1977年クラシック世代

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1977年クラシック世代とは、競馬において1974年に生まれ1977年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。

概要

今現在最後の英国三冠馬ニジンスキーの血を引く持ち込み馬で、生涯戦績8戦8勝、2着との合計着差61馬身の記録を作るも、八大競走を始めとする大レースでその力を示すことができなかった悲劇の最強馬、「スーパーカー」マルゼンスキーを代表とする「マルゼン世代」である。

他には天才福永洋一の代表騎乗馬で、皐月賞での「内埒の上を走ってきたのかと思った」と言われるほどの走りが今も語られるハードバージ、桜花賞、エリザベス女王杯の牝馬二冠を制し当時の牝馬としては破格の有馬記念連対を達成したインターグロリア、歴代のダービー馬の中で今も最高の馬体重記録を持っているラッキールーラ、桜花賞馬カネヒムロ産駒で78年の年度代表馬カネミノブ、同じ牧場出身で78年のダービー馬サクラショウリを破って中山記念を連覇したカネミカサ、マルゼンスキーに唯一ハナ差まで詰め寄った快速馬ヒシスピード、牝馬初の年度代表馬トウメイの代表産駒で史上初の天皇賞(秋)母子制覇を達成したテンメイ、葦毛の馬として初めて菊花賞をレコードで勝利し早期引退してしまったマルゼンスキーに代わり世代の代表馬として一つ上のTTGと戦った「銀髪鬼」プレストウコウなどが有名。

その他自身は競走馬として活躍できなかったものの繁殖牝馬としてタマモクロス、ミヤマポピーの母グリーンシャトー、タマモクロスのライバルオグリキャップと桜花賞馬オグリローマンの母で産駒15頭すべてが勝ち上がるという大記録を作った名繁殖牝馬ホワイトナルビーがいる。

地方競馬にはアングロアラブ平地競走最多出走記録を持つ「益田競馬場のアイドル」ウズシオタロー^[1]がいる。

海外にはアメリカ史上初の無敗で三冠を達成したシアトルスルー、フランスの大種牡馬で日本馬の母父としても名を遺すブラッシンググルーム、凱旋門賞を連覇したアレッジド、日本に種牡馬として輸入され活躍したラッキーソブリンなどがいる。

この世代は何といってもマルゼンスキーとその同世代馬の関係が後の世になっても語られ続けている世代である。1971年からサラブレッドの輸入が自由化された影響で国内のサラブレッド産業を守るため極端な外国産馬の出走規制が設けられ、ちょうど持ち込み馬がクラシックに参加できない時期であった^[2]。しかし結局この世代のクラシックは「マルゼンスキーの敗者復活戦」と言われるようになってしまい、種牡馬となっても人気が集まらないという本末転倒な事態になってしまっている。中でもマルゼンスキーに直接対決で敗北したヒシスピードの馬主はそれまでの内国産重視の持ち馬を徐々に外国産馬中心に切り替えていくなど大きな影響を与えた^[3]。しかし古馬になってから活躍し天皇賞母子勝利を達成したテンメイ、グリーングラスらを破り有馬記念を勝って年度代表馬になったカネミノブは父内国産馬でこそ無いものの八大競走で活躍した母の産駒であり、有力な種牡馬を選別するためのクラシックで活躍した馬の結末を考えると、何とも言えない結果になってしまった。

勝利馬

中央八大競走

競走名	1977年(現3歳/旧4歳)	1978年(現4歳/旧5歳)	1979年(現5歳/旧6歳)
皐月賞	ハードバージ	4歳馬限定戦
東京優駿   (日本ダービー)	ラッキールーラ	4歳馬限定戦
菊花賞	プレストウコウ	4歳馬限定戦
桜花賞	インターグロリア	4歳牝馬限定戦
優駿牝馬(オークス)	リニアクイン	4歳牝馬限定戦
天皇賞(春)
天皇賞(秋)		テンメイ
有馬記念		カネミノブ

中央障害重賞

競走名	1977年 (現3歳/旧4歳)	1978年 (現4歳/旧5歳)	1979年 (現5歳/旧6歳)	1980年 (現6歳/旧7歳)	1981年 (現6歳/旧7歳)
東京障害特別(春)			ソーウンオー
阪神障害ステークス(春)			ニッソウプロス
中山大障害(春)				オキノサコン
京都大障害(春)			アウンエスラー		テキサスワイポン
阪神障害ステークス(秋)		ホウシュウスカイ	テキサスワイポン
東京障害特別(秋)			オキノサコン
京都大障害(秋)
中山大障害(秋)					テキサスワイポン

その他の主要競走

中央

競走名	1976年(現2歳/旧3歳)	1977年(現3歳/旧4歳)	1978年(現4歳/旧5歳)	1979年(現5歳/旧6歳)
朝日杯3歳ステークス	マルゼンスキー	3歳馬限定戦
阪神3歳ステークス	リュウキコウ	3歳馬限定戦
エリザベス女王杯		インターグロリア	4歳牝馬限定戦
安田記念
宝塚記念
高松宮杯			ヤマニンゴロー
スプリンターズステークス		メイワキミコ	メイワキミコ
アラブ大賞典(春)				ヒロブエ
セイユウ記念		アームシシリアン
タマツバキ記念(春)			リョクシュ	ブイセブン
タマツバキ記念(秋)		アームシシリアン	リョクシュ
シュンエイ記念		シンサカエオー
アラブ大賞典(秋)

