美学をもて... 鬼龍のようにとは、猿渡哲也の漫画『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』の登場人物 スマイル・ジョーことジョー・スペンサーの台詞である。
概要を読め... 鬼龍のように
『TOUGH 龍を継ぐ男』[1] 第19巻収録の BATTLE.224 「自分の美学」の締めを飾るセリフ。
かつて米国国務長官スマイル・ジョーは平和主義の大統領には国を任せられないと考え、暗殺を企てていた。後に四大幻獣と呼ばれるようになる四人の部下は暗殺術を磨くことになるのだが、そこへ"灘神影流"の正統伝承者だと大嘘ぶっこいて名乗りインストラクターを務めることになったのが宮沢鬼龍だった。だが暗殺当日、鬼龍が情報をリークしたことで暗殺は失敗、大怪我を負った部下たちはメカ人間に魔改造されることになる。以降、スマイル・ジョーと四大幻獣たちは裏切り者 鬼龍の命を狙うようになった。
時は流れ、愛娘 小倉優希の心臓疾患"バースト・ハート"を治療するため、鬼龍はスマイル・ジョーに連絡を取る。スマイル・ジョーの大統領暗殺計画の証拠をダシに、米国最新医療を優希に提供しろと要求するつもりだったのだ。もちろんスマイル・ジョーは聞く耳持たず、鬼龍の元へ"死神調教師"ベンジャミン・マーフィーを差し向ける。そこで鬼龍は灘神影流5人とスマイル・ジョーの刺客5人を戦わせて全勝したら医療を受けさせるという案を龍星以外の灘メンバーに事前に一切相談することなく持ちかける。マーフィーの手で鬼龍を抹殺できると確信しているスマイル・ジョーはこれを了承。
指で肉を貫くという常人離れした技と何度打ちのめされても倒れない異常な耐久力を持つマーフィーに大苦戦しながらも、文字通り肉を切らせて骨を断つ戦法でなんとか鬼龍が勝利する。おじさん自身が春草にやった戦法で追い詰められてるんスけど...いいんスかそれで...。だが、満身創痍の鬼龍は拳銃を持った黒服に囲まれてしまう。
鬼龍はスマイル・ジョーを「お前は美学に反することはしない、約束は守る男だ」と焚きつける。そしてスマイル・ジョーから「何故わざわざ灘を巻き込もうとするのか」と問われると、「技術向上や一族の結束を促すために試練が必要」と語る。鬼龍の意図を知ったスマイル・ジョーは、鬼龍との約束を守り彼を見逃す。そこへ黒服の一人が舌なめずりしながら「娘を狙えば鬼龍も従順になる」と提案するのだが、スマイル・ジョーは無言のままその部下の顔面へ裏拳を叩き込む。もがく部下を省みることなくスマイル・ジョーは呆れたように呟く。
野卑で知性のかけらもない人間を見ると殺したい気分になる
美学をもて... 鬼龍のように
続くBATTLE.225もこの台詞から始まるが、スマイル・ジョーがいかにもボスキャラっぽく椅子に腰掛けながら
美学をもて... たとえそれが"滅びの美学"であっても
と頭の中で呟くという描写に改編されている。
愛する灘のためにあえて試練を与える―それはスマイル・ジョーのような敵を増やし、その結果命の危険にさらされる可能性を孕む。そのリスクを承知でなお実行する、それが鬼龍の美学。と言えば聞こえがいいが、結局のところ鬼龍は面倒くさいトラブルメーカーだということである。その後始末のために静虎が各所に頭を下げたりしなきゃいけないし、タフ君たち灘関係者が知らない連中に襲われたりするんだよね、酷くない?
余談
後に明かされることだが、スマイル・ジョーは自身を狙ったテロにより妻を失い、娘は植物人間となったという哀しき過去を持っている。「ターゲットの娘を巻き込む」という部下の提案はまさにこのテロリストと同質である。さらに「娘を救いたい」という鬼龍との共通点もあるスマイル・ジョーにとって、この提案は美学云々以前に到底受け入れられなかったと考えられる。
なおスマイル・ジョーは灘対米軍5vs5マッチ(タイマンで5試合)最終戦で、宮沢静虎たった一人に対して"悪霊戦士"キースという4人組を差し向けている。美学をもてとは何だったのか。
最終的に灘の勝利が決まると、約束の通りスマイル・ジョーは治療を施すため優希を米国へ送った。
語録としての使い方
「〇〇をしろ... 鬼龍のように」「〇〇をしろ... ✕✕のように」といった感じで、指示や提案の際に用いられる。作中で鬼龍がそれをやったかどうかは気にする必要はない。気軽に使え...鬼龍のように。
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関連項目を参照しろ... 鬼龍のように
脚注
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