ライブビューイングとは、様々なイベントを映画館で生中継すること、あるいはそれを鑑賞することである。
ライブ・コンサート・演劇などの公演を各地の映画館で生中継する。イベント会場にいなくてもリアルタイムでその様子を楽しむことができる。
より多くの人にイベントを見てもらいたい主催者・出演者側、集客を増やしたい映画館側、イベントを楽しみたい観客側の利害が一致し、現在では多くのイベントで実施されている。
略称は「ライビュ」「LV」など。
「演劇などを映画館で上映・鑑賞する」という形式は、「劇団☆新感線」が2004年に公開した「ゲキ×シネ」や、松竹が2005年に公開した「シネマ歌舞伎」などが日本で最初に実施された事例であるが、同時生中継ではなく録画して編集を加えたものであったことからライブビューイングの始祖としては扱わないケース[1] もある。
これらの上映に時を同じくして、2006年に全米7大メジャー映画制作スタジオによって、デジタル上映用の「Digital Cinema Initiatives」(DCI)規格が定められた。これを受けて日本国内では、2007年2月9日に新宿バルト9が日本初となる全スクリーンのデジタル化を実施した[2]。またスポーツイベントの生中継上映イベント「パブリックビューイング」の開催の頻度も上がっていった。
「ライブビューイング」という形態・呼称を日本で使用した最も初期の例は、松竹が2006年に開始した「METライブビューイング」という事業である。これはアメリカ合衆国ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されるオペラを通信衛星を利用して生中継し、日本の歌舞伎座や劇場で上演するという革新的事業だった[3]。しかしこの「METライブビューイング」が始まった後も、オペラに関心がある層以外には「ライブビューイング」という言葉はさほどメジャーではなかった。
2008年5月9日には、L'Arc~en~Cielがフランス・パリでの公演を日本全国5箇所の映画館で生中継上演するという世界初の試みを行っている[4]。また、2008年12月31日には、赤坂BLITZで実施された「X JAPAN COUNTDOWN GIG/初心に帰って」が「CINEMA LIVE」という名称で日本全国のTOHOシネマズ13箇所にて実施された[5]。国内で開催されたライブを日本国内で全国各地の映画館へ配信したのはこれが初めてとなる。
そして、2009年10月4日に開催された「ミュージカル・テニスの王子様 The Final Match 立海 First feat. 四天宝寺」の東京凱旋公演千秋楽が全国11都市で同時中継上映された際に「ライブビューイング」の呼称が使用された[6]。このライブビューイングイベントは大都市部では満席を出し、地方の映画館でも8割の席が埋まるという大成功を収めた。
この同じ2009年には3D映画「アバター」の大ヒットなど3D映画ブームも起きており、映画館へのデジタル上映システムの導入はますます加速。これによってデジタル映像配信への対応が可能となり、ライブビューイングの普及を後押ししていった。
2010年には、宇多田ヒカルや福山雅治などの大物音楽アーティストのライブなどでもライブビューイングが実施され、さらに「ミュージカル・テニスの王子様」でも、千秋楽公演のライブビューイングは続けられた。
2011年6月には、ライブビューイング事業を専業とする「ライブ・ビューイング・ジャパン」が、アミューズ・ファミリーマート・博報堂・WOWOWなどによって設立され、後に電通や東映、東宝、ソニーなども資本参加している。そして「ライブ・ビューイング・ジャパン」は多様で大量のコンテンツを映画館に配信し始め、日本では加速度的に「ライブビューイング」という形態・呼称が定着していったのである。
その後は、J-POPや韓流系のイベントが中心の「ライブ・ビューイング・ジャパン」、刀剣乱舞など2.5次元ミュージカルに強い「東宝」、アイマスおよびラブライブシリーズのライブイベントを一手に引き受ける「ティ・ジョイ」の三社を中心に、数多くの企業がライブビューイング事業に乗り出しすようになった。また、エイベックス、スターダストプロモーション、LDH(EXILEなど)のように自前でライブビューイングのレーベルを持っているレコード会社も登場した。また松竹、東宝、アニプレックスなどは同じ回線を利用して、初日舞台挨拶の生中継つき上映の実施が定番となっている。また「ライブ・ビューイング・ジャパン」などは衛星回線に加え、比較的天候に強い光回線を用いた中継も新たにスタートさせるようになった。
ライブビューイングは今や全国のどこかの映画館で毎週必ずといっていいほど開催され、もはや映画館の上映形態のひとつとなりつつあった。映画館によっては一日に二つ以上の演目が同時に中継されていることもしばしばで、映画館から主体的にライブビューイングの存在を発信する映画館も増えてきていた。
ただ、2020年に入るとコロナ禍の影響でライブイベントの開催中止が多発したことで、ライブビューイングも中止に追い込まれるようになった。また、その代わりの手段としてインターネット配信限定のイベントが数多く開催されたことでインターネット配信に関する技術が向上したことや、ネット環境さえあればどこでも見られる利点、後からアーカイブ視聴できる利点(現地参加者も見直せる)から現地開催されるイベントですらライブビューイングからインターネット配信に移行するようになった。現地やライブビューイング会場では声出しできないのに対し、配信であれば場所さえ考慮すれば声出しができる点も大きかった模様。
その結果、コロナ禍でライブビューイングが行われるものは、舞台挨拶の生中継付き上映や宝塚歌劇の中継など声出しがそもそも想定されないものに限られている状況である。
掲示板
3 ななしのよっしん
2019/04/23(火) 22:25:07 ID: c2TpcKC1uo
YOSHIKIが初めてって自分で言ってたけど考証できるのかしら
4 ななしのよっしん
2019/04/25(木) 01:22:05 ID: H9No91z0Wm
2008年12月31日にXJAPANは赤坂ブリッツでの箱ライブを行い、全国13の映画館で同時上映をしたのは事実です。
ただラルクもその年の4月に映画館で海外LIVEを中継したそうなので、LIVE中継自体はラルクが先かもしれない。
今のライブビューイングという名称含めたやり方はXかも。その先の検証は他の方にお願いします。
X自体は2008年のときはシネマLIVEという名称でチケット販売してあるようです。
あと、90年代にフィルムギグと銘打ってメンバーの居ないライブ映像をファンが見るLIVEをやってますね(結局最後サプライズでメンバーが登壇しますが)。
5 ななしのよっしん
2020/07/08(水) 21:39:33 ID: IxUIa7jnMf
1989年8月にTM NETWORK横浜アリーナライブのライブビューイングは日本初のイベントと銘打って広告出してた。
ただし、名称は「クローズド・サーキット・コンサート」。
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EPICソニー発行のニュースレター「HUSTLE WOM 22(1989年9月9日発行)」にも「日本初の試み」という記述がある。
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最終更新:2023/12/07(木) 16:00
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