デザエモンとは、株式会社アテナより発売されたシューティングゲーム作成ツールシリーズである。
ラインナップは以下の通り。(プレイステーション版の2作はゲームアーカイブスで配信されていたことがあるため、PS3やPSPでも遊ぶことができる。現在は配信を終了している2015年3月11日(株)トリニティより配信が再開された)
コンシューマ機のみの販売で、ゲーム機さえあれば、グラフィックもBGMも完全にオリジナルの自作シューティングゲームを作ることができるのが大きな特徴。
ファミコン版は制約が大きく、実験的な要素の強いソフトであったが、2作目であるスーパーファミコン版からは自由度が飛躍的に向上し、サンプルゲーム(大王GALE=アテナのアーケードゲーム「大王」の続編的存在)が下手なゲームよりもよっぽど遊べるぐらい可能性のあるソフトに大化けした。
特に当時はパソコンが普及しておらず、ゲームを作るにもプログラム知識が必要だった為、ゲームクリエーターを夢見る学生たち(もしくは気分に浸りたい人たち)の間で重宝された。
似た分野のソフトとして、オリジナルのRPGが作成できるRPGツクールがある(こちらはPC版が元祖)。
従来は自作ゲームを不特定多数の人に遊んでもらうことがかなり困難だったが、プレイステーション版がゲームアーカイブスで配信されたことにより、ユーザーが作成したゲーム(セーブデータ)のネット上での配信が容易になった。
記念すべきシリーズ第1作。
ハードがファミコンということもあり、SFC版などよりエディットの制約がかなり多いが、時代を考えれば妥当といえる。
グラフィックエディタでは基本的に3色しか使えず、ステージも3ステージまでとなっている。
ミュージックエディタは音色固定の4和音。
ゲーム中のアイテムはSFC版以降と似通っているが、グラディウスのようなオプションアイテムが存在する。
サンプルゲームは「E.D.I.T.」
敵のグラフィックにコアがあったり、上記のオプションアイテムとあわせ、グラディウスを彷彿とさせる要素がある。
サンプルゲームだが難易度がやたら高い。STG慣れしていないとステージ2を超えることすら困難だろう。
シリーズ第2作。
当時ビデオゲームに熱中し、「いつか自分もゲームを作ってみたい!」と思っていた人たちは、「描いて、作って、遊べる、デザエモ~ン!」というCMに心ときめかせ、このゲームを入手したのではないかと思う。
今作はアテナのSTG「大王」をベースに作られているため、ゲームモードのシステムもそれに似通っている。
大王については当該記事を参照のこと。
シリーズのエディットモードの基礎は今作でほぼ完成している。
ミュージックエディタなどは後の作品にほぼそのまま流用されるほど、この時点でも洗練されていた。
裏技を使うことで「大王」のBGMのアレンジ版を聴くこともできる。
また今作からゲームコンテストが開催された。
今作での受賞作の一部は、続編の「デザエモン+」でプレイ、または動画でゲーム内容の一部を視聴することができる。
DAIOH GALE
「大王」をベースに作られているが、ステージ内容などはほぼ別物になっている。
ゲーム自体もさることながら、特にBGMの評価が高く、「2トラックと特定のサンプルコード、最大16小節」という制約のあるミュージックエディタのパワーをフルに活かしており、その完成度の高さは多くのプレイヤーに希望と挫折を与えた。
シリーズ第3作。
エディタやゲームプレイは前作とほぼ同じの内容だが、新機能や仕様の差がある。
主な仕様変更点
・敵の拡大・縮小、回転設定ができるようになった。
・ステージ数が最大で5ステージとなった。また任意で4ステージ以下にすることも可能。
・武装が追加され、パワーアップアイテムの設定もできるようになった。
・ミュージックエディタで使える楽器が一部変更され、同一の楽器でも音の鳴り方や音量なども大きく変更された。
・オートセーブ機能がなくなったため、手動でセーブする必要がある。
細かい仕様変更を挙げると膨大な数になるが、概ねSFC版と同じ感覚で「書いて・作って・遊べる」。
DAIOH GALE Ver.2
「DAIOH GALE」を元に、プラスのシステムに合わせ、新機能も盛り込んだ内容。タイトルロゴは大きく変わったが、ゲームのグラフィックやBGMは全て前作の流用。
仕様変更に合わせて5ステージで終わるため、前作にあった宇宙要塞突破ステージがまるごと無くなった。
