乱数調整とは、(主にコンピューターゲームで使用される)疑似乱数の出現を調整することである。
ゲーム「ポケットモンスター」シリーズにおける乱数調整の是非については、「乱数調整(ポケモン)」を参照のこと。
本来「乱数」とは、「全く規則性が無く予測がつかない数字の並び」と言う意味である。
しかし、かならず書いた通りに動くというプログラムの宿命上そのようなものをプログラムだけで仮想することは出来ない(少なくとも現在は)。
そのため、コンピューターがランダムに当たるものをプログラム上で再現するために適度に不規則な数が出現するような数式を利用するか、或いはその数式他何らかの方法で作成した乱数の羅列の一部を移植する事で乱数として機能するようにした「擬似乱数」を用いている。
擬似乱数は数式の産物であるか、あらかじめ決まった乱数表がコンピューター内に入っているため、数式の場合は乱数のようでいくらか規則性があったり、一見規則性が無いように見えて特定の計算式によって結果が求められたりする。
また、取りうる範囲について何らかの方法でしらみつぶしに調べることが可能な場合もある。
コンピューターゲームでは一般的に、あるアドレス(メモリ内の場所)にある数字を特定の計算式に入れて計算し、その結果得られた数値の一部を取り出すと言う変換を行ってランダムな数値を得ようと試みる。
このメモリ内の数値と言うのは、放っておけば一生変化しない(プログラムによって足したり引いたりして数値を変化させない限り、ずっと同じ数値のまま)。そのため、「時間経過」「コントローラーの操作」などに連動させて数値を変化させていくような仕組みになっている。そして、解析でもしない限りいつどこでどう流れているのかを知るすべはない。
よって、通常のゲームプレイの範囲では実質的な乱数として機能するのである。
比較的簡単な乱数生成用の式に「線形合同法」というものがあるが、これは初期の値によって奇数ばかりが出る、偶数ばかりが出る、或いは奇数と偶数が交互に出るのどれかという規則性があるため何も考えずにサイコロなどに利用すると問題が起こるため(カルドセプトサーガなど)多少調整して利用されている。
ただ、ソフトによっては計算式の特徴性から「特定の範囲の数値だけ出てこない」「同じ数値が連続して出る事が多い」などの偏りが生じる事はある。
比較的知られた例としては、SFCゲーム「ロマンシング サ・ガ3」の乱数ルーチンは255までの範囲から1つ数字を取り出すが、「23」の値が出ない(「22以下が出る確率」と「23以下が出る確率」が全く変わらない)。
もっと極端な例になると、FF5のレア盗みに盗賊の小手は逆効果(成功判定の基準乱数が2倍になるのだが、2倍になってもレアアイテムを盗める乱数が1つしか増えない、その結果通常盗みの成功率だけが激増し時間対効果が悪化)のようにごく低確率を狙う際に影響が出たり、ファイアーエムブレム紋章の謎の「大きい値と小さい値が交互に出る」などゲームプレイ全体に影響が出て通常の「乱数」としては機能していない場合もある。(ただし、それでゲームバランスが悪くなるかは別問題)
先も言った通り、コンピューターの乱数は擬似乱数であるため、理論上は計算式が把握できていれば、
コントローラーの操作の仕方やタイミングによって、望みの数値を出させる事が出来る。
そのため、世の中には「自分が望んだ乱数結果を出させる」事を現実のものとしている例がある。
これについては、乱数の中に時間やタイミングに連動しているかどうかによって難易度は変化する。
まず1つ目は状況再現と呼ばれる手法。「あるタイミングからボタンを押しっぱなし」など、容易に再現でき、かつ間違いのない操作パターンによって得られる結果が都合の良いものだった場合、同じ操作を繰り返す事によって同じ事を繰り返し起こさせる(同じ乱数を出させる)と言うもの。この場合、特に乱数が単純かつ時間の影響を受けない場合、手順を正しく踏めば同じ乱数を出せるため実機で滅茶苦茶簡単に出来る場合もかなりあり、乱数解析などゲームデータの解析を行わなくてもゲームプレイの範疇での検証だけで裏技的に発見・使用される場合もある。
