シルバー仮面はさすらい仮面
シルバー仮面とは、1971年11月28日から1972年5月21日までTBSにて放送された特撮ヒーロー番組、および作品に登場するヒーローの名前である。製作は宣弘社と日本現代企画。
宇宙人に父親である春日博士を殺された5人の春日兄妹。兄妹達は、亡き父から託されたロケットの設計図の秘密を解明するため、父親の友人や弟子といった協力者を求め、ロケットの秘密を狙う宇宙人の魔の手を逃れ、日本中を旅する・・・というストーリー。主人公である春日兄妹の次男である春日光二は改造人間・シルバー仮面に変身して宇宙人と戦う。
ナレーターは森山周一郎氏。
脚本は、佐々木守氏が1、2話とジャイアント編初回の11話を担当。それ以外のほとんどの回は上原正三氏と市川森一氏が担当した。因みに1、2話の監督は実相寺昭雄氏である。
企画時のタイトルは『21世紀鉄仮面』だった。
当時タケダアワーと呼ばれた日曜日のゴールデンタイムに放送された本作は、その時間帯には似合わないシリアスでドロドロとした苛酷な人間ドラマだった。TBSの橋本プロデューサーの意向で『逃亡者』を意識したドラマ作りがなされ、変身ヒーローや敵の宇宙人など従来のヒーロー番組の要素はあるものの、全体的に大人向けを意識しており、番組の対象年齢も小学校高学年から中高生とされていた。
等身大の宇宙人が醸し出す怪奇な描写、世間から理解されず周囲から迫害を受ける春日兄妹など、暗く重いストーリーが展開され、これらの作風の影響で視聴率では苦戦を強いられていたという。
また、本作のヒーロー、シルバー仮面は必殺技と呼べる物を持っておらず、専ら肉弾戦で敵の宇宙人と戦う。宇宙人へのとどめは普通のキックで倒す、他の兄妹が携帯していた銃で倒す、交通事故に巻き込む・・・など、とてもヒーロー物とは呼べない地味な戦い方をしていた。
低視聴率を立て続けに記録したことや裏番組の『ミラーマン』との競合がきっかけで、10話を最後にこれらの設定は改められることになり、11話からタイトルを『シルバー仮面ジャイアント』に改題。シルバー仮面がウルトラマンのように巨大化し、巨大宇宙人や怪獣と戦うといったストーリーとなり、実質別番組と化している。同時に新たなレギュラーキャラを加え、番組の空気の入れ替えを行ったが人気はさほど回復せず、当初の予定通り26話で終了している。
後年になって本作の大人向けの作風が評価され、2006年にはリメイクとして『シルバー假面』が製作され、2018年の映画『BRAVE STORM(ブレイブストーム)』では本作のキャラクターが使用されている。
春日光二が変身した改造人間としての姿。鉄仮面をイメージにデザインされている。
口元が覗いているのは、円谷プロのウルトラマンが「当初口が動く設定だったのを没にした」ことへの対抗意識があったためだと言われている。
光二が一定のポーズを取った後に「アタック」と叫ぶと、シルバー仮面に変身する(ただし序盤は変身ポーズなし)。変身シーンでの透明な人体模型から徐々にシルバー仮面へと変わっていく・・・という不気味な描写はとてもヒーローには見えず、本作の作風を象徴していると言える。
改造された描写やサイボーグであるという証拠は本編には出てきておらず、シルバー仮面の能力は「シルバーの力」と表現されている。
タンクローリーを素手で動かすほどのパワーを誇るが、反面派手な必殺技や武器を所持しておらず、宇宙人との戦いは格闘戦がほとんどであった。パワーをフルに発揮する際に目が一瞬発光する。
シルバー仮面が光子ロケットの力により巨大化した姿。身長50メートルで、ウルトラマンより10メートル高い。体重5万トン。
口かマスクで覆われ、ボディなどに赤色を配している。
光二が左右の腕を広げポーズを取った後、「シルバー」と叫び宙返りすることで変身できる。
目が常に光る、飛行能力を持つ、光線技を使う・・・など、完全にウルトラマン系ヒーローとなった。
主な武器はシルバーサーベル、シルバージャック、シルバー手裏剣など。また、頭部からは必殺光線「シルバー光線」を放つ。
春日博士が宇宙の平和のために開発したロケットで、エンジンの設計図は春日兄妹の体内に隠されている。
