区間快速とは、快速列車の派生種別で一部の区間で各駅に停車するタイプの快速である。
概要
快速列車の下位派生種別。ある区間は快速列車と同じ停車駅に停車するが、ある区間では各駅に停車するタイプの快速のこと。
かつて阪和線で運行されていたB快速や鹿児島本線で運行されていた準快速も同様の性質であった。
JRの区間快速
千歳線
2024年3月のダイヤ改正で設定された種別。正式名称は「区間快速エアポート」。快速エアポートを日中6本/hまで増発するために削られた、北広島駅〜千歳駅間の普通列車の補完として日中のみに設定される。
停車駅は札幌駅・新札幌駅と、北広島駅〜新千歳空港駅間の各駅。他の快速エアポートと異なり、小樽方面へ直通する列車は設定されていない。また、一部普通列車が通過するサッポロビール庭園駅には、区間快速は全列車が停車する。
余談だが、2020年3月改正までは函館本線で区間快速「いしかりライナー」が設定されており、JR北海道における同種別は、路線こそ違えど4年ぶりの復活となる。
東海道本線名古屋地区
豊橋駅~岡崎駅間が各駅停車となり、早朝・深夜など同区間の普通列車が運転されない時間帯における快速通過駅の利便性を確保している。岡崎駅以西の停車駅は快速と同じ。浜松駅発や関ヶ原駅・米原駅まで行く列車もある。
武豊線
朝夕のラッシュ時に大府駅から東海道本線に直通する区間快速が運転されている。快速運転を行うのは東海道本線のみで、武豊線内は各駅に停車する。
非電化時代の1990年3月のダイヤ改正より運転を開始したもので、加減速性能の悪い気動車を使わざるを得ない以上、電車列車の邪魔をしないために東海道本線で快速運転を行うようになった。
中央本線名古屋地区(中央西線)
2024年3月ダイヤ改正より設定された最も新しい区間快速。運転時間は9時〜15時台。なんと通過駅は定光寺駅と古虎渓駅のみで、それ以外の区間は各駅に停車する。
関西本線名古屋地区
朝夕のラッシュ時に運転されている。快速運転を行うのは名古屋駅〜桑名駅間で、快速区間の停車駅は蟹江駅と弥富駅。2022年ダイヤ改正で八田駅と春田駅に停車するようになり、通過駅は長島駅と永和駅のみになった。
2009年3月ダイヤ改正より運転開始。同じダイヤ改正の日より運転を開始した名古屋駅-四日市駅間で桑名駅にしか停車しない快速を新設したが、従来の快速の停車駅を引き継いだのがこの区間快速である。
奈良線
京都駅〜宇治駅間で快速運転を行い、宇治駅から先は各駅に停車する。朝晩を中心に運転される。
かつては宇治駅で先行する普通列車を追い抜く区間快速が存在したが、現在は区間快速よりも先発した普通列車が先着するようになっている。
大和路線
大阪環状線と大和路線を直通し、大阪環状線内では各駅に停車する。一部は大和路線から更に和歌山線・桜井線へと直通し、高田駅・五条駅へ行く列車もある。快速(大和路快速)と比べて大差がなく、快速との停車駅数の違いは大阪環状線内の3駅のみである。
平日ダイヤの朝夕ラッシュ時、土休日ダイヤの朝と夜間に運行されている。ラッシュ時に運行されることもあり、221系8両編成を使用。
阪和線
天王寺駅~鳳駅間は快速運転を行い、鳳駅から先は各駅に停車する。1961年から運転されている歴史ある種別である。鳳駅を境に、北の各駅は普通列車・南の各駅は区間快速といった分担方式になっている。
日中は天王寺駅~熊取駅間で毎時4本設定される。2022年ダイヤ改正以前は日中も日根野駅まで運転され、関空快速・紀州路快速と接続していた。
かつて運転されていたB快速も区間快速の仲間で、区間快速よりも快速運転区間が長い。こちらは天王寺駅~熊取駅間で快速運転を行い、熊取駅から先は各駅に停車する。現在は大半の紀州路快速がこのパターンを受け継いだ。B快速の記事も参照のこと。
JR学研都市線(片町線)
京橋駅~四條畷駅間で快速運転を行い、四條畷駅から先は各駅に停車する。
JR宝塚線(福知山線)
2020年3月のダイヤ改正で日中の丹波路快速・快速を区間快速に変更する形で誕生した。このうち快速は宝塚駅発着を新三田駅発着に延伸した上で種別変更され、代わってJR京都線直通の普通が宝塚駅発着に短縮された。
川西池田駅以遠が各駅停車となり、生瀬駅・武田尾駅・道場駅にも停車する。使用車両は223・225系6000番台が集中的に使用される傾向にある。
鹿児島本線福岡地区
2018年3月のダイヤ改正でそれまでの準快速に代わる形で誕生した。鳥栖駅~八代駅間の列車のうち大牟田以北で快速運転するものも区間快速であったが、こちらは2020年3月のダイヤ改正で快速に変更された。
快速区間は列車によってまちまちだが、福間駅・博多駅・二日市駅・久留米駅で区切られることが多い(行先表示にも快速区間が表示されている)。朝晩は福間駅~久留米駅間で快速運転を行う列車が多い。福間駅以北・久留米駅以南は当該区間を通る全列車が各駅に停車する。
2022年9月のダイヤ改正で日中の快速が区間快速へ置き換えられ、北九州市内の日中の快速が実質的に廃止となった。
私鉄の区間快速
東武鉄道(廃止)
伊勢崎線・日光線・鬼怒川線で運転されていた。浅草駅から新大平下駅まで快速運転を行い、そこから先は各駅に停車する。
下り列車の中には下今市駅で東武日光行と野岩鉄道・会津鉄道経由の会津田島行の列車を切り離すものもあった。
2017年4月21日のダイヤ改正により特急リバティが登場したため、快速・区間快速は全廃されすべてリバティけごん・リバティ会津に置き換わった。なお東上線にも快速があり現在も運行されているが、こちらに区間快速の設定はない。
つくばエクスプレス
北千住駅〜守谷駅間で快速運転を行い、秋葉原駅-北千住駅間と守谷駅-つくば駅間は各駅に停車する。快速運転区間であっても快速停車駅に加えて停車する駅が設けられており、八潮駅・三郷中央駅・柏の葉キャンパス駅にも停車する。ちなみに上位種別とされている通勤快速は区間快速通過駅の六町駅に停車するが、これは千鳥運転を行うため。通勤快速は区間快速停車駅の三郷中央駅には停車しない。
東京モノレール
流通センター駅〜羽田空港第2ターミナル駅間で快速運転を行う。先発する普通列車を追い抜くこともなく、後発の空港快速に追い抜かれることもない(ただし特別ダイヤで普通列車を追い抜いたことはある)。
現在は羽田空港第2ターミナル駅から浜松町駅までの片道1日1本(初電)のみ運行となっている。
関連動画
関連項目
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