また、L2ボタンを押しながらサンプルゲームを選ぶと、前作「DAIOH GALE」をそのまま移植したものもプレイできる。
OMAKE POWER STORM
L1ボタンを押したままサンプルゲームを選ぶと遊べる、隠しサンプルゲーム。プラスの新機能をふんだんに使っており、オマケと銘打たれてはいるものの、完成度は高い。
全2ステージ構成とたいへん短いが、敵の量が多く、背景にとけ込んでいる高得点の敵が配置されており、またグラフィック領域にスタッフによるハイスコアが殴り書きされているなど、スコアアタック重視の内容に仕上がっている。(L1・L2ボタンを押したままデザエモン+を起動すると、エディタにゲームデータがロードされるので、そこで確認できる。他、ゲーム未使用のBGMも多数ある)
今作には、過去2度にわたって開催されたデザエモンゲームコンテストの受賞作が収められており、実際に遊ぶことができる。ただし一部はデモ動画のみ。元データが消失したため移植できなかったのか、容量の都合でゲームデータが収録されなかったのかどうかは不明。余談だがプレイ可能なものでも、前作との仕様の差異により画面演出など正確に再現されていない部分もある。(参考リンク)
受賞者名を見ると、ツクール界隈でも活躍したチームグリグリの祁答院慎氏、ナムコでサウンドクリエイターとして活動している濱本理央氏、洞窟物語を作成した開発室Pixelなど、後に有名なクリエイターとなる方の名前もチラホラ。
また、プレイ可能な受賞作のタイトル画面を開き、L1・L2・R1ボタンを押しながらEXITを選択すると、データをエディタにコピーできる。ただし、岩田友彦氏の作品のみコピーできない。
受賞作の一部を挙げると、
往年のアケシューらしさ満点、これぞSTG!と思わせる初代グランプリの「SCARECROW」。
第1回・第2回コンテストでそれぞれグラフィック賞・アテナ賞を獲得、ダークファンタジーな世界観をハイクオリティなドット絵で表現した、岩田友彦氏による「THE HEART OF DARK」「JUSTICE」。
PCエンジンの名作STGマジカルチェイスを彷彿とさせる、かわいらしいグラフィックとハイセンスなBGMで人気を博した「リトルチェイサー」。
そして、カセット2本を駆使して壮大なストーリーを創り上げた「けじめ ~七転八起~」など、今もプレイヤーの間で語り継がれる名作(怪作)を多数収録している。
シリーズ第4作。
作成可能なステージ数が10まで増え、さらに今作より横シューティングの作成が可能になっている。
パーツを組み合わせて3Dモデルを作成し、それをレンダリングすることでグラフィックチップを作成できるモードが追加された。これにより、ドット絵を作成できなくてもグラフィックを作ることができるようになった。
ただし、ボリュームの増加に伴いデータ量も激増。セガサターン内蔵のメモリには到底おさまらず、別売のメモリーカセットやフロッピーディスクドライブでないと作成データを保存できない。メモリーカセットは非常にデータが壊れやすいため、本腰を入れて作成するにはフロッピーディスクドライブが必須であるといわれている。
サンプルゲームとして「DAIOH P!」他、3作品+隠し2作品が収録されている。
シリーズ第5作。
グラフィックが完全に3Dになり(ただしシステム上は2Dのまま。いわゆる2.5D)、今まで平面画だったキャラクターや背景を全て3Dモデルで作成することができる。さらにカメラを調整することで視点を変更し、臨場感のあるシーンを作成可能になった。
また、音源チャンネルの増加に伴いミュージックエディタが拡張され、メイントラックは4枠に増加、ベース・コード・ドラムトラックを自作可能になった。
ゲームシステムが変更されており、中でも武装は基本のショット、対地攻撃可能なロックオンレーザー、敵の一掃が可能なボムの三種に絞られ、アイテムによる切り替えではなくボタン操作による使い分けが可能。高度の概念があったり前述のロックオンレーザーから『レイストーム』を意識していると思われる。
問題点としては、記憶容量との兼ね合いか、自作できる範囲が非常に狭いこと。これが足を引っ張り、作品のオリジナリティが大きく削がれる羽目になった。