ジャイアント編になってからは、性能を上回る超光子ロケット・ベム5号が活躍した。
劇中に登場したのは、光子ロケット、ベム1号、ベム2号、ベム3号、ベム5号。
光子ロケットは11話でサザン星人に破壊されてしまうが、それがシルバー仮面ジャイアント誕生のきっかけになった。ベム1号~ベム3号は超光子ロケットの試作型だが、1号と2号はモーク星人に破壊されている(4号は本編には登場していない)。
前半でのロケットの設定は「宇宙を支配出来る力を持つ」とされ、ロケットの秘密を狙って数々の宇宙人が攻めてくる・・・というストーリーだったが、ジャイアント編では「宇宙人の地球侵略を阻止する」というストーリーに路線変更され、ロケットはウルトラシリーズでいう防衛隊の戦闘機の立ち位置となり、シルバー仮面ジャイアントを援護するポジションとなった。
春日光二
主人公。春日5兄妹の次男。23歳。正義感が強く、兄妹で一番体力があるのを父に見込まれ、シルバー仮面へと改造される。
演じるのは柴俊夫氏。
春日光一
長男で、26歳。春日博士の意思を継ぐロケット工学者で、兄妹のリーダー的存在。
春日ひとみ
長女、21歳。兄妹達の母親代わりで、父からは武器として赤光銃を与えられており、この銃で宇宙人を倒したこともあった。
春日光三
三男、20歳。喧嘩っ早い性格で、事あるごとに父を殺した宇宙人を激しく憎む。その性格をつけこまれ、宇宙人の罠に落ちたこともあった。空手が得意らしい。前半では人間に化けた宇宙人を見破る「スペクトルグラス」というアイテムを使用していた。
中の人は『ウルトラマンタロウ』の東光太郎役で有名な篠田三郎氏。
春日はるか
次女、18歳。兄妹の中で精神的・体力的に弱く、宇宙人との戦いや過酷な旅についていけなくなり、8話を最後に降板している(中の人の都合なのだが・・・)。
ジャイアント編に入ってからは存在すらなかったことにされ、23話で光一が「俺達は兄妹だ、4人で戦う。4人で手を取り合えばどんな危機でも・・・」という台詞を言っていた。
大原道男
春日博士の弟で、みんなからは「叔父さん」と呼ばれている。
武器商人で、金目当てで光子ロケットの秘密を狙い、兄妹達からは宇宙人と同じくらいに嫌われている。
その一方で、兄妹を助けたり、協力したりすることもあった。
脚本家によってキャラのブレが顕著であり、例えば上原正三担当の回では主に「お茶目なおじさん」としていい人風に描かれているが、市川森一担当の回だと兄妹を批難したり悪役っぽく描かれている。
津山博士
ジャイアント編より登場。津山宇宙科学研究所(SSI)の所長で、春日博士の教え子。春日兄妹を研究所の職員として迎え入れた。
春日博士が遺した言葉「科学は暴力に屈服してはならない」を信条としている。
リカという娘がおり、彼女はジャイアント編でのマスコット的存在。
演じるのは岸田森氏。
掲示板
4 ななしのよっしん
2020/11/21(土) 11:45:47 ID: f6cqtRVw/i
最終回の結末が怖過ぎる。片道30年の旅とかもうね。
冷凍睡眠装置とかも無いみたいだし…
5 ななしのよっしん
2022/05/03(火) 13:49:03 ID: VSRNsOslT+
いきなりキ◯ガイ研究所って落書きされた主人公達の研究所の看板から始まるキツさ
6 ギャラン
2022/09/25(日) 19:48:40 ID: Bww0yGNBsp
最近結構ハマってる作品。個人的には巨大化した後期の方が好きかも。等身大時は目が光るのが一瞬だけで、巨大化後は常時光っていたのは、思うに光子力が足りなかったからで、エンジンから漏れた光子エネルギーを大量に浴びた事で本来の力を発揮できるレベルまで充填されたからではないか…と思っている。
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最終更新:2024/12/13(金) 14:00
最終更新:2024/12/13(金) 14:00
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