消そうとすると増えますとは (ワカリヤスイムリゲーとは) [単語記事]

消そうとすると増えますとは、日本の特撮作品「仮面ライダーBLACK RX」の劇場版作品「仮面ライダー世界に駆ける」において、クライシス帝国を襲った悲劇である。

概要

地球侵略のため、RXと熾烈（笑）な戦いを繰り広げていたクライシス帝国。その地球攻撃兵団の長、ジャーク将軍は四大隊長(機甲隊長ガテゾーン、海兵隊長ボスガン、牙隊長ゲドリアン、諜報参謀マリバロン)に、衝撃的な言葉とともに一大作戦命令を下す。

ジャーク将軍「今のお前たちの実力では、体内の神秘なる石『キングストーン』に、太陽の命のエネルギーを浴びてパワーアップしたRXには

勝てぬ。（断言）」

ジャーク将軍「しかし…体内の神秘なる石『キングストーン』に、太陽の命のエネルギーを浴びる以前の、まだパワーアップされていないBLACKなら勝てる

可能性もある。(希望的観測)」

そう、ジャーク将軍はBLACKだった頃の南光太郎を殺害し、その未来の姿であるRXをも消してしまおうと画策したのである。
作戦通りに(手段は不明だが)RXの過去に侵入し、ゴルゴムの三神官ダロム、バラオム、ビシュムにBLACKを攻撃させ、クライシスからもRX 第1話から登場する謎の杭でBLACKを一気に葬り去ろうとした(余談だが、ダロムが「我々は死後の世界から来た」と言っているため、クライシスが介入した過去は暗黒結社ゴルゴムの壊滅～クライシス帝国侵攻までの半年間のどこかであると推測される)。

ジャーク将軍「どうだ！予の作戦に間違いはなかろう！！」
得意げに笑うジャーク将軍。そのままBLACKとRXは消滅し、地球はクライシス帝国の手に落ちるかと思われた。

…しかし、悲劇はここから始まった。

なんと、BLACKを救い出さんとして、どこかの未来から仮面ライダーBLACK RXがやってきたのである。(よく間違われがちだがクライシスが過去に干渉していたから光太郎も過去に来れたのであって、RXの能力ではない)

ジャーク将軍(と視聴者)「そんな馬鹿な…！？BLACKがパワーアップして出来たのがRXの筈！それがどうして、RXとBLACKが同じ所にいるんだ！？」

だが、作戦は始まっている。BLACKを主な標的とし、クライシス自慢の怪人たちが2人(？)を襲撃した。怪魔ロボットトリプロン、怪魔獣人ガイナギスカン、怪魔ロボットデスガロン、怪魔異生獣ムサラビサラの4体である。いずれもムサラビサラ以外過去にRXを苦しめた強敵たちであった。
現れた怪人たちは2人を相手に善戦し、BLACKに大ダメージを与えるまでに至る。
そしてムサラビサラがとどめを刺さんとし、火炎放射を発動する。

…しかし、それが第二の悲劇の始まりであるとは誰一人予想だにしていなかった。
その炎の中から、RXとは更に別の時間軸からロボライダーがやってきたのである。

RXとBLACKを先へと逃がし、一人で4人を相手取るロボライダー。まるで苦戦の様子なし、どころか1人で4人をフルボッコである。

先へと逃れたRXとBLACKは、誰もいない水辺へと辿り着いていた。しかし、そこには四大隊長らが直々に待ち構えていたのだ。
ガテゾーンが2人を狙撃し、さらに止めを刺さんと銃を向ける。…だが、2人の背後には湖があった。
第三の悲劇の始まりであった。

その湖の中から、RX、ロボライダーとはまた別の時間軸から、今度はバイオライダーが飛び出してきた。

四大隊長までフルボッコにするバイオライダー。そしてそこに、殿軍として支えていたロボライダーが駆け付けた。

「仮面ライダー、BLACK！」
「バイオライダー！」
「ロボライダー！」
「仮面ライダーBLACK！ R・X！」

完全に詰みである。

後はもう言わずともお分かりであろう。

4体の怪人軍団はバイオブレードでメッタ斬りにされ、ライダーキック(×4)のフルコースをお見舞いされ、ムササビサラはライダーパンチで顔面を潰された挙句ハードショットで体を貫通され、デスガロンはリボルクラッシュ(＝相手は死ぬ)を華麗に食らい・・・

つまりは、4人のてつをに怪人たちがフルボッコにされて爆殺されただけである。

見事、クライシスの作戦を阻止したRXは「現在」へと帰り、侵略を続けるクライシス帝国と戦い続けるのだった。

今回の敗因はファンの間でも議論が多く為されているが、やはり最大の原因はBLACKを潰そうとしたことであろう。
BLACKにさえなる前の、普通の人間だった頃の南光太郎を標的としていれば、たとえRXが時空間移動してきても、隙を突いて光太郎を殺害することは十分に可能だったはずである。

しかし、そもそも南光太郎を世紀王ブラックサンとして改造したのは他ならぬ暗黒結社ゴルゴムであり、光太郎が仮面ライダーBLACKにさえなっていなければ、クライシスとて（ゴルゴムとの全面戦争は起きたかも知れないが）地球を侵略することも簡単だったかもしれない。

つまり、結局すべてはゴルゴムの仕業なのである。