ベリーエレガント(Verry Elleegant)とは、2015年生まれのニュージーランド生産の競走馬である。青鹿毛の牝馬。
血統背景
父Zed、母Opulence、母の父Danroad。誰だよと思った方は多いだろう。記事主もそうだった。父Zedはニュージーランドのマイナー種牡馬だが、その父はニュージーランドの大種牡馬Zabeelである。母の父Danroadも種牡馬としての実績はそれほどではないが、その父は世界中を行き来した大種牡馬*デインヒルである。……お気づきの方もいるかもしれないが、父や母の父としての実績は全く語ることがない。つまり本馬は超が付くほどの雑草血統なのである。強いて言うなら父・母共に現代競馬の母Mumtaz Mahalの直系子孫なのが血統的アピールポイントになるだろうか。本馬から数えて11代前となると影響力はだいぶ小さなものであるが……
競走生活
2歳・3歳
2017・18年シーズンにニュージーランドでデビューして2着。今シーズンはこの1戦のみであった。
2018・19年シーズンはデビュー1が月後のレースで初勝利を挙げ、その後、もう1勝してから、オーストラリアに移籍した。
移籍初戦のマニフォールドステークスは3着に入り、次走のエーテルステークスで重賞制覇。続くウェイクフルステークスと初G1挑戦であるケネディオークスに出走するもそれぞれ5着・7着だった。ちなみにケネディオークスは連闘での出走であった。連闘と聞くと日本の競馬ファンは心配になるだろうがオーストラリアではよくあることである。
年明け初戦のザヴァニティを2着。続くファーラップステークスを勝利するとヴァイナリースタッドステークスでG1初勝利。さらにオーストラリアンオークスを勝利しG1を連勝した。
4歳
2019・20年シーズンはウィンクスステークスから始動するも9着惨敗。このレースは1400mとベリーエレガントにとっては短すぎるものであったが、オーストラリアではシーズン初戦を短距離で使ってから徐々に距離を伸ばしていくスタイルが主流である。
その後、距離を伸ばしてジョージメインステークスの4着を挟んでヒルステークスを勝利。春の中距離戦の大一番コックスプレートに挑むも日本から遠征してきたリスグラシューから約10馬身離された12着に敗れた。
年明け初戦の1400mのアポロステークスで始動し4着。その後はマイルのチッピングノートンステークスを2着と好走して、中距離のランヴェットステークスでは欧州からの遠征馬アデイブ負けたものの2着に入った。
陣営はその後1週間後のタンクレッドステークスに連闘で出走。「G1連闘とか大丈夫か?」と思うかもしれないがオーストラリアではよくあることです。そしてきっちり勝った。
その後、秋の中距離の大一番クイーンエリザベスステークスに出走。日本からの遠征馬ダノンプレミアムを差し返すが、ランヴェットSの勝ち馬アデイブに連敗した。
5歳
2020・21年シーズンは昨年の同様にウィンクスステークスより始動。ベリーエレガントにとって短すぎるがいきなり勝利を挙げた。
次走のジョージメインステークスは4着に敗れるが、ターンブルステークス、コーフィールドカップと連勝し、その勢いのまま豪州競馬の祭典メルボルンカップに挑むも7着に敗れた。
年が明けてアポロステークスを3着。チッピングノートンステークスで勝利を挙げ、さらにランヴェットステークスでは前年の覇者でチャンピオンステークスを勝利したアデイブに勝ち星挙げた。しかし、クイーンエリザベスステークスではアデイブ再び敗れ連覇を許す形となった。
本シーズンはG1・5勝したことが評価され、豪州年度代表馬を受賞した。
6歳
2021・22年シーズンも例年と同様にウィンクスステークスから始動して2着。続くジョージメインステークスは勝利。連覇を狙いターンブルステークスに出走するが、目下7連勝中の上り馬インセンティヴァイズの8勝目を後目に4着敗戦した。
コックスプレートでは出遅れて後手に回り、果敢に捲るも遠征馬ステートオブレストと新進気鋭の3歳馬アナモーに敗れ3着。
年明けまで休養かと思われたが、ここで陣営は中9日でメルボルンカップへ出走を決断。「いくらなんでも大レースを使った後に長距離G1は辛いだろ」と思うかもしれないが、コックスプレートからメルボルンCへ向かう馬は割と多い。なんなら中2日で出走する馬もいる。要するにオーストラリアでは(以下略)。前年の配線や斤量も重かったこともあり、それほど人気はしなかった。しかし、レースでは逃げ粘る9連勝中のインセンティヴァイズを楽な手応えで交わし去り4馬身差の圧勝でG1・10勝目を飾った。
