1963年クラシック世代

1963年クラシック世代とは、競馬において1960年に生まれ1963年にクラシック競走を走った（旧4歳、現3歳を迎えた）競走馬の世代である。

概要

皐月賞、日本ダービーをそれぞれレコードタイムで制し、三冠確実と言われながらも菊花賞で大逃げした末に距離の壁にぶつかり敗れたメイズイを代表とする世代。

他にはメイズイの同厩舎のライバルでクラシック戦線で「MG対決」と呼ばれたグレートヨルカ、クラシックには間に合わなかったものの64年秋から天皇賞(秋)をレコードタイムで勝利、そのままの勢いで有馬記念も制したヤマトキヨウダイ、長く条件馬として過ごし馬主が地方転出を決めるほどだったが64年末から本格化し重賞5連勝で天皇賞(春)を7馬身で制覇、シンザンの陣営に「絶好調のシンザンでも5分だった」と言わしめた晩成の名馬アサホコ、「闘将」加賀武見と共に三冠馬シンザンに挑戦したミハルカス、25頭中15番人気から見事勝利し単勝5730円の2022年現在も残る桜花賞最高単勝配当記録の大波乱を起こしたミスマサコなどが有名。

地方には中央から移籍しこの年秋の鞍から名を変えた東京大賞典を優勝し公営日本一になったオリオンホースがいる。

海外にはメジロアサマ、サクラショウリ、シンボリルドルフの父であり産駒が優駿牝馬4連覇を果たしたことでも有名な大種牡馬パーソロン、大種牡馬ミルリーフの父であり直仔のブレイヴェストローマンやミルリーフの産駒ミルジョージを通じて日本に大きな影響を与えたネヴァーベンド、日本に輸入された後多くの産駒が活躍しネヴァーセイダイ系ブームの火付け役となったネヴァービートがいる。

この世代はクラシックで激戦を演じたメイズイとグレートヨルカがそれぞれの事情から古馬戦線では主役にはなず^[1]、逆にヤマトキヨウダイやアサホコなどクラシックに出れなかった馬が本格化して天皇賞や有馬記念を勝利同世代での八大競走完全制覇を達成することができた。また代表馬メイズイは八大競走こそ勝利できなかったものの2400m以下のレースでは16戦15勝2着1回とほとんど無敵と言える成績であり、短距離から長距離まで優秀な競走馬がいた世代と言えるだろう。

中央八大競走

競走名	1963年(現3歳/旧4歳)	1964年(現4歳/旧5歳)	1965年(現5歳/旧4歳)
皐月賞	メイズイ	4歳馬限定戦
東京優駿 （日本ダービー）	メイズイ	4歳馬限定戦
菊花賞	グレートヨルカ	4歳馬限定戦
桜花賞	ミスマサコ	4歳牝馬限定戦
優駿牝馬（オークス）	アイテイオー	4歳牝馬限定戦
天皇賞（春）			アサホコ
天皇賞（秋）		ヤマトキヨウダイ
有馬記念		ヤマトキヨウダイ

中央障害重賞

競走名	1963年 (現3歳/旧4歳)	1964年 (現4歳/旧5歳)	1965年 (現5歳/旧6歳)	1966年 (現6歳/旧7歳)	1967年 (現7歳/旧8歳)	1968年 (現8歳/旧9歳)
東京障害特別（春）			フジノチカラ
阪神障害ステークス（春）	1968年新設
中山大障害（春）						フジノホマレ
京都大障害（春）
阪神障害ステークス（秋）	1968年新設
東京障害特別（秋）				ニシノウチ
京都大障害（秋）
中山大障害（秋）			ミスハツクモ

代表馬

• メイズイ
  
  • '63:皐月賞(八大競走)、東京優駿(八大競走)、スプリングステークス、クモハタ記念、他有馬記念(八大競走)2着、東京記念2着　'64:スワンステークス、他天皇賞(春)(八大競走)2着、有馬記念(八大競走)3着
  • '63啓衆社賞最優秀4歳牡馬、最優秀スプリンター、年度代表馬^[2]