割と知られた例では、DS版FF3のオーディンは恐らく設定ミスにより通常不可能なような超低確率でグングニルを落とす場合がある(本来は「ぬすむ」で入手する)。そのため、近くの特定の場所でセーブしてリセットし、ウィンドウを一定回数開閉することで乱数をズラして確実にグングニルをドロップさせ、ぬすむと合わせて2本を入手するという裏技が『作成』された例がある。
逆に、レアアイテム狙いで何回もリセット→やり直しをしていると、レアアイテムが出ない同じ乱数に固定されてしまい、その結果何度やっても永久に出ないといったことも起こりうる。
これらは基本的に人操作で可能なため、このような裏技として知られたものやTASで発見されたものなどが、RTAなどで使われる場合もある。
また、風来のシレンシリーズの風来救助など、システム側も利用している場合も稀にある。(本来はランダム生成ダンジョンを冒険するゲームだが、他の人を救助に行くときは倒れた人と全く同じ構造のダンジョンになる)
時間経過によって変動する内部数値が存在している場合、多くは1ms刻みで滝のように流れるスピードであったりと、人間の手と目で完全に操作する事は不可能に近い、しかし、これをツール等の助けを得て無理やり実現させることは一応可能ではある。この最たる例がいわゆる(広義の)TASであり、例えば10秒の間のたった0.1秒にボタンを押さなければならない操作でも、予めタイミングを調べ(内部数値を見えるようにしてしまう)、スローやコマ送りでタイミングを調整したり追記を行っていけば「します、させます、させません」が可能となる。TAS以外でも、乱数を何らかの方法で調べ、それを綿密に狙って実機で再現するということも可能ではあり、難易度は高いものの本来の確率より遙かにうまくいく可能性は高まるためこれを行っている人も存在する。ただし、人と対戦するような場合擬似乱数を乱数として機能出来なくする側面があり、使用の可否は意見が分かれる。→乱数調整(ポケモン)
TAS動画においては、たびたび特定のコマンドを連続使用したり急に入力を停止(数秒から数分までピンキリ)したりと不可解な動きを行う事がある。これは、この乱数を理想に近づけるための「露骨な調整」のためである。
▼恐らく、奇数が出る時間と偶数が出る時間を一定時間毎に入れ替えることで
線形合同法の弱点を補正して作られたサイコロと、それに対抗した露骨な調整の例
▼乱数調整講座
掲示板
128 ななしのよっしん
2022/12/02(金) 17:51:12 ID: sRBXzr42oq
森保がリセマラで乱数調整して決勝トーナメントに進出した説があるらしいな
ドイツとスペインに勝ってコスタリカに負ける以外に決勝進出できるパターンは存在しなかったとのこと
129 ななしのよっしん
2024/04/03(水) 23:26:23 ID: /ds+r9gY5O
平均的な日本人はゲームに椅子や机と同じような「本来的な使い方」があると信じ、そのようにして遊んでいる。椅子を城に見立てて遊ぶことがないように、チートを使って遊ぶことは間違っていると感じる。乱数調整(と、ゲームブックに栞を挟んだりダイスを振り直したりすること)は両者の中間の問題かもしれない。
東京を舞台にした映画で電車が駅のホームに次々と出入りしたとして、平均的な東京都民はそれをなんてことのない日常の風景として捉えると思うが、たとえば外国人であればそれを何かの比喩だと捉えるかもしれない。何をどう捉えるべきかは文化による差が大きい。作り手の側も乱数調整はダメと考える人もいるだろうが、そうじゃない人もいるかもしれない。
130 ななしのよっしん
2024/10/05(土) 15:28:27 ID: ry7h1AdfVt
ここまでやって理論値を求めて、何か安定したやり方が見つかったとしても、ジャンルによっては人力で引き出すためのテクニック真似するのにそれなりの体力や気力もいるだろうからスポーツ的な楽しみ方ができなくもないだろうし。
何よりこんな形で執着されるってだけでそのゲームには相応の魅力があるって事なんだろう。だからこういう変態どもは面白い
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最終更新:2024/11/08(金) 05:00
最終更新:2024/11/08(金) 05:00
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