統合整備計画とは (トウゴウセイビケイカクとは) [単語記事]

統合整備計画とは、ガンダムシリーズの設定・用語である。

元ネタとなったのは恐らくナチスのアルベルト・シュペーアが推進した計画。

統合整備計画

統合整備計画とは、ジオン公国突撃機動軍マ・クベ大佐が立案した、モビルスーツの規格をパーツ設計レベルで統合する開発計画のこと。
部品の共有化、MS生産ライン簡略、操縦系統の統一を目的としている。これにより、他企業の機種・兵装との互換性を確保出来た為、ジオンの兵器開発にとって重要な計画となった。

OVA『ポケットの中の戦争』のジオン系MSは元々デザインだけリファインしたという位置づけの同一機だったが、プラモデル展開の都合から改良機という設定に変更された。その辻褄合わせのための設定である。

漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』でマ・クベがキシリアに認可を上申するシーンが確認できる。

ジオン公国の兵器体系

ジオン公国軍のMSはジオニック社やツィマッド社、MIP社など複数の軍事企業が競合する形で開発が行われてきたが、それらは機種が違えば武装の規格が合わず、更に生産ラインも複雑化の様相を生み出していた。他企業の製造した武装を扱えなかったというだけならまだマシには聞こえるが、同じ企業でも開発チームが違えば仕様が全く異なっていたケースまであったと言われる。
これを重く見たマ・クベ中佐(当時少佐)は0079年2月、つまり開戦１ヶ月後にMS統合整備計画と呼ばれるものを発令する。計画以前に開発された機種自体は多くはなく、大きく分けてジオニック社のザクⅠ（A、B、Q）、MS-06 ザクⅡ（C、A、F、S、J、M）のみである。

マ・クベは主力機ザクのジオニック社だけでなく、一大プロジェクトでもある統合整備計画を成功させるべく、同じく兵器開発を請け負っているMIP社やツィマッド社等のスタッフにも声をかけていたのだという。その時の要請としては「ザクⅡの生産ラインを基本として開発を行え」という事だったそうだ。

かくして統合整備計画は競合していた企業間の垣根を越えて始動に至ったのだが、ツィマッドとMIPの水陸両用機やドムの開発がスタートしても、それらは統合整備計画に組み込むのは不可能な段階だった。よって該当の試作機や先行量産機に再設計は要求するも、戦力増強の為に生産停止までは強いなかったようだ。

第2期生産型モビルスーツ

統合整備計画の萌芽から一見順調であったかのように見えた。しかし事はそう上手く運ばず、初期は開発チームと現場に混乱をもたらしたといわれている。当然だが１ヶ月やそこらでどうにかなるほど簡単に進行する計画ではなく、現場の混乱が収まるには長くとも半年はかかると見られていた。だが当初の予想を覆し、全面的な見直しと効率化は4ヶ月間という短期間で向上を見せたらしい。
統合整備計画の結実は、ある時期から様々なモビルスーツがロールアウトしたことからも影響が伺える。ひとえにマ・クベの慧眼の賜物だろう。

統合整備計画を織り込んで開発されたモビルスーツは第2期生産型、もしくは後期生産型とも呼ばれる。これらの特徴としは、第2期生産型コックピットへの統一（操縦方法の共通化）が図られた事と、機構・内部フレームの変更などが挙がる。
また機体自体のリファインも行われ、第2期生産型のスペックは統合整備計画以前の原型機から向上し、ほぼ別物と呼べるくらいになった機体まである。各資料を見る限り未だに統合整備計画の全容を把握出来ているわけではないようだが…。

この計画で開発された機体は以下の6機。

機体名称	形式番号	備考
ザクⅡ改（FZ 型/最終生産型）	MS-06FZ	ザクⅡF型がベース。頭部の仕様が2種類存在する。
リックドム Ⅱ（ツヴァイ）	MS-09R-2	リックドムがベース。デラーズ紛争にも参戦している。
ゲルググJ（イェーガー）	MS-14JG	ゲルググがベース。シン・マツナガの専用機が存在する。
ハイゴッグ	MSM-03C	ゴッグがベースだが、水中での巡航形態等を除きほぼ新設計。
ズゴックE（エクスペリメント）	MSM-07E	ズゴックがベース。腕部はバイス・クローとなり4本爪に。
ケンプファー	MS-18E	唯一ベース機が存在しない、試作型強襲用MS。