そもそもの語源は大元を遡ると、1970年代末から80年代初期のパソコン(まだマイコンと呼ばれていた)自作時代~8ビットマシン時代に、Tiny BASICやTiny Trek(スタートレック第一シリーズにインスパイヤされたSLG)と称して、当時の大型コンピュータやミニコンピュータの人気アプリをなんとか乏しいスペックのマイコンで使おうとアレンジしたものからはじまる。
有名になったのは、アーケードゲームの名作「ゼビウス」の8ビットパソコン版「タイニーゼビウス」で、はっきり言って当時のマシンは、ゲーム専用に設計されたハードウェアであるアーケードゲーム機に比較して性能&機能上著しく不利で、立体感溢れる金属質の機体が滑らかに動き回るアーケード版に比較して、PC-6001版は非常に苦労していた。他機種では、キーが離されたことを検出する手段がないため、テンキー操作の「5」で停止、というものまであった。商品化するためにナムコとかけあったところ、あまりに違うものであるから「タイニー」を必ず付けて、違うものであることを明示するという条件を提示された、というエピソードがある。
以降パソコン業界では、「タイニー」という表現は一般的に「低スペック版」という認識で用いられる。見も蓋もなく言えば元作品の劣化移植だが、ただの劣化ではなく、当時は少々見た目がカッコ悪くても、元のゲームの面白さをどこまで再現できるか、という意気が称賛されたものであったし、現代においては80年代前半テイスト溢れる劣化(少ない色、粗いドット、カックンカックンな動きなど)に対して、さらには作品によっては当時のハードでここまで可能なのか! という驚きにこの称号が授けられると考えればおおむね正しいと思われる。
最初に「タイニーアイマス」タグが生まれたのは、2007年9月末のタイニーPの動画と推測される。
それはPC-6601に「GO MY WAY!!」や「魔法をかけて!」を歌わせたタイプで、そこにアイマス映像に「昔風のフィルタをかけて」合わせている。残念ながら映像部分は実機やエミュレータではないが、この雰囲気はタイニー風と言わざるを得ない。
ただ、どちらかというとPC-6601を使うという事、つまり音声部分に驚きのメインがあるためか、現在はこのシリーズに「昭和のボーカロイド」タグが付与されている一方で「タイニーアイマス」タグは無い事が多い。
この作者の他にも、映像を4色にしたりしてタイニー風味に仕立てた作品は散発的に投入されている。
これだけだったら「タイニーアイマス」のタグは一種のネタで終わっただろうが・・・。
2008年に入って本当に実機上でタイニーアイマスをやってしまった作品が現れた。それが以下である。
2008年4月1日、いわゆるエイプリルフールネタとして投稿されたアイドルマスターMADがあった。
音は元ゲームそのままであったものの、どう見てもMZ-700なグラフィックがもたらしたインパクトは大きかった。ついでに言えば、キャラが全員入って無いのもタイニーっぽかった。
思えば、ここでMZ-700だった事が一つのポイントであったかも知れない。このマシン、「MZ-700に不可能はない」という合い言葉の元に濃いマニアが付くことで有名な機種。当然のように(?)実機で再現する猛者が出てきてしまった。しかもプログラムまでニコニコ動画上で配布(カセットテープでプログラムをロードするのをいい事に、音声データとして配信するというマニア涙目ものの仕様)するというおまけ付き。何という愛すべきオバカサン達。
一方、このような「アイマスをMZ-700風味にする」試みとは別方向の動きがあった。
それは「MZ-700による動画再生」である。こちらの発端は「野球拳2000 for MZ-700」という、本来テキストデータしか表示できないはずのMZ-700で疑似ビットマップ表示を行うソフトが存在していた(これはニコニコ以前)ことであった。
こちらの活動家がアイマスに目を付け、画像やら音声やらで試行錯誤を繰り返し、エミュレータでの検証を行った後にとうとう実機にて動作を確認。
ハードウェアの改造は、データを格納するためのRAMボードの増設だけである。それ以外のハードウェアは全く1982年当時のままで、8色しか出ないはずのディスプレイは中間色を出し、ビープ音しか出ないはずのスピーカはPCM音源っぽい音楽を奏でるに至った。
かくして、MZ-700からまた一つ不可能が無くなったのである。(格言(?)「MZ-700に不可能はない」についてはリンク先参照)
2011年1月、アイマス技術部は別ハードに殴り込みをかけた。 ファミコン版アイドルマスターである。
「いわゆるファミコン”風”ではなく、ファミコン”版”を作りたかった」ので、野生の木屋Pが本当に作ってしまったのだ。
そこには何処に使われているのか不明なCRIWAREのロゴがあり、高木順一朗社長がプロデューサー志望者に8bit化された声をかけ、アイドルたちが8bit化された音声で歌い、そして志望者に逃げられるまで余すところ無く再現されていた。
・ROMの容量は8MBit(この容量はかの「メタルスレイダーグローリー」に相当する)。およそ4Mbitをプログラム(オールアセンブラ)に、残り4MBitをグラフィックや音声に割り当てたそうだ。
・アイドルの表示部分は、スプライトを重ねに重ねて表示させているとのことで、なにげに苦労したとの事。
つまり、タイニーアイマスには「現時点では」大きく3つの主流が存在する。そのうちの二つは、まさに「不可能はない!」が魂のワードとなっているMZ-700をプラットホームとしており、またそれぞれアイマスをネタにしている事から、細かい事は考えずにひとくくりでタイニーアイマス扱いしても大きな問題は無いであろう。
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最終更新:2024/12/11(水) 16:00
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