風の歌を聴け(かぜのうたをきけ)とは、1979年に発表された村上春樹の長編小説であり、彼のデビュー小説である。
1981年に大森一樹によって同タイトルで映画化された。
概要
この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる。
東京の大学で生物学を専攻する僕は夏に街に帰って、金持ちだが金持ちを憎む友人鼠と「ジェイズ・バー」でビールを飲み、左手の小指がない女の子との時をすごしながら、今までに寝た三人の女の子のことを思い浮かべ、N・E・Bラジオの「ポップス・テレフォン・リクエスト」に耳を傾け、コンタクト・レンズを捜してくれたお礼にビーチ・ボーイズの『カリフォルニア・ガールズ』のLPを貸してくれた昔のクラス・メイトの行方を追ったりしながら、一夏中かけて何かに取り憑かれたように25メートル・プール一杯分ばかりのビールを飲み干し、「ジェイズ・バー」の床いっぱいに5センチの厚さにピーナツの殻をまきちしでもしないと生き残れないくらい退屈な夏を送っていた。
これはそんな夏の話で、それ以上でもなく、それ以下でもない。
あらゆるものは通りすぎる。そして誰にもそれを捉えることはできない。
そういうことだ。
参考文献・引用 『風の歌を聴け』 村上春樹 著、講談社、2001年12月、第63刷
作中に登場する音楽
| アーティスト名 | 楽曲名 | 頁 |
| アーティスト・楽曲が載っている | ||
| ブルック・ベントン | レイニー・ナイト・イン・ジョージア | 51 |
| クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル | フール・ストップ・ザ・レイン | 53 |
| ビーチ・ボーイズ | カリフォルニア・ガールズ | 57他 |
| グレン・グールド | ベートーベン・ピアノコンチェルト3番 | 62 |
| バックハウス | 〃 | 62 |
| マイルス・デイビス | ギャル・イン・キャリコ | 63 |
| ボブ・ディラン | ナッシュヴィル・スカイライン | 70 |
| エルヴィス・プレスリー | グッド・ラック・チャーム | 144 |
| 楽曲のみ載っている | ||
| ミッキー・マウス・クラブの歌 | 49 | |
| (スライ&ザ・ファミリーストーン) | エブリディ・ピープル | 95 |
| (ジョニ・ミッチェル) | ウッドストック | 95 |
| (ドクター&ザ・メディクス) | スピリット・イン・ザ・スカイ | 95 |
| (エディ・ホールマン) | ヘイ・ゼア・ロンリー・ガール | 95 |
| アーティスト名のみ載っている | ||
| ジョニー・アリディ | 46 | |
| アダモ | 46 | |
| ミシェル・ポルナレフ | 46 | |
| ハイパース・ビザール | 64 | |
| マーヴィン・ゲイ | 90 | |
| ピーター・ポール&マリー | 110 | |
関連動画
「リクエスト曲はビーチ・ボーイズの<カリフォルニア・ガールズ>、なつかしい曲だね。どうだい、これで見当はついた?」
「いいかい。素晴らしい音楽ってのはそういうためにあるんだぜ。可愛い女の子と同じだ。オーケー、一曲目。」
「乗ってくれよ、ベイビー。」
関連項目
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- 小説作品一覧
- 70年代
- 次作(長編)→1973年のピンボール
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- なし
兄弟記事
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- 1Q84
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