年明けのアポロステークスを7着。チッピングノートンステークスでは後方から追い上げて連覇。ここまでは順調だったが、連覇の懸かったランヴェットステークスでは前の馬を捉えられず2着。クイーンエリザベスステークスは後方で構えるも伸びきれずに5着に敗れた。
この結果を受けて凱旋門賞挑戦は断念した。……かと思いきやフランスへの移籍を表明。陣営によると本馬は2400m以上で能力を発揮する真のステイヤーだが、コーフィールドカップやメルボルンカップなどはハンデ戦で重い斤量が見込まれると主張。移籍先はフランシス=アンリ・グラファール厩舎で、凱旋門賞を最大の目標としている。
7歳
移籍初戦は8月のロートシルト賞の予定だったが、態勢が整わないことからここを回避して3週間後のジャン・ロマネ賞に向かうこととなった。ランフランコ・デットーリ騎手鞍上の本馬は1番人気に推されたが、道中最後方から直線でも伸びあぐねて7頭中7着に終わった。
続いて凱旋門賞と同条件の前哨戦フォワ賞に出走。前走の惨敗が響いたのか6頭中4番人気の低評価だった。レースでは逃げを打って後続に差されて3着。負けはしたものの一定の目途が付いた走りだった。この結果を受けて凱旋門賞へ追加登録をするも仏2戦での敗戦の影響でレーティングが下がって除外の危機。上位レーティング馬の回避を待っていると前日のロワイヤリュー賞へ間に合わないため、陣営は不満を残すも本来の目的であった凱旋門賞を回避することとなった。
気を改めてロワイヤリュー賞へ出走。2番人気に支持されるも動けない位置に入ってしまい前が壁になり、外に持ち出すのにも苦労して結果は7着。レーティングを否定するどころか肯定する結果となってしまった。
その後はイギリスに渡ってブリティッシュチャンピオンズフィリーズ&メアズステークスに出走するも9着に敗退。この競走を最後に引退を表明。通算42戦16勝、G1・11勝。本来得意なのは先行からの押し切り競馬なのだが、2022年の衰えのせいか後方からの競馬が多くなってしまっていた。あと1年早く凱旋門賞へ向けて遠征できせいれば……と思わらざるを得ない結果で終わることとなった。
繁殖牝馬時代
引退後はヨーロッパに残って種牡馬を付ける予定。アイルランドで繋養されることとなり、初年度はSea The Starsを付けて受胎した。初年度産駒はイギリスでデビューされる予定として、その誕生が楽しみにされていた。
しかし2024年2月18日に出産時の合併症により急死。あまりにも早すぎる死であった。受胎していた仔も助からなかった。
本馬の活躍を称えるために、現役時に連覇を果たしたチッピングノートンステークスをベリーエレガントステークスと改名した。
血統表
Zed 2002 鹿毛 |
Zabeel 1686年 鹿毛 |
Sir Tristram | Sir Ivor |
Isolt | |||
Lady Giselle | Nureyev | ||
Valderna | |||
Emerald Dream 1996年 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | |||
Theme Song | Sackford | ||
Cotehele House | |||
Opulence 2005年 青鹿毛 FNo.9-c |
Danroad 1999年 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Strawberry Girl | Strawberry Road | ||
Pay The Piper | |||
Mulan Magic 1999年 鹿毛 |
King's Theatre | Sadler's Wells | |
Regal Beauty | |||
Chalet Girl | Imposing | ||
Cotehele House |
クロス:デインヒル 3×3(25.00%)、Cotehele House 4×4(12.50%)
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