概要
日系3世のブラジル人で、サンパウロFCに所属していた元サッカー選手。ブラジル代表のセンターフォワードを務め、背番号10を預けられたほどの名選手だった。オーバーヘッドキックを得意としており、「ゴールに向けてシュート→わざとゴールバーにボールを当てて、正確に自分の頭上にボールを跳ね返す→そのボールをオーバーヘッドキック」という神業を事もなげに披露して見せた事もある。地面を蹴る反動でシュートの威力を増す「スカイウイングシュート」も使用していた。
しかし試合中の怪我で網膜剥離を患い、「次に激しい衝撃を受けたら完全に失明する」との診断を受け、若くしてサッカー選手としては再起不能になってしまう。絶望したロベルトは海に身を投げて自殺を図るが、日本人の船長・大空広大(おおぞら こうだい)に救助されて一命を取り留める。日本での治療を勧められて渡日するが、診断の結果は変わらなかった。しかし居住した大空家で運命の出会いを遂げる。広大の息子、大空翼であった。
ロベルトは小学生の翼や南葛小サッカー部を指導し、強豪・修哲小に勝利するまでに成長させる。翼とは「小学校卒業後にブラジルに連れて行く」と約束を交わし、世界最高のサッカー選手になるという翼の夢を叶える事を自身の新たな目標とした。その後南葛SCが全国大会優勝を果たすまで見守り続けたが、ここで「人生の落伍者である自分が、この後輝かしいサッカー人生を送るであろう翼に関わっていていいのだろうか」との疑念を抱き、一人ブラジルに帰国してしまう。
なお、この時ロベルトが来訪した静岡県はうなぎの名産地として有名である。日本在住時にうなぎのカバヤキを食した機会があった事は疑いようが無い。これが後の迷言への伏線となる。
しかし、翼のもとには今後のサッカーの技術指導や、世界のサッカーの知識、サッカーに向き合う哲学までも記した「ロベルトノート」を残しており、これが中学生時代の翼の成長を大きく後押しする。自身は現役時代はセンターフォワードであったが、翼には「中盤でゲームメイクしつつ、同時に点を取れるミッドフィールダーになれ」と勧めており、その教えに従い翼はMFに転向。後の現実の日本が優秀な選手がMFばかりでFW不足に陥る遠因を作った。
ブラジルに帰国後、サンパウロFCの少年チームの監督を務めていたが、偶然遠征先のフランスでジュニアユース選手権が開催されており、そこで大きく成長した翼のプレーをスタンドから見守る。ここでもやはりロベルトは翼に会わずに去るつもりであったが、旧友バルバスがアルゼンチンJr.ユースの監督をやっており、大会後に翼をアルゼンチンにスカウトするつもりだと打ち明けられて翻意。翼をブラジルに連れて行き、自分の手元で育てる事を決意した。大会終了後に翼と再会、かつての約束を果たす。
その後、翼がサンパウロでプレーした時期はあまり長く描かれておらず、翼がバルセロナに渡った後は同じチームで指導することは無くなった。そのため敵であるブラジル代表チームの監督やコーチとして翼と対戦する立場での登場となる。
ちなみに映画版ではカルロス・サンターナ、テクモ版ゲームではアルツール・アンチネス・コインブラ、ワールドユース編ではナトゥレーザ、舞台版ではエイブ・レオン、と毎回「翼を凌駕する優秀な選手」を引き連れてくるのも特徴と言える。
テクモ版ゲーム
キャプテン翼2
翼がブラジルに渡った後、サンパウロFCの監督として共に戦う姿が詳細に描かれる。
この時の迷言「ちなみに イールとは うなぎのことだ カバヤキにすると うまいぞ。」はロベルト本人の記事が作られる前から独立記事が存在するほど有名。
舞台がワールドユース大会になるとブラジル代表の監督に就任、序盤で戦ったブラジルのチームのオールスター軍団を率い、さらにメオンが頼りないのでセリエAからゲルティスを招集。
その一方で、翼に「スーパーストライカーを目指せ」という助言の手紙を送っている。
そして日本との決勝戦では、伝説のシュート「サイクロン」を開発しスーパーストライカーとして完成しつつある翼を賞賛するが、“完成されたスーパーストライカー”コインブラを投入して最強の戦力で翼の前に立ちはだかる。日本の優勝後は翼のもとに戻り、その成長を賞賛した。