• グレートヨルカ
  
  • '62:朝日盃3歳ステークス、東京3歳ステークス　'63:菊花賞(八大競走)、東京記念、セントライト記念、他皐月賞(八大競走)2着、東京優駿(八大競走)2着、スプリングステークス2着　'66:京王杯スプリングハンデキャップ、他天皇賞(秋)(八大競走)3着　'67:七夕賞2着、新潟記念3着
  • '62最優秀3歳牡馬

• ヤマトキヨウダイ
  
  • '64:天皇賞(秋)(八大競走)、有馬記念(八大競走)、武蔵野ステークス、日本経済賞、CBC賞、目黒記念(秋)、他京王杯オータムハンデキャップ2着、中山記念3着　'65:サンケイ賞オールカマー3着、目黒記念(秋)3着
  • '64最優秀5歳以上牡馬

• アサホコ
  
  • '64:目黒記念(秋)2着　'65:天皇賞(春)(八大競走)、金杯(東)、アメリカジョッキークラブカップ、京王杯スプリングハンデキャップ、スワンステークス　'66:アルゼンチンジョッキークラブカップ2着
  • 史上初の重賞5連勝

• ミハルカス
  
  • '65:ダイヤモンドステークス、サンケイ賞オールカマー、他有馬記念(八大競走)2着、アルゼンチンジョッキークラブカップ2着、毎日王冠2着、天皇賞(秋)(八大競走)3着、目黒記念(秋)3着

• パスポート
  
  • '63:毎日杯、朝日チャレンジカップ、他桜花賞(八大競走)2着、優駿牝馬(八大競走)2着、菊花賞(八大競走)3着、神戸盃3着　'64:阪急杯、他宝塚記念2着、迎春賞2着、スワンステークス2着、朝日チャレンジカップ2着、阪神大賞典3着、阪神牝馬特別3着　'65:中京記念、他金鯱賞2着、宝塚記念3着、函館記念3着
  • '63最優秀4歳牝馬

• コウタロー
  
  • '62:阪神3歳ステークス、宝塚3歳ステークス　'63:NHK杯2着、京都盃2着　'64:愛知杯、阪神大賞典、他天皇賞(秋)(八大競走)3着、京阪杯3着　'65:CBC賞2着、阪神大賞典2着　'66:金鯱賞2着、ハリウッドターフクラブ賞2着　'67:大井金盃2着、東京盃2着、NTV盃2着

• コウライオー
  
  • '62:阪神3歳ステークス2着　'63:京阪杯、神戸盃、京都盃、他菊花賞(八大競走)2着、毎日杯2着、宝塚記念3着　'64:日本経済新春杯、他サンケイ大阪杯2着、阪神大賞典2着、天皇賞(春)(八大競走)3着、サンケイ賞オールカマー3着　'65:迎春賞、他東京オリンピック記念3着

• テツノオー
  
  • '64:中日盃、中京記念、サンケイ大阪杯　'65:開設記念、他報知グランプリカップ2着、大井記念2着、報知オールスターカップ2着、NTV盃2着　'66:報知グランプリカップ、東海菊花賞　'67:新春グランプリ　'68:新春杯、他地全協会長賞3着

• オリオンホース
  
  • '63:ゴールドカップ　'64:報知オールスターカップ、東京大賞典、他東京オリンピック特別　'65:報知オールスターカップ
  • '64公営日本一、公営日本一最良の荘馬

• そのほかの活躍馬
  
  • ソロナオンワード　カブトヤマ記念
  • ミスマサコ　桜花賞(八大競走)
  • ミストヨペツト　クイーンステークスなど
  • パナソニツク　安田記念など
  • クリライト　京王杯スプリングハンデキャップ
  • アイテイオー　優駿牝馬(八大競走)

 ※当時の格付けは全てオープン重賞。太字は現在のGⅠ級競走。

関連項目

• 競馬
• 競走馬
• 競走馬の一覧

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脚注

1. *メイズイは距離の壁があり2500m以上のレースでは勝利できず、グレートヨルカは脚部不安により2年近くの休養があった
2. *リユウフオーレルと同時受賞