このゲームは64DDに対応しており、これにより前述の狭すぎる自由領域を全体に広げることが可能。さらに一ゲーム当たりのステージは10に増加、挙句の果てには容量の許す限りゲームを複数作成することも可能だという。しかし、結局64DDの不振によりディスクが発売されることはなかった。
SOLID GEAR
サンプルゲームその1。従来のSFシューティングゲームを意識した作品。タイトルはおそらくコナミの『METAL GEAR SOLID』をもじったものだろう。
Usagiさん
サンプルゲームその2。青いウサギのロボットが全体を通して登場する、コミカルな雰囲気のバカゲー。設定上は「本作のチュートリアル役であるヒーロー“キャプテン・デザ”が開発スタッフに泣きついて作らせたもの」らしい。
RAMSIE
隠しサンプルゲーム。チュートリアルにて存在が示唆されており、とある箇所でコマンド入力をすることで出現する。実は他のタイトルのサンプルゲームを3Dにリメイクしたものである。
現時点でのシリーズ最終作。
これまでのシリーズにあった多くのエディット機能を排除し、非常に簡略化されたシステムとなっている。
サンプルグラフィックが多数用意されているが、グラフィックエディタで使用可能な色が固定の256色のみとなっており、またサンプルミュージックも多数用意された分、ミュージックエディタそのものがなくなっている…が、CD音源をゲーム中に使用することができるという利点もある。
また今作はペロン(SFC時代から居た緑色のウサギのようなキャラ)がエディタ画面でしゃべる。こいつ削ってサンプルデータもっと増やした方がよかったんじゃないかな。
デザエモン+ゲームコンテスト受賞作を100本収録した別ディスク。Kids!本編よりこちら目当てに買ったプレイヤーもいるとかいないとか。
前回・前々回のコンテスト受賞者による作品は相変わらずのハイクオリティ。
ライジングのスタッフが手掛けた、文字通りプロの犯行である「影狼」。
岩田友彦三部作とも呼ばれる、ダークファンタジーSTGの最終作「NIGHTMARE」。
濱本理央&チームグリグリのタッグによる遊びやすさ満点の「トラ吉の大冒険」。
新システムをフル活用したド派手な演出の連続で、プレイヤーの度肝を抜いた「G・Q・O -時宮王-」。
など、上位陣は傑作ぞろい。また縦シューで横シューをむりやり作った「SIDE」は、ゲームは出来は何よりそのアイデアの奇抜さで多くの人を驚かせた。この掟破りの怪作で企画賞をもぎ取ったのは、第1回コンテストで「けじめ」を作った山岡氏である。
その他、以降も数々のデザエモン作品を発表することになる、イラストレーター・シガタケ氏による「デビルブレイド」。
現在もゲームクリエイターとして活躍するKEIZO氏が手掛け、付録のサイドストーリーと哀愁溢れるBGMの相乗効果で高い人気を博した「KEIZO」。
あまりにも鬼畜な難易度のためSTGフリーク間でも噂になったと逸話のある「OVER RUN」「むし~る」。
いい意味でも悪い意味でも、低俗な中学生男子ノリ全開の「紅」。
初代コンテストでは「マジカルキット」で入選した、漫画家・神田達志氏による「超能力警察 P-PO!スクランブル」。
STGであることを放棄し芸術性の追求に走った前衛作品「ひかりのなかへ」など、佳作も注目作が目白押し。
また今回は裏技ではなく、標準機能で受賞作のデータをメモリーカードにコピーする機能がついている。Select100自体はKids!付属のディスクではあるが、コピーしたデータは当然ながらプラスでないとロードできない。
なお、一部の作品はコピー機能が搭載されていない。もちろん岩田友彦氏の作品も、プラスに引き続きコピー不可。
サクセスから発売された廉価版。
エディタとSelect100を同一のディスクに収録されたもの。
アテナから発売されたKids!とはセーブデータの互換性が無いので注意。
No. | 場面・原曲 | プレイヤー |
---|---|---|
BGM17 | タイトル | ![]() |
BGM18 | ステージ1通常 | ![]() |
BGM19 | ステージ2通常 | ![]() |
BGM20 | ステージ3通常 | ![]() |
BGM21 | ステージ4通常 | ![]() |
BGM22 | ステージ5通常(SFC) | ![]() |
BGM23 | 5(SFC:6)面通常/1&4ボス | ![]() |
BGM24 | ステージ2ボス | ![]() |
BGM25 | 3&5面ボス(SFC:3) | ![]() |
