二式飛行艇とは、大日本帝国海軍の大型飛行艇である。通称二式大艇。
略符号はH8K(H=飛行艇、8=(飛行艇の)8番目、K=製造:川西航空機)。
概要
飛行艇開発に熱心な帝国海軍は、1938年1月8日に九七式飛行艇を制式採用した。当時欧米諸国が配備していた飛行艇よりも優れた傑作機であったが、開発開始から実に4年もの歳月を費やしていた。後継機開発も同じように時間が掛かるだろうと判断した海軍は、早々に次世代機の開発に取り掛かった。
帝国海軍の要求で川西航空機が設計・製作した四発大型飛行艇で、第二次世界大戦当時の飛行艇の中では最高性能を持った傑作機である。試作や派生機を含めて複数の型が存在するが、一二型(H8K2)を例に取ると最高速度454km/h、航続距離7153km、武装が20mm旋回砲5門、7.7mm旋回銃4挺、爆装として250kg爆弾8発、または航空魚雷2本などが搭載できる。
本機の操縦装置は油圧補助の無い人力によるもので、昇降舵の操作は一人でなく、正副操縦士の前に置かれたΠ型の操縦桿を、二人がかりで操作する。(九七式飛行艇から続いて採用された親子式二重フラップは油圧駆動)
本機には陸上に着陸、もしくは海面から上陸するための主脚が内蔵されておらず、着水後に陸上に上がる際は850kg近い台車を洋上において人力で装着した。
空中性能、攻撃力、防御力に優れていた事で恐るべき機体として連合国から認知され、戦中は各地で索敵・偵察・爆撃・輸送など多岐に活躍した。しかし戦中後期になると制空権を失った中で敵戦闘機の前に次々と落とされてしまい、戦後まで残存した機体はほとんど無い。
現存する二式飛行艇は特攻基地で有名だった海上自衛隊鹿屋航空基地資料館に野外展示してある。
なお、終戦後、川西航空機は社名を変更して新明和興行を経て新明和工業となり、一時はGHQによって中止されていた航空機の製造も再開し、その中でUS-1(US-1A)、US-2などの飛行艇の製造も続けている。
種類(量産されたものは太字。その他は試作機のみ)
- 十三試作大型飛行艇(十三試大艇) H8K1 … 試作機
- 二式飛行艇一一型 H8K1 … 昭和17年(1942年)制式採用。
- 二式飛行艇一二型 H8K2… エンジンを三菱「火星一二型」から「火星二二型」に変更等。
- 二式飛行艇二二型 H8K3 … 二式飛行艇一二型の改良試作機。
- 二式飛行艇二三型 H8K4 … エンジンを三菱「火星二二型」から「火星二五乙型」に変更等。
関連動画
実際の記録映像など
ゲーム動画、MMDユーザモデル・同作品など
現在の新明和工業の機体など
関連静画
関連商品
外部リンク
関連項目
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