。このためフランスなどではプロテスタントは生き残ることが出来なかったが、それでもこの動きは止められず広まっていき、様々な宗派を生み現在に至るというわけである。
現代では主にヨーロッパのゲルマン系の国、北米、オーストラリアなどで優勢であり、これらがプロテスタント圏である。
いろんな宗派があるためプロテスタントの教義を説明することはできないが、教皇の権威を認めず、万人祭司であるため牧師さんも厳密には聖書に詳しい普通の人であり聖職者はない。カトリックの神父と異なり結婚もする。また、教会は質素でイコンも像も置かない場合がほとんどである。聖人やマリア崇拝もしない。
プロテスタントの一派であるピューリタンはアメリカを最初に開拓し、アメリカの礎を築いた。無神論者も増えたがまだまだアメリカはプロテスタントの影響強い国である。またマックス・ウェーバーは近代資本主義の発展はプロテスタントの精神が影響していると指摘した。こういったことを考えれば、プロテスタントが持つ意義は宗教的なものだけでなく、また、その発端となったルターは最も世界を動かし影響を与えた人物の一人ということも言える。
日本ではプロテスタントのミッション系大学としてはICU、同志社大学、名古屋学院大学、立教大学などがある。
関連動画
関連項目
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