牙琉霧人とは、CAPCOMのゲーム『逆転裁判4』に登場する架空の人物である。
担当声優はゲーム本編では山本亮治(サウンドチーム、弟・牙琉響也と二役)。PVは津田健次郎。
「牙琉法律事務所」を経営する弁護士であり、『4』の主人公である王泥喜法介の師匠。また『4』におけるライバル検事牙琉響也の兄でもある。また前作主人公・成歩堂龍一が証拠品の捏造で資格を剥奪された際、ただ一人だけ異議を唱えたことから交流が始まり親友となった。
法曹界で最もクールな弁護士と謳われ、冷静かつ丁寧な口調で話す。一人称は「私」。また時々詩的な言い回しを用いることもあるが、第1話の亜内検事曰く「女の子にモテるため」らしい。弟とは似ても似つかない性格に見えるが、弟も「女の子に振り向いてもらいたい」という理由でバンド活動をしているので、結構似た者兄弟である。
弟同様、ドリルのように巻いた金髪が特徴だが、結構チャラい服装の弟と対照的にスーツをビシッと着こなし、色白で、眼鏡をかけている。高級ブランドのマニキュアなど、身だしなみにも気を遣っている。
年齢は『4』の現代で32歳であり、成歩堂より一つ年下である。
その正体は第1話の真犯人であり、逆転裁判4におけるラスボス。成歩堂が弁護士資格を失った原因で、作中で2名を殺害した。
何よりも法を絶対視する男であり、「無知な民衆が法廷に関わるべきではない」という信条を持つなど、自身の職務に歪んだ誇りを持っている。そしてそれを汚すものであれば殺害することもいとわないという、恐るべき狂人。さらに勝利を目指すために手段を選ばず、「証拠が絶対」という法廷の原則を逆手に取り、証拠の捏造で無罪を勝ち取ろうとし、自身の犯行については決定的な証拠をもみ消すことで逃れてきた。
事の発端は『4』の現代から7年前、成歩堂がまだ現役弁護士だったころにさかのぼる。
ある事件の依頼を受けた彼は、1000万の金をかけて無罪を立証するための証拠を捏造。しかし、その依頼人から裁判の前日にポーカーの勝負を持ちかけられ、敗北したことで依頼を取り消されてしまう(実際には勝敗の問題ではなく、勝負を通じて彼の人間性を見た依頼人は「信頼できない」と判断した)。そして、依頼人が新たに選んだ弁護士は、よりによって彼が「勝負運とハッタリだけで戦う二流弁護士」と軽蔑している成歩堂であった。
理解できない理由で弁護人から外した依頼人、さらに自身の仕事を奪った成歩堂に復讐を果たすため、彼はさまざまな作戦を練り始める。
まず、自身が行った証拠品の捏造を成歩堂に押し付け、さらにその事件の担当検事である弟・響也にその捏造を行った人物の父(絵瀬土武六)を参考人として喚問するよう忠告した。計画は成功し、成歩堂は失脚。しかし依頼人は突然法廷から失踪、7年間行方をくらました。
次に、「失踪した依頼人の発見」と「必要に迫られた場合の、関係者の口封じ」を目的として、成歩堂を始め周囲の監視を始める。その一環として実際に証拠品を捏造した贋作師(絵瀬まこと)を殺害するため、連絡用の切手に毒を仕込んだ。しかし、連絡用切手に特殊なものを用いたことが原因でうまく機能しなかったため、その後もまだ幼いまことの性格やクセを利用し、毒薬をマニキュアの「おまじない」として盛り込むことで、いつでも殺害できるようにした。
7年が経過し、失踪した依頼人が成歩堂と接触。これを発見した彼は、依頼人を殺害しその罪を成歩堂に着せることを画策する。しかし成歩堂には全て読まれており、自身の部下である王泥喜と連携した彼に追い詰められ、殺人罪で逮捕・有罪判決を受け、弁護士資格も剥奪された(第1話)。
独房にいる中で、かつて仕掛けた毒入り切手の罠は土武六の命を奪い、さらにマニキュアの罠でまことも倒れ病院に搬送された。その事件の真犯人として法廷に呼び出される(第4話)。
王泥喜たちの追及は悉く可能性どまりで、彼の犯行を確実に立証できるものではなかった。そのことを嘲笑い、被告であるまことこそ犯人であると主張するが、彼が呼び出された裁判は裁判員制度が取り入れられており、数々の証拠ややり取りから良識ある裁判員はいずれも「被告人の無罪」を疑わなかった。そしてそれを取り仕切っていたのは他でもない、成歩堂であった。
