小惑星(asteroid)とは、太陽の周りを公転する、彗星(comet)を除いた太陽系小天体(SSSB)の総称である。
概要
1801年、火星と木星の間に新たな天体「ケレス」が発見された。当初は惑星だと考えられていたが、翌年以降同じような位置にパラス、ジュノー、ベスタなどの天体が次々と発見されたことにより、惑星と区別されるようになった。
これらはウィリアム・ハーシェルによって、当時の望遠鏡で観ると恒星の様に見えることから、「恒星の様なもの」を意味する「asteroid」と命名された。だがしかし、実態は「恒星の様なもの」ではなく、岩石を主成分とする天体である。
現在最大の小惑星はパラス(2 Pallas)である。かつてはケレスが最大だったが、2006年に国際天文学連合により惑星の定義が定められ、ケレスは「準惑星」という新たな区分に分類されることとなった。準惑星にはケレスの他に、かつて第9惑星だった冥王星、また一時は第10惑星発見と報じられたエリスなどが含まれている。
小惑星番号と小惑星名
軌道要素が確定し、小惑星センターに正式登録された小惑星には、小惑星番号(minor planet number)と称する通し番号が割り振られている。さらに小惑星発見者は、自分が発見した小惑星に命名することができる。命名権が発見者に与えられる天体は、現在では小惑星のみである。
例えば、小惑星探査機「はやぶさ」の目的地はイトカワ(25143 Itokawa)、小惑星探査機「はやぶさ2」の目的地はリュウグウ(162173 Ryugu) である。全ての小惑星に名前がついているわけではなく、2018年10月現在で小惑星番号が与えられた523,824個のうち、命名されたのはわずか21,787個のみである。
その付けられる名前は、神様(神話由来)や人名(偉人・学者・スポーツ選手・芸能人 から 一般人・事故で亡くなった子供 に至るまで)が多いが、他にも地名(都市名・山・川)、生き物、食べ物、普通の言葉などさまざまである。
なお、ここでいう「小惑星」は英語でminor planetと表記されるもので、小惑星(asteroid)の他にも準惑星、太陽系外縁天体、彗星小惑星遷移天体などを含んだ総称である。そのため、前述のケレス(1 Ceres)からは小惑星番号が剥奪されていないばかりか、惑星から除外された冥王星(134340 Pluto)にも除外時点での番号が与えられる羽目になった。
小惑星帯
小惑星の多くは小惑星帯(asteroid belt)の中に群集して、太陽の周りを公転している。
太陽系には、火星軌道と木星軌道との間のメインベルト(main belt)と、海王星軌道以遠のエッジワース・カイパーベルト(Edgeworth-Kuiper belt、EKB)という二重の小惑星帯(dual asteroid belts)が存在する。但し「小惑星帯」という用語は、現時点では一般的に前者のメインベルトを指す。
こうした内と外の二重の小惑星帯構造は、エリダヌス座ε[1]等、太陽系外の星系にも見られる。
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関連項目
- 宇宙
- 恒星
- 太陽
- 太陽系
- 惑星(水星 - 金星 - 地球 - 火星 - 木星 - 土星 - 天王星 - 海王星)
- 準惑星(ケレス - 冥王星 - ハウメア - マケマケ - エリス)
- パラス
- 小惑星探査機「はやぶさ」
- 小惑星探査機「はやぶさ2」
- 天体の一覧
- 恋する小惑星
脚注
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