リアルマネートレード(RMT)とは、主にオンラインゲームなどの仮想世界にある物品を、現実の世界の金品を代価として取引をする事である。
法律用語ではないため定義は運営会社ごとの規約やその言葉を使う人それぞれによって異なるが、一般的には現金そのものだけではなく、現実世界における"見返り"全般との取引を含める事が多い。
例えばファミコンのRPG・ドラゴンクエストでは「ロトの剣」は1つしか手に入らないアイテムであるが、逆に言えば誰がやっても必ず1つは手に入るアイテムであり、また貴重品だったとしてもどうせ他のプレイヤーに譲渡したり出来るゲームではないため、それに価値が生まれる事は無い。
しかしMORPGやMMORPGでは他プレイヤーとの交流・取引が前提となっており、貴重品はそれだけで「他のプレイヤーに譲渡する」という価値を持つ。また、それを前提としている関係上、貴重品は全てのプレイヤーが1つずつ手に入れられるとは限らない。
そのため、ゲーム内で貴重なアイテムを手に入れようとするプレイヤーは、出現確率0.01%以下のアイテムを求めてモンスターを万単位で倒し続けるなどのある種の苦行とも思えるプレイを続けたり、または他の貴重品や(ゲーム内の)現金を用意して既に所持しているプレイヤーとの交渉に四苦八苦するのであるが、いずれにせよ多大な苦労と多くの時間を要する。
そうなると、ゲーム内のプレイ時間に関係なく用意出来る取引材料――現実のお金を持ち出すプレイヤーが出てくる事になる。
リアルマネートレードは殆どの運営会社が違反行為と定めている事から否定的な意見が多いが、以下に否定意見と肯定意見の主なものを列挙する。
(運営の言う事に何から何まで言いなりな奴馬鹿じゃね、のような幼稚な意見は割愛)
リアルマネートレードそのものは、現在に至るまで、それ自体を規制する法律は無い。あくまで、利用規約違反と言う事で運営会社より罰則規定による処罰を受けるに留まる。
あまりに露骨で大規模な仲介サイト等を運営している場合は業務妨害などで訴訟を起こされる事はあり得るが、殆どの場合はそのような巨大サイトが登場する前にプロバイダ側に対処させる事が殆どである。中には開き直って堂々とサイトを運営し続ける者もいるが、いずれにせよ現在の所訴訟にまで発展したケースは無い。
しかし、それ以外の犯罪、つまり詐欺を非常に誘発しやすい事が挙げられる。
一時期、RMTの最盛期ではヤフオクなどの一般の大手取引サイトで堂々と売買を行ったりGoogleの広告にも出るような大規模な売買仲介サイトが運営されていたが、その問題性が認識されてくるにつれ、運営会社は見つけ次第サイト管理者に警告し、警告しても閉鎖しないようであればプロバイダやサーバー管理者に通報し対処を迫ると言った対策を取ってきた。そのため大規模な仲介サイトは次第に存在できなくなり、必然的に実績のあまりない(その代わりに、運営会社から目を付けられにくい)小中規模サイトか、もしくは仲介サイトを利用せずに個人間での取引をせざるを得なくなってきた。
今でも残って運営を続けているサイトは存在するが、長い事続けているから信用できるのかと言うとそうでもなく、そもそもアンダーグラウンドに潜る部類のサイトであるため、老舗の大手サイトであっても信用は難しい。
しかし、そのような"信用"の得られない状況で取引しなければならないにも関わらず、「現実」と「仮想世界」と言う異なる世界の物同士をやり取りするために、必ず片方が先に渡す信用取引になってしまう。そうなると、当然「現金を振り込ませておいてゲーム内のアイテムを渡さない」等と言った詐欺行為が横行することになる。
自分がどう捕らえているかはともかくとして前項の通りRMTに対しては否定的な意見が多く、アカウント停止の原因にもなるため、RMTをする者はその事を周りのゲーム内の知人には隠している場合が多い。
また1回の金額が3000円や5000円と言った小額である事も多く、詐欺にあっても泣き寝入りを選ぶ者が多かったというのも詐欺を助長する結果に繋がっていたと言える。
上記のような個人的な詐欺とは別に、組織的にリアルマネートレードを行い、現金を稼ぐ集団も存在した。
現金を得られる手段である以上、それによって生計を立てようと目論む者は必ずいる。
