Virtual private network 単語

バーチャルプライベートネットワーク

2.6千文字の記事

Virtual private network(VPN)とは、インターネット通信技術の一つである。

概要

日本語に訳すと「仮想プライベートネットワーク」となる。簡単に説明するとVPN用のサーバーを用いた仮想の専用ネットワークを構築し、あたかも専用回線のような機密性をもった通信を実現する技術のことである。

最大のメリットVPN機器の管理者以外に通信の内容、記録を知ることができないことであり、大企業拠点間通信などに用いられている。

しかし、企業専用というわけではなく、一般ユーザーを対VPNサービス提供している企業もある。

海外では、中国金盾を代表とする政府による厳しい情報統制が行われている国家も少なからずあり、そうした政府の意向に反する情報発信を行うと逮捕されるリスクや、下手をすると命に関わる危険もある。また、情報閲覧でも検閲がかけられ、全な情報は入手できない。
そうしたVPNサービスを利用することにより安全に情報発信や情報閲覧が行えるのである。

その他の特徴として、リモートホストを表示させると接続者のアドレスではなくVPNサーバーアドレスが表示される。

デメリット、問題点

安定・安全性

利用する時間帯にもよるが、接続にVPN機器や専用のサーバーを介すため普通インターネットへ接続するより速度が遅くなりがちで安定性に欠ける。

また暗号化されているとはいえ、セキュリティ面や情報漏洩といったリスクが必ずしもゼロではない点も理解しておきたい。特に無料で利用出来るVPNの中には利用者のデータ収集や情報漏洩マルウェアが仕込まれているリスクが非常に高いため、安易な利用は避けるべきである。

犯罪・違法行為の踏み台

後述するノーログVPNの利用や外サーバーを経由出来る点から、不正アクセス誹謗中傷などの犯罪行為や違法行為の悪用が後を絶たず、開示や捜の進展に支障をきたしやすい。

サイト側の利用制限

ゲーム販売サイトSteamNetflixなどをはじめとした動画配信ラットフォームでは、不正アクセス著作権などの観点からVPNを介したサイト利用は規約違反としている(利用が発覚するとアカウント停止など厳しい措置が取られている)。

最近では、他のWebサイトでも「VPN接続を切断してから利用して下さい」みたいな注意書きやログイン画面が出てきて、閲覧の制限やサイト自体の利用が出来なかったりする(ニコニコ動画を例に挙げると、有料動画を視聴しようとした場合、会員登録の表示が出て視聴出来ないようになっている)。

日本のVPN事情

メリットが通信の機密が保たれる一点のみであり、日本では一部の犯罪に関わるような話題を除き情報統制も積極的に行われていないことから、一般的な話題にはあまり出てこない単語である。
ただ、技術そのものは上記の通り一般社会でも当たり前に用いられており、情報セキュリティの観点からVPN利用を定められている企業が多く、ノートンマカフィーなどのセキュリティソフトにもVPNが付随している(別途有料の場合あり)。

一方で、後述するノーログVPN犯罪などに用いるものがいることから、それにまつわる悪評判があるというのも事実である。

ノーログVPN

後述するVPN事業者のうち、ノーログであることを売りにしている事業者がいる。

インターネットとは拠点間の通信であり、それはVPNでも例外ではない。VPNの場合はVPN機器の管理者、すなわちVPNの事業者は通信の記録を覗ける。リアルタイムで覗くこともできるが、普通は通信が記録されたログを用いて確認を行う。しかし、ノーログVPNの場合はそのログを保存していないのである。

これによって、もしかがVPN開示を行った場合はもちろん、仮に警察の押収などでVPN機器そのものがかの手に渡ったとしても絶対に通信の記録やその通信を行ったユーザー情報漏れることはないのである。

しかし先述の通り、世の中にはこれを悪用してサイバー犯罪に用いるものが大勢いるため、これを理由としてVPN技術そのものに批評的な者もいる。しかし、VPN技術そのものは一般社会で用いられているっ当な技術であるため、一部のモラルい者を引き合いに出して批評するのは失当であると言えよう。

VPNサービス

概要で述べた通り、VPN技術をサービスとして提供する事業者がいる。本項では、その中でも代表的なVPNサービス紹介する。

VPN Gate

別名「VPN」。PacketiX VPNなどのVPN関連事業を行っているソフトイーサ筑波大学の共同プロジェクトとして開発されているVPN
フリーウェアであり、ソフトインストールするだけでもが気軽に使えるVPNである。

ただ、サーバーボランティアで成り立っており、筑波大学側も身元確認等は行っていないようなので事業者としての信頼性は低いといえる。同じ理由から、通信速度も安定せず、IPリークが発生している(=VPNの意味をなしていない)との報告もある。

ログについても不明瞭で、筑波大学運営する中継サーバーは3ヶとしているが、接続サーバーについては規定がない(概ね2週間であるが、中には永久ログが残るサーバーもある)。

ExpressVPN

ヴァージン企業Express VPN International Ltd.が提供するVPNサービス

Angry Video Game Nerdでよく宣伝されているVPNであり海外VPNとしては最も有名と思われる。

VPNはその仕組み上速度が低下しがちであるが、ExpressVPN普通インターネットとあまり変わらない程度に高速なのが特徴。

ノーログであり、2016年ロシアの駐トルコ大使が暗殺された事件と関連してExpress VPNサーバーが押収された際に本当にノーログだったことが明されている。

MillenVPN

日本のアズポケット株式会社提供するVPNサービス

特徴としては、産であるため、日本国内のサポート体制が充実していること、サーバー数が多いため通信速度が安定していることが挙げられる。

ノーログであるが、第三者の明はない。

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