三嶋牧場

三嶋牧場（みしまぼくじょう）とは、北海道浦河郡浦河町にある競走馬の生産・育成牧場。

概要

公式サイトによると創業は戦前、1961年に法人化したという、日高の老舗牧場。JBISサーチで生産者として登録された競走馬が確認できるのは1968年産から。

老舗ではあるものの、21世紀になるまでは目立った活躍馬もなく、年間の生産頭数も10頭ちょっとぐらいの地味な牧場だった。そんな三嶋牧場の馬を熱心に求めていたのが「メイショウ」冠の松本好雄オーナー。生産馬を見ると00年代ぐらいには年間の生産馬の半分弱がメイショウ軍団であったほどである。

そんなメイショウのオーナーにも支えられて牧場の規模を拡大していったことが00年代末になって実を結び、2009年にチェレブリタが京都牝馬Sを勝って中央重賞初制覇。牧場を支えてきたメイショウ軍団からはメイショウベルーガが登場して重賞2勝、3億円以上を稼いで松本オーナーに恩返しをした。

以降はコンスタントに中央重賞馬を輩出し、牧場の規模もさらに拡大。現在は生産部門は浦河町西舎の本場に加えて杵臼と野深に分場を構え、杵臼と富川に中期育成部門、さらにBTC（軽種馬育成調教センター）の施設を利用した調教部門を備えた大牧場となっている。
2019年にはダノンキングリーがクラシックで活躍し、2021年の安田記念を勝って悲願のGⅠ初制覇を果たすと、以降はメイショウハリオ・テーオーロイヤル兄弟、ファストフォース、ルガル、メイショウタバルとGⅠ馬を陸続と輩出する、非社台系でもトップクラスの名門牧場になった。育成部門では自前の生産馬のほか、テーオーケインズやオーサムリザルトの育成も手掛けている。
現取締役の三嶋健一郎氏はダーレー・ジャパンで代表取締役を務めていた人で、その手腕も大きいのかもしれない。

2025年には生産馬メイショウハッケイが松本オーナーに個人馬主史上初のJRA2000勝をプレゼント。5代母エントリーローズから代々三嶋牧場で繋いできた牝系かつ、3代母メイショウサンサンから代々松本オーナーの所有という、牧場とオーナーの歴史を感じさせる馬での達成となった。

基本的には生産馬を馬主に売却して利益を出すマーケットブリーダーだが、中央競馬の馬主資格も持っており、前述のチェレブリタなど、自前で所有して走らせている馬もいる。勝負服は紫, 白玉霰, 白袖。

ネット上ではBTC育成部門が公式X(旧Twitter)アカウントを持っているほか、公式YouTubeアカウントにて育成馬や繁殖牝馬、とねっこの動画などを公開している。

主な生産馬

太字は記事のある馬。

• チェレブリタ（2005年産：2009年京都牝馬S）※自前所有
• メイショウベルーガ（2005年産：2010年日経新春杯・京都大賞典）
• ダブルウェッジ（2006年産：2009年アーリントンC）
• メイショウカンパク（2007年産：2012年京都大賞典）
• エーシンメンフィス（2008年産：2012年愛知杯）
• メイショウブシドウ（2009年産：2014年小倉サマーJ・阪神ジャンプS）
• タマノブリュネット（2012年産：2016年レディスプレリュード）
• カンタービレ（2015年産：2018年フラワーC・ローズS）
• ミッキーチャーム（2015年産：2019年阪神牝馬S・クイーンS）
• ダノンキングリー（2016年産：2021年安田記念、ほか重賞3勝）
• ファストフォース（2016年産：2023年高松宮記念、2021年CBC賞）
• マスターフェンサー（2016年産：2020年名古屋グランプリなど重賞4勝）
• メイショウテンゲン（2016年産：2019年弥生賞）
• メイショウハリオ（2017年産：2022年・2023年帝王賞、2023年かしわ記念、2025年川崎記念、ほか重賞2勝）
• メイショウミモザ（2017年産：2022年阪神牝馬S）
• テーオーロイヤル（2018年産：2024年天皇賞(春)、ほか重賞3勝）
• バスラットレオン（2018年産：2022年ゴドルフィンマイル、ほか重賞2勝）
• アートハウス（2019年産：2022年ローズS、2023年愛知杯）
• サウンドビバーチェ（2019年産：2023年阪神牝馬S）
• ルガル（2020年産：2024年スプリンターズS・シルクロードS）
• メイショウタバル（2021年産：2025年宝塚記念、2024年毎日杯・神戸新聞杯）
• エリカエクスプレス（2022年産：2025年フェアリーS）
• メモリアカフェ（2022年産：2025年関東オークス）

主な育成馬（自前生産馬以外）

• グレイトパール（千代田牧場産：2017年平安S・2018年アンタレスS）
• メイショウテッコン（下屋敷牧場産：2018年ラジオNIKKEI賞、2019年日経賞）
• テーオーケインズ（ヤナガワ牧場産：2021年帝王賞・チャンピオンズC、2022年JBCクラシック、ほか重賞2勝）
• プリティーチャンス（藤原牧場産：2022年レディスプレリュード）
• オーサムリザルト（アメリカ産：2024年エンプレス杯・ブリーダーズGC）

関連リンク

• 〈公式〉有限会社三嶋牧場 - 牧場公式サイト
• 三嶋牧場BTC育成（@BTC95876729） - 公式X
• 三嶋牧場公式【サラブレッド生産・育成 北海道浦河】 - 公式YouTube

関連項目

• 牧場
• 生産牧場 / 育成牧場
• 競馬