若林忠志(わかばやし ただし、本名:タダシ・ヘンリー・ワカバヤシ (Tadashi Henry Wakabayashi))とは、元プロ野球選手・監督のことである。
概要
OB | |
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若林忠志 | |
基本情報 | |
出身地 | ハワイ準州オワフ島 |
生年月日 | 1908年3月1日 |
没年月日 | 1965年3月5日 |
身長 体重 |
175cm 78kg |
選手情報 | |
投球・打撃 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 1936年 |
引退 | 1953年 |
経歴 | |
選手歴 監督・コーチ歴 | |
プロ野球選手テンプレート |
1908年3月1日生まれ。ハワイ準州オワフ島出身。ハワイ移民の日系二世として生まれ、両親がパイナップルの缶詰会社や貿易商を営む比較的裕福な家庭で育った。
ハイスクール時代はアメリカンフットボールの選手として活躍するも、試合中に頭部を負傷。両親からアメフトを禁止され、野球を始める。その後、デビュー戦で打ち込まれた悔しさからフォームを徹底的に研究し急成長、ハワイNo.1の投手と呼ばれるようになった。
1928年日本に遠征。法政・明治・早稲田大学などと対戦し好投。この時法政大学が若林の投球に惚れ込み熱心に勧誘、本牧中学に転入し卒業した後に法政大学に入学。
大学入学後はエースとして活躍し、数度の故障はあったものの通算43勝を挙げた。
卒業後、日本コロンビアに入社。プロ野球誕生時に巨人・阪急・大阪から勧誘が来たが、提示額が低いことを理由に巨人の勧誘を断り、当時としては異例の1万円の契約金を提示した大阪タイガースに入団。
入団からしばらくは故障の影響で活躍できなかったが、1938年シーズンをリハビリに費やしたことが功を奏し1939年には28勝7敗、防御率1.09、勝率8割の好成績を残し、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得。以降は球界を代表する投手として活躍していく。
1942年より監督を兼任。1944年には22勝4敗、防御率1.56、勝率.846を記録しチームの優勝に貢献するとともに、最多勝利、最優秀防御率、最高勝利の3つのタイトルに加え、MVPも獲得。
戦争中は石巻市に疎開した家族とともにで暮らし、終戦後はしばらく会社を経営していたが、タイガースが選手不足で苦しんでいると聞き1946年に兼任監督として現役復帰。
1947年には26勝12敗、防御率2.09の活躍で2度目のMVPを獲得した。
1950年、毎日オリオンズへ移籍。既に42歳となり、登板機会も大きく減ってはいたが、日本シリーズ第一戦には意表と突いて先発登板し完投勝利を挙げた。
引退後は1955年にトンボユニオンズのヘッドコーチを務めたがチーム成績が振るわず1年限りで退任。その後は日本ペプシコの社長などに就きつつ、野球の解説者としても活動。
1961年に大洋ホエールズの二軍非常勤投手コーチに就任し、1963年からは西鉄ライオンズのヘッドコーチに就任。西鉄の投手陣を立て直し、優勝に貢献した。
1964年野球殿堂入り。だがこの年胃がんが発覚し退団。なお、家族の意向で病状は監督の中西太のみに伝えられていた。
その後も現場復帰を目指していたものの、1965年3月5日、死去。享年57歳。
人物・エピソード
多彩な変化球を投げ分け打者を打ち取る姿から「七色の変化球」と呼ばれた。30歳で前後引退する選手が多かった当時、20代後半でプロ入りし40代までプレーを続けたタフさも売りの一つであった。
シーズン20勝を6度とタイガースのエースとして長らく君臨し、14試合連続登板という世界記録を持つ。また、この他にも「最年長最多勝(1944年、22勝)」「最年長20勝投手(1947年、36歳)」「最年長日本シリーズ勝利投手(1950年、42歳8ヶ月)」といった最年長記録を保持している。
合理的思考の持ち主であり、当時のスパルタ傾向の練習や精神論を嫌っていた。当時の投手酷使の起用法についても疑問を呈していた。
阪神タイガース球団内にはチーム内において優秀な社会貢献活動を行った者などを表彰する「若林忠志賞」が設けられている。
通算成績
投手成績
通算:16年 | 登板 | 完投 | 完封 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
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NPB | 528 | 263 | 57 | 237 | 144 | --- | --- | .622 | 3557.1 | 998 | 1000 | 1093 | 786 | 1.99 | 1.12 |
監督成績
通算:7年 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝率 | |
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NPB | 740 | 390 | 326 | 26 | .546 | 優勝2回 |
獲得タイトル
関連リンク
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関連項目
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