この時「なぜコインブラを最初から出さなかったのか」という疑問は今も解明されない謎であり、むしろ「翼を成長・優勝させるために母国ブラジルを踏み台に使ったのでは無いか」という疑惑すらある。仕事しろロベルト。
キャプテン翼3
引き続き序盤はサンパウロFCの監督、後半はブラジル代表の監督として登場。今度はさすがにコインブラも前半から出場させている。
サイクロンが足首にかける負担が通常のシュートの数百倍である事を見抜くが、だからと言って特に何もしない。仕事しろロベルト。下手したら翼の選手生命に関わる危機だぞ。監督として改良案を一緒に模索するとか、せめてサイクロン禁止令を出すとか……。
キャプテン翼4
舞台がプロに移り、翼はサンパウロFCトップチームに昇格。同時にロベルトもトップチームの監督に就任しており、引き続き翼の指導にあたる。だがチームへの指示は「普段通りにやれば問題ないだろう」とか適当であり、敵チームの危険人物オルミーガの情報を全く掴んでいなかったりと手抜きが目立つ。
チーム編成の権限が彼にどれほど与えられていたかは分からないが、優秀なDFドトールとアマラウを敵チームに引き抜かれた事を始め、外国人選手バビントンを引き留められず、チームの中核だったストラットを後先考えずに放出して戦力低下を招く、ユースから昇格させたマウリシオの態度が悪くチームの和を乱している時に監督として指導した様子が見られない、などチームの内情はかなり問題がある。
ラテンアメリカカップに出場するブラジル代表選手の選抜も、他にもっと優秀な選手がいるのにサンパウロFCの選手を優先しており、ザガロ、ネイ、トニーニョ、リベリオ、ジェトーリオ、タファエル、ランペドーサらが出場機会を逃している。せめてザガロとタファエルだけでも抜擢するべきだった。
ルートによっては全日本の監督に就任する。最後までサンパウロで進んだルートでも次回作ではサンパウロの監督をやっておらず全日本の監督になっているので、結局のところ、この一年限りでサンパウロの監督は辞めてしまったようだ。まるで「翼がセリエAに行ってしまうので、翼がいなくなったチームに未練は無い」とでも言うかのように。
キャプテン翼5
翼、日向、若林ら主力が海外のクラブチームで活躍する間、日本に残った森崎などでアジアカップに出場。「いつも翼や日向たちに頼り切りではいけない」と一軍半の選手達に奮起を促し、三杉が無理をしつつも優勝にこぎ着ける。
だがその裏では新田がチームを離反し、恩師ジョアン監督がロベルトが去ったサンパウロの監督に復帰して新田を指導、ロベルトの指導が間違っていたと暗に非難される。前作まで新田に経験値を与えるのは無駄だから一切使うなとか、最初から三杉を起用して新田はベンチとかやってたプレイヤーは反論の言葉も無い。
ワールドトーナメントではジョアン監督が敵チーム「カンピオーネ」を率いて立ちはだかる。激闘の末に、「選手としても一流だったが、監督としても一流のようじゃ」と賞賛され、優秀な選手ばかりでなく優秀なチームを作り上げたロベルトを讃えるジョアンの言葉でゲームが締めくくられる。
このように、前作までの悪評を払拭する褒めちぎりようでテクモ版の物語が完結した。『キャプテン翼5』は賛否両論あるゲームだが、もしも『4』までで終わっていたらロベルトの評価はどん底だっただろう。ロベルトにとって、このストーリーは大変な救いになるものだった。
関連動画
なぜかキャプテン翼ではなく、『ウイニングイレブンタクティクス』で弱小チーム・アタランタを率いて戦うことに。丁寧なゲームの紹介とサッカーの戦術について教えてくれる。
オープニングの第0話は後から作られたもので、第1話へのリンクが作られていないので注意。
関連項目
- キャプテン翼
- スカイウイングシュート
- ジョアン・アラゴネス
- カルロス・サンターナ
- サリナス
- バビントン
- ジウ(キャプテン翼)
- ドトール
- レナート
- ストラット
- バモラ
- マウリシオ
- ザガロ(キャプテン翼)
- メオン
- ゲルティス
- コインブラ
- カバヤキにすると うまいぞ。
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