凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録とは、南野海風によるライトノベルである。
概要
小説投稿サイト「小説家になろう」にて2019年2月から連載開始されたWeb小説。
Web小説版では『狂乱令嬢ニア・リストン』だったが、商業化に際し表記が一部改められ、副題がついた。書籍版はホビージャパンより、コミカライズ版はスクウェア・エニックスより発売されている。
幼女の肉体を得て生まれ変わった英雄が大暴れするという典型的な転生ものであるが、剣と魔法の世界にありながら、いわゆる「魔法使い」はほとんど出てこない。主人公や周辺の登場人物が基本的に飛び道具を使わずステゴロで戦うのが特徴。
魔法は飛行船や魔法映像といったテクノロジーの形で現れており、政財界がそれら最新技術を巡って権謀術数を巡らし、そんな中で主人公たちが子どもの立場からも懸命に立ち回る様子がもう一つの見どころでもある。
また、転生ものでは主人公が子どもである期間は短く、すぐ思春期相当の年齢になることが多いが、本作は小説版5巻になっても主人公が小学部2年生であり、時間の進み方が非常にゆっくり。裏を返せばそれだけ幼女が並み居る敵をボコ殴りにする様を長く楽しめるということでもある。
あらすじ
この時代において、最も新しき英雄の名は、これから記されることになります。
素手で魔獣を屠る、血雨を歩く者。
傷つき倒れる者を癒やす、白き癒やし手。
堅牢なる鎧さえ紙屑のように扱う、騎士殺し。
ただただ死闘を求める、自殺願望者。様々な異名で呼ばれた彼女ですが、やはり一番有名なのは「凶乱令嬢」の名でしょうか。
――書籍版第1巻 プロローグ
かつて戦いに狂った英雄は、とある人物が使った反魂の法により、病に倒れ瀕死の少女、ニア・リストンとして蘇った。「彼女」は前世の記憶をほとんど失っていたが、戦いへの渇望に従い、「氣」によって病弱な身体を鍛え直し、強靱な身体能力を取り戻した。
一方、リストン家は最新鋭の魔法機器・魔法映像への投資によって財政難に見舞われていた。自分の代わりに世を去った「本物のニア」とその家族への責任を果たすため、そして「戦いのさなかに死ぬ」という己の欲望を叶えるため、ニア・リストンは世界中を駆け回る。
世界観
浮島
この世界はもともと大地と繋がった大陸だったが、巨大な魔物の破壊行動によって陸は四散して宙に浮き、現在では無数の浮島に分かれている。国や諸侯の領地も基本的にいくつかの浮島のまとまりである。浮島は長らく分断されているうちに、生態系ごと変わってしまうまでに多様化しているという。
住民達は各浮島間を飛行船で渡っており、航空技術が発達している。多くの飛行船は(魔法で動いていると言うこと以外は)現実世界のものに似た形をしているが、一部に流線型の高速船や、現実のスクーターに似た「単船」と呼ばれる小型の飛行船もある。
魔法映像
本作において飛行船と並ぶ主要テクノロジー。「魔晶板」とよばれる薄い板状の道具に、放送局から発信される映像を映し出すことができるシステム。要するにテレビ。この世界ではまだ運用が開始されたばかりで、放送局もわずかしかなく、魔晶板そのものも庶民の収入数ヶ月分にあたるほど高価だという。
リストン家は王都についで早期に放送局を立ち上げたが、主な理由がニアの治療法を探すためであり、そのために無理な出費をしている。ニアは両親の恩に報いるため、病気の完治後も出演者となることを決意する。
魔法映像に参入した諸領も事業の成功のためにはまず魔晶板の普及が不可欠と考えており、本作の登場人物はほとんどがこの目的のために動いている。
「氣」
この世界の人間が魔力と共に誰でも持っているものだが、使いこなせる者はおろか、その存在に気付く者すらごくわずかである。
ニアは数少ない「氣」の使い手であり、氣を練ることで様々な必殺技を使うことができるほか、「本物の」ニアを死に至らしめた病気さえ治療してしまった。
登場人物
主要人物
アルトワール王国
王都
リストン領
シルヴァー領
ヴァンドルージュ王国
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
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