しかしながら、通常プレイで得られる範囲のアイテム等に対して人一人がまるっと生活していける程の現金を支払う者が居る訳も無く、RMTによって生活するに足る程の現金を得るには以下のいずれかの手段を使う必要がある。
いずれにせよゲームを根本から否定するような行為であり、このような手段を用いてまでRMTで現金を稼ぐ者は、「RMTをするためにゲームをやる」と手段と目的がそもそも逆である場合が多い。
そういうプレイヤーはゲームを楽しむ事が目的ではないためゲーム内での人脈を築いたりする事に全く関心が無く、処罰を受けて稼ぎが台無しになってしまうライン(アカウント凍結など)を超えさえしなければ、他のプレイヤーへの迷惑行為なども平然と行っていた。ニコニコで例えるならアカウント削除を食らって投稿した動画を全削除される事態にさえならなければ、コメ禁食らおうがお構いなしと言ったスタンス。
例えばラグナロクオンラインにおいては「横殴り」(※1)と呼ばれる概念があり、BOTを使用している事を隠して通常プレイと両立させようとしているプレイヤーはBOTが横殴りをしないための設定に四苦八苦していたが、はなからRMTのためだけにやっているプレイヤーはそのような制限は一切加えず、横殴りし放題アイテム横取りし放題であった。
加えて、有用なアイテムが効率よく入手出来る場所を複数人で組織的に占拠し他のプレイヤーを追い出す事で、より効率よくアイテムを集めるとともに、他のプレイヤーの自力入手を妨げアイテムの価値を吊り上げる等と言った行為もあった。
BOTに対するシステム的な対策が進んでくる、もしくはRMTの氾濫によってBOTで収集出来るレベルのアイテムではあまり稼げなくなってくるなど状況が煮詰まってくると、アカウントハッキングによって人力で尚且つ幸運を必要とするような希少アイテムを直接盗もうとする者も出現してくる。
アカウントハッキングを利用してのアイテム盗難は少なくとも現在ならば不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)と言う法律に違反する可能性が極めて高く、ほぼ間違いなく逮捕に至る行為である。詳しくはアカウントハッキングの項を参照。
※1 横殴り … 最初に交戦した人にモンスターのヘイトを押し付け、ドロップの分け前だけを狙う行為
RMTを利用したマネーロンダリングは、古くからその存在が噂されながら、現在まで摘発例が無い。RMTが第3国を経由して行われている場合、当該国の協力が不可欠となるが、大抵の場合その手の犯罪捜査に非協力的な国(地域)を選んで行われるので、摘発は極めて困難となる。
前項のようにRMTのためにゲームを「作業」すると言った、いわゆる出稼ぎ労働者のようなケースでなくとも、ゲームをゲームとしてプレイしてはいるが、ゲームのどの部分においても「現金化したらどうなるか」と言う点を念頭に置いてプレイする等、ゲームの目的が入れ替わってしまっているケースも少なくない。
この傾向はネットゲーム大国であると同時にRMTの本場とも言われる韓国ではより顕著であり、ゲーム内でのアイテムの奪い合いが現実世界での傷害事件に発展すると言った事例が複数起きている。
最近は様々なオンラインゲームにて「現実の世界の現金でゲーム内アイテムを販売する」と言った形態が取られている。
現金とゲーム内アイテムの交換と言う所だけに着目するとRMTとほぼ同じであるため、この手の販売アイテムはしばしば「公式RMT」と呼ばれる。
「公式RMT」とは後述の通り、一部ユーザーに端を発する俗称であるが、便宜上この項においては「公式RMT」と呼ぶ。
何かのパッケージ品(デスクトップアクセサリ・壁紙等の詰め合わせやゲームクライアントが入ったCD/DVD、攻略本など)を現実世界の商品として販売し、オマケとしてアイテムのチケットを付けている場合もあれば、現金で直接アイテムチケットを販売している場合もあるが、いずれにせよ買う側はゲーム内アイテムを手に入れるために現金を出している。
古くからオンラインゲームをやってきており、RMT全盛期の頃を体験しているプレイヤーからは、誰が行うものであってもRMTそのものに嫌悪感を示す事が少なくない(それが「公式RMT」と呼ばれ規約違反行為であるRMTと一緒くたにされてしまう理由でもある)。