成歩堂に嵌められたことを知った彼は、なおも裁判員の否定と法の絶対性を主張するが、弟から「法を絶対視していながら、法の抜け道を探し続けて逃げてきた」ことを指摘され、裁判長からも「法は絶対ではないからこそ我々がいる」と否定される。
そしてまことに無罪判決が出たことを知った彼は、法廷に高らかな笑いをこだまさせるのであった……。
…
……
……………
ここまで述べてきたように、彼は間違いなく悪人であり、前作主人公を失脚させたかなり強大な敵である。はず。
……なのだが、ここまで読んできた人ならわかると思われるが彼の計画はところどころ雑でおかしく、さらに作中様々な小物っぽい言動、前述した詩的な表現による自爆、ギャグ的な展開を多く見せているため、ファンからは「ネタキャラ」として扱われることが多い。
以下、よくネタとして扱われる部分の例。
他にもあるので各自で調べてもらいたい。→こちらを参照。
また、第1話で本気で成歩堂を弁護しようとしていた理由や、資格の剥奪に異議を唱えた理由は明かされない。前述した法のみを絶対視する姿勢や、親友と呼ぶ犬に手を噛まれたという話や、弟との関係などから「友は法のみ、家族からも扱いが悪く、成歩堂とは本気で友達になろうとしたのではないか(だから資格を奪いそこに付け込んだ)」という説が出されることも。もちろん証拠はなく、あくまでネタである。当の成歩堂からは第1話であっさり切り捨てられたし。
このようにさまざまな言動がラスボスとは思えないほどしょぼくて間抜けであるため、『4』自体の評価もあって、彼はネタキャラとして一部で高い人気を誇る人物となっている。
余談だが、今までのシリーズに登場しなかった「黒いサイコ・ロック」を発現した初めての人物である。しかし、彼の「黒いサイコ・ロック」についての謎はゲーム中で解説されなかった。また現れるのは動機を聞いた時なので、「動機は嫉妬と逆恨み」であることから、そこまでして隠すことか?という疑問の声も。なお、『逆転裁判5』で「黒いサイコ・ロックは、深層心理から無意識に発動したもの」と解説されており、これを彼に当てはめるなら彼の動機となる嫉妬やプライドは文章や言葉では説明しようがないような無意識の底から出てきたということなのだろう。やっぱ本気で成歩堂と友達になりたかったのを無意識に否定しようとしてたんじゃ…
2013年には『逆転裁判5』公式サイトで人気投票が行われ、ニコニコ生放送で結果が発表されたが、なんと彼は16位を記録した。これはみぬきの一つ下のランクで、『3』の星威岳哀牙より一つ上。彼より上のランクにいる『4』の人物(王泥喜、響也、みぬき)は全員『5』に続投しているので、『4』のみの人物としては最高ランクを記録したことになる(なお、『4』のみの人物で他に50位以内に入ったのは第4話の被告人・絵瀬まことのみ)。また、この人気投票で歴代シリーズのラスボスは『逆転検事』の人物を除き全員50位以内にランクインしているが、その中での彼の順位は上から3番目である。
掲示板
54 ななしのよっしん
2021/10/24(日) 08:14:21 ID: MyJt0ibWNU
今思うと、ネタキャラ路線の流れって後の「止まるんじゃねぇぞ・・・」やゴマすりクソバードと同じノリよね
当時の専用スレの賑わいを見てると、コンテンツへの不満をネタに転化する事で失望を和らげていたんじゃないかって思う
55 ななしのよっしん
2022/10/23(日) 13:39:47 ID: jC6t9lV4ZA
霧人じゃなくて6-2の犯人が4のラスボスなら綺麗な終わり方にはなったと思うのは自分だけではないはず
強敵度も格も段違いやし
56 ななしのよっしん
2023/09/04(月) 12:56:56 ID: NJjzBJdYv6
ボンゴレに関しては狩魔の4649みたいな「悪役の愛嬌」として設定したんだろうけど、それがボーンチャイナみたいな意図的でないネタ要素とまぜこぜに受け取られちゃったよね
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/26(日) 08:00
最終更新:2024/05/26(日) 08:00
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