アトラム・ガリアスタとは、アニメ作品『Fate/stay night [unlimited blade works]』に登場するキャラクターである。
ファンからの愛称は、石油王。騎士王や英雄王のような風格ある響きかと思いきや、実質的には工場長と大差ない扱いだとか、そうでないとか。
原作ゲーム『Fate/stay night』において、キャスターの元々のマスターは“何の特徴もない中肉中背の中年男性。最弱のサーヴァントであるキャスターを召喚したことに不満を見せ、彼女に手厳しく当たるばかりか、令呪にて自分の魔力量以下の魔力しか使えないよう制限。このためにキャスターから見切りを付けられてしまい、下らない命令で令呪を消費させられて殺害される”という設定の持ち主。この出来事はゲーム本編開始前のことであるため、長らくその姿が明らかになることはなかった。それは、二度のアニメ化においても同様である。
しかし、ufotable製作の下で三度目のアニメ化が果たされることとなった。それも、凛ルートをシナリオとして。こうして、その中盤の大敵であるキャスターについて掘り下げる必要があったため、晴れて登場となった。そこに至るまで、実に十数年もの歳月を経てのことである。
中東に拠点を構える魔術師一族のトップで、金髪褐色肌の整った顔立ちの青年。
きのこ「なに、ゲーム版では中肉中背の中年と書かれていた?うん、それはきっと幻なんだ。気にしてはいけない」
石油で得た莫大な財産に物を言わせて魔術協会における高い地位を手にすると同時に、自らの家名に箔を付けるべくこれまた自身の財力にて聖杯戦争への参加枠を入手。キャスターのマスターとなった。その外見からは、爽やかで気さくな好青年という印象を受けるが、その本性は高慢で自惚れの強い小心者。そして同時に、他者の命を平然と犠牲にできる冷血漢でもある。
アトラムが用いる魔術は、中東の原始呪術に起源を持つ代償魔術であり、生物を生贄に捧げて魔力結晶を精製する、というもの。ただ彼の一族は高い地位にこそあるものの、家格は生粋の名門には劣り、またアトラム自身も魔術師としては二流でしかない。そこで、彼はその不足分を現代科学にて補う。結果、何人もの子供を生贄として一瞬で魔力結晶を精製できる工房を完成させた。本人はこれでキャスターとタメを張れると考えていたようだが、相手は神代の魔女。それ以上の力量を目の当たりにしてしまい、その上せっかくの工房も彼女から廃棄するよう意見されてしまったため、完全に顔を潰される形となった。またキャスターに竜を使役する能力を期待していたのだが、彼女にそのような力などなく、失望してしまう。
誤解を招くといけないので、仕方ないからフォローすると、アトラムが作り上げた工房による魔力結晶精製は、本来であれば一ヶ月もの時間を要する儀式だという。また彼の冷酷非情な思考も、完成された魔術師の精神性によるものである。加えて、キャスターには“秘薬で竜を眠らせた”“竜の牽く戦車にて天空を駆けた”などといった、竜に関する逸話がいくつか残されているため、そうした能力に期待してしまうのも無理からぬ話であろう。というよりも、事前に宝具がああいう代物だと予見すること自体、無理な話である。アトラムという男は、断じて無能な人間というわけではない。ただちょっとばかり残念なことになっているうえに、ちょっぴり身の程知らずなだけだ。
ともあれキャスターを見限ったアトラムは、彼女に宝具である“破戒すべき全ての符”を自身に使用しないよう令呪にて命じると、新たなサーヴァントを召喚すべく行動を起こす。キャスターに無実の罪をでっち上げ、言峰の仲介の下でランサーのマスターにキャスターの始末を依頼する。しかし、既に先手を打たれてしまっており、工房も破壊され尽くしたうえで子供たちも解放されてしまう。激怒したアトラムは残りの令呪にて自害命令を下す。だが既にキャスターは自身に宝具を使用していたために、主従関係が破棄された状態となっていたことで、令呪を完全に失ったアトラムはもはやマスターですらなくなってしまった。そうして逃げ惑いながら、その本性さながらの醜く歪んだ表情を浮かべ、キャスターを罵りながら彼女の手によって無残な最期を遂げた。
その直後ランサーの襲撃を受け、辛くも逃れたキャスターは運命に出会うこととなるが、それはまた別の話。
結局、聖杯戦争が本格的に始まる前に脱落してしまった我らが石油王。ところが、登場からそこまで時間が経っていないにもかかわらず、早くも『FGO』にて概念礼装化されることとなった。そこからが、彼の快進撃(笑)の始まりだった。
・・・・といった具合に、死んでからが本番と言わんばかりに、謎の汎用性を発揮。しかも、『事件簿』の作者である三田誠先生によれば、アトラムの台詞にきのこのチェックが入る徹底ぶり。しかし登場作の大半は大概ロクな目に遭ってない。しかもその『事件簿』にしても『stay night』の前日譚でもあるため、実質的には約束された破滅の物語(デッドエンドルート)直行便だったりする。それにしても、登場してから僅か短期間での出番の多さ。一体彼の何がここまで人を惹きつけるのか。それが明かされる日は・・・・来てもなあ。
なお、実はデキるクズ、じゃなかった。ヘタレ、でもないし・・・・男という意味では、キャスターの元夫であるイアソンにも通じるものがあるため、この両者が比較されることも。
掲示板
15 ななしのよっしん
2021/10/01(金) 14:18:00 ID: dj0ECq+o1h
ぶっちゃけ、平然と一線を超えてる辺り、屑さ加減はワカメの比じゃないし気概もイアソンとは程遠いよ。
16 ななしのよっしん
2022/02/06(日) 16:07:50 ID: ZvdlexbnzE
ぶっちゃけ割と強い
実践派と言うより実戦派だけど
そういう意味では魔術使いだな
17 ななしのよっしん
2022/06/20(月) 00:28:57 ID: I+L8hnuL0r
記事の内容がアトラムの紹介じゃなくてアトラムの小物っぷりの紹介に焦点置かれてて残念
アトラムの家が魔術を代替エネルギーとして考えてることとか金で買えるものに人権を見出さないが「魔術師にしては」人権意識があるとかきのこも言ってるのに
良い人間でも立派な人間でもないがわざと省くのもちょっとね
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最終更新:2024/04/25(木) 19:00
最終更新:2024/04/25(木) 19:00
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