BGM26 | ステージ5ボス(SFC) | ![]() |
BGM27 | ステージ6ボス(SFC) | ![]() |
BGM28 | ステージクリア | ![]() |
BGM29 | ゲームオーバー | ![]() |
BGM30 | エンディング | ![]() |
BGM31 | インベンション13番 | ![]() |
BGM31 | インベンション13番 | ![]() |
BGM32 | 小フーガト短調 | ![]() |
BGM33 | セーブデータ消失 | ![]() |
No. | 場面・原曲 | プレイヤー |
---|---|---|
BGM34 | AC版大王1面 | ![]() |
BGM35 | AC版大王2面 | ![]() |
BGM36 | AC版大王3面 | ![]() |
BGM37 | AC版大王ラスボス | ![]() |
BGM38 | 「けじめ」ED/麻雀「極2」BGM | ![]() |
BGM39 | SFC版 極 シリーズ 放銃リザルト | ![]() |
BGM40 | オクラホマミキサー | ![]() |
BGM41 | 禁じられた遊び「愛のロマンス」 | ![]() |
BGM42 | モルダウ | ![]() |
BGM43 | 白鳥の湖 | ![]() |
BGM44 | ドナドナ | ![]() |
BGM45 | さくらさくら | ![]() |
BGM46 | AC版アテナのハテナ ENDING | ![]() |
BGM47 | AC版アテナのハテナ BGM | ![]() |
BGM48 | AC版アテナのハテナ タイトル | ![]() |
BGM49 | GB版アテナのハテナ1面 | ![]() |
BGM50 | オリジナル | ![]() |
BGM51 | オリジナル | ![]() |
デザエモン+(デザエモンプラス) - その他
タイトル | 場面 | プレイヤー |
---|---|---|
デザエモン+BGM集 (BGM17~33) | ![]() |
|
リトルチェイサー | タイトル | ![]() |
リトルチェイサー | ゲームオーバー | ![]() |
リトルチェイサー | エンディング | ![]() |
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掲示板
68 ななしのよっしん
2024/02/11(日) 21:10:52 ID: 6OSWB7bG4s
再確認しようとしてみたがしれっと消してるな
一部の音だけ本物とは似ても似つかない、明らかにおかしい音をしていた
デザエモン時代のタイトルを引き摺った新作をヒットさせたがっているイラストレーターとつるんでいたり、自身がそのお手本になったりしたようだが、商売のために作為的にデザエモンを話題にしようとしたり、あまつさえSFC版デザエモンのROMの違法DLまでするとか、こいつらにはクリエイターとしてのプライドはないのか、と思った
69 ななしのよっしん
2024/04/25(木) 18:58:55 ID: WX2Gj7qmeM
ゲームアーカイブスにて、デザエモンを筆頭に旧アテナ作品が配信終了していた。
2023年、トリニティに代わってハムスターが版権取得したからか?
現在のPS3・PSVita内ストアで再配信はもうないだろうな…。
70 ななしのよっしん
2024/04/26(金) 17:35:42 ID: ZXcT0I6xZk
とりわけプラスとキッズはいっそsteamに移植して欲しいぐらいなんだけど
何しろセレクト100の作者コメントに一部割とガチな個人情報入ってたりするので、もう不可能かもしれないなぁ……とか思ったり
(もちろんそこを加工してでも出してほしいのが本音)
提供: いちろう
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提供: ハナゲリラ
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急上昇ワード改
最終更新:2025/04/24(木) 16:00
最終更新:2025/04/24(木) 15:00
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