実際、「ゲーム内での見返りはそれに費やした時間に比例する」と言う、プレイヤーがオンラインゲームを長く遊ぶ最大の理由であるこの法則が、公式RMTによっていくらか破壊されてしまうといった現象が起きている。
当然運営会社側もその事を想定しているため、公式RMTによって入手出来るアイテムは殆どの場合、ゲームプレイによって手に入れられるアイテムとは全く関係の無いものにするのが基本であるが、ゲームの役に全く立たないアイテムを販売しても売り上げが伸びないため、ある程度ゲーム内での実用性を持たせるのが通例となっている。
当然「ある程度」のバランス如何によってどちらにも転ぶ訳だが、そこは人のやる事。高性能すぎるアイテムを販売してしまったが故に、(売り上げは伸びたが)「○○を買ってない奴は雑魚」「ベテランプレイヤーの△△より、○○を買ってスタートした初心者の××の方が強い」などと言った事態が既に発生しているケースがある。
と言っても、プレイヤーによる規約違反行為のRMTと同じ轍を踏んでいるだけなのかと言うとそうでも無い。
少なくとも公式のRMTならば詐欺の心配はほぼゼロであると言えるし、利用規約違反ではないのでこれを理由にアカウント停止などの措置を食らう心配も無い。
「ゲーム内でのアイテムや通貨を稼ぐために現金を出す」と言うプレイヤーの場合、同じ稼ぎなら詐欺やBANの心配が無い手段の方を選ぶに決まっているので、結果的にプレイヤー間でのRMTの「うまみ」を喪失させ、RMTの撲滅に一役買うことにも成功している。
なお、ゲームの基幹システムに関わる部分などが有料制になっているゲームについては公式RMTとは呼ばれない事が多い。
あくまで通常プレイでゲームが一通り出来るところに、お金を払ったプレイヤーだけがアイテム等で特別有利になれるのがRMTであるため、どのプレイヤーも等しくそのアイテムを買わないといけない等と言うゲームは含まれない。
この手のゲームはプレイの基本料金自体は無料になっている場合が多いことも合わせて、「アイテム課金制」などと区別して呼ばれる。
まずMMORPGに共通する前提として、特に黎明期から存在するタイトルとしては、RMTの禁止と言う事自体は規約で謳っていたものの、その実態や危険性を把握し切れておらず、社会問題化してくるまで対処が後手後手に回ってしまい、実質的な野放し状態になっていたという背景が存在する。
よく「RMTのように見えるがRMTではない」と言う物の例えにリアル・メシ・トレード、すなわち金品ではなくご飯をおごる等の行為を対価に充てるパターンを持ち出す者がいるが、これも立派なRMTの一種である。
現金が最も多いパターンであったためにリアルマネートレードと呼ばれているだけであって、この言葉の定義としては現実世界での何らかの見返りを伴う取引は例外なくリアルマネートレードに含まれる。
「ご飯をおごる」と言う行為は殆ど良く見知った知人間でしかやらないことであるため、RMTのためにご飯をおごっているのか、全く関係ない理由によってたまたまご飯をおごっていたのかの区別・立証が難しいが、定義としては完璧にRMTである。
RMTによって得られる収入は、課税所得区分上は、一時所得ではなく雑所得に相当する。その為、所得金額の合計が、年間20万円を超える場合には、確定申告を行う義務が生じる。リアルマネートレードに関しては、必要経費が認められる事は、ほぼないので実際に得た金額がほぼ全額所得金額となる。
確定申告を行わなかった場合、最寄の税務署(金額が大きい場合等は国税局)からの摘発がある。
リアルマネートレードには、ネットバンクの利用が主流である為、所得金額の把握が容易な事から摘発から逃れるのは、困難である。
なお、雑所得の所得金額の合計には他のネットオークション等で得た所得金額も含まれるので注意が必要である。
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最終更新:2024/12/11(水) 04:00
最終更新:2024/12/11(水) 03:00
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