SCP-826とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
20 x 15cmの対になっているブックスタンドであり、2つの竜頭の形状はそれぞれ外向きに整形されている。剥離片から分かることとして、取り敢えず表面は高品質のピューター素材でできている。ピューター素材は工芸品によく使用される錫にアンチモンや鉛を入れた低融点合金である。
このブックスタンドに本を挟んだ状態でその部屋を出ようとすると、その部屋は挟まれている本の世界に作り変えられてしまう。ここに『ハリー・ポッターと賢者の石』を挟めばホグワーツに、『ピーターパンの冒険』を挟めばネバーランドにいくことができる。このニコニコ大百科を見ている読者諸兄らであれば『ドラえもん』の『絵本入りこみぐつ』同様に垂涎のアイテムであろう。しかも本だけでなく映像作品を収録したメディアなどでも問題はないようで、実際にキューブリック監督の『シャイニング』のDVDを挟んだ実験が行われている。なんでわざわざホラー映画で実験したんですかね……。 作中では他に、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原の小さな家』や子供向けのファンタジー短編集などが実験に使われている。
ただし、単に作品世界を楽しんでいる場合ではないことに留意されたい。物語の終わりまでに、その世界内でSCP-826を見つけ出さなければ、SCP-826は世界をリセットして本の物語を最初からやり直し、被験者は人生のすべての記憶を喪って背景の人物として組み込まれてしまうのだ。無事に脱出に成功した場合でもその作品にとって自然な文体でその被験者の行動が描写される。またこの際に物品であれば外に持ち出すことができるようだ。これを利用して財団の博士が3ページの『振るとレーザーの出る剣』という小説を執筆し、その作品世界に入ってその通り振るとレーザーの出る剣を持ち帰っている。なおこの小説にSCP-826で入るたびに実験担当者や被験者のDクラスが作中の戦士や魔法使いであるという妄想に苛まされるようになっている。この小説もアノマリーとして収容したほうがいいのでは?
Tale『SCP、ゲットだぜ!
(原題:SCPokemon
)』では、なんと「ポケットモンスター 赤 (Pokémon Red Version) 」の世界に財団の博士が入って旅をする。その際の相棒はSCP-939 (『数多の声で』) 。他にもSCP-615 (『枝の塊』) やSCP-075 (『腐食性カタツムリ』) 、SCP-359 (『鷹』。未翻訳) など様々なアノマリーたちがポケモンの代わりに手持ちに加わっている。
なお第一世代のゲームなのに、はがねのつばさ (第二世代初出。そもそもはがねタイプが第一世代には存在しない。)やシザークロス (第四世代初出) 、れんごく (第五世代初出) が飛び交い、これまた第三世代初出の『特性』いかくが猛威を振るう。アノマリーってなんでもありなんだなあと思う瞬間であろう。
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最終更新:2025/12/18(木) 03:00
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