地方

競走名	1976年 (現2歳/旧3歳)	1977年 (現3歳/旧4歳)	1978年 (現4歳/旧5歳)	競走名	1977年 (現3歳/旧4歳)	1975年 (現4歳/旧5歳)
全日本三才優駿	カシキユネ	3歳馬限定戦		楠賞全日本アラブ優駿	ヒダカセイユウ	4歳馬限定戦
羽田盃		タケノオーカン	4歳馬限定戦	千鳥賞	ブルーシヤーク	4歳馬限定戦
東京ダービー		サンコーモンド	4歳馬限定戦	アラブダービー	カザンウンリユウ	4歳馬限定戦
東京王冠賞		グツドボーイ	4歳馬限定戦	アラブ王冠賞	ヨシノライデン	4歳馬限定戦
競走名	1977年 (現3歳/旧4歳)	1978年 (現4歳/旧5歳)	1979年 (現5歳/旧6歳)	1980年 (現6歳/旧7歳)	1981年 (現7歳/旧8歳)	1982年 (現8歳/旧9歳)
開設記念(～1978) 川崎記念(1979～)
帝王賞	1978年新設
東京大賞典	トドロキヒリユウ
全日本アラブ大賞典	ヨシノライデン	ダイリキホマレ
全日本アラブクイーンカップ	1981年新設
農林水産大臣賞典			キヨヒメ	ダイケツ	キヨヒメ	キヨヒメ

年度表彰

日本

中央競馬

優駿賞
表彰部門	1976年 (現2歳/旧3歳)	1977年 (現3歳/旧4歳)	1978年 (現4歳/旧5歳)	1979年 (現5歳/旧6歳)	1980年 (現6歳/旧7歳)	1981年 (現7歳/旧8歳)
最優秀3歳牡馬	マルゼンスキー	3歳限定部門
最優秀3歳牝馬	セーヌスポート	3歳限定部門
	フジビゼン
最優秀4歳牡馬		プレストウコウ	4歳限定部門
最優秀4歳牝馬		インターグロリア	4歳限定部門
最優秀5歳以上牡馬			カネミノブ
最優秀5歳以上牝馬			インターグロリア
最優秀障害馬					オキノサコン	テキサスワイポン
最優秀アラブ			リョクシュ
年度代表馬			カネミノブ

代表馬

• マルゼンスキー
  
  • '76:朝日杯3歳ステークス、府中3歳ステークス　'77:日本短波賞、短距離ステークス
  • '76優駿賞最優秀3歳牡馬
  • JRA顕彰馬
  • 生涯戦績8戦無敗

• カネミノブ
  
  • '77:弥生賞2着、セントライト記念2着、東京優駿(八大競走)3着　'78:有馬記念(八大競走)、アルゼンチン共和国杯、日本経済賞、他金杯(東)2着、毎日王冠2着、目黒記念(秋)2着　'79:毎日王冠2着、有馬記念(八大競走)3着　'80:目黒記念(春)、毎日王冠、他アメリカジョッキークラブカップ2着、有馬記念(八大競走)3着、高松宮杯3着、日経賞3着
  • '78最優秀5歳以上牡馬、年度代表馬
  • 獲得賞金世代最多

• テンメイ
  
  • '77:菊花賞(八大競走)2着、阪神大賞典2着　'78:天皇賞(秋)(八大競走)、他マイラーズカップ2着　'79:京都大賞典　'80:桐花賞3着、北上川大賞典3着
  • 史上初の天皇賞(秋)母子制覇達成

• プレストウコウ
  
  • '77:菊花賞(八大競走)、NHK杯、セントライト記念、京都新聞杯、他日本短波賞2着、京王杯オータムハンデキャップ2着、京成杯3着、東京4歳ステークス3着、弥生賞3着　'78:毎日王冠、他天皇賞(秋)(八大競走)2着
  • '77最優秀4歳牡馬

• ハードバージ
  
  • '77:皐月賞(八大競走)、毎日杯、他東京優駿(八大競走)2着

• カネミカサ
  
  • '77:東北記念2着　'78:中山記念、他京王杯スプリングハンデキャップ2着、新潟記念2着、サンケイ賞オールカマー2着、安田記念3着、目黒記念(秋)3着　'79:中山記念、アルゼンチン共和国杯　'80:アメリカジョッキークラブカップ、他中山記念2着、宝塚記念3着

• ラッキールーラ
  
  • '77:東京優駿(八大競走)、弥生賞、他皐月賞(八大競走)2着、京成杯2着、京都新聞杯2着　'80:札幌日経賞

• インターグロリア
  
  • '77:桜花賞(八大競走)、エリザベス女王杯、サンスポ阪神牝馬特別、他京都牝馬特別3着　'78:マイラーズカップ、京都牝馬特別、他有馬記念(八大競走)2着　'79:京都牝馬特別、他マイラーズカップ2着、中京記念3着
  • '77最優秀4歳牝馬
  • '78最優秀5歳以上牝馬

• ヒシスピード
  
  • '76:北海道3歳ステークス、他朝日杯3歳ステークス2着、府中3歳ステークス2着　'77:京成杯、東京4歳ステークス、他短距離ステークス2着、スプリングステークス3着

• リニアクイン
  
  • '77:優駿牝馬(八大競走)、他エリザベス女王杯2着、神戸新聞杯2着、桜花賞(八大競走)3着、阪神牝馬特別3着　'78:金杯(西)

• リュウキコウ
  
  • '77:タマツバキ記念(秋)2着　'78:タマツバキ記念(春)、タマツバキ記念(秋)、他アラブ大賞典(春)2着、アラブ王冠(春)2着　'79:タマツバキ記念(春)2着、タマツバキ記念(秋)2着　'80:アラブ大賞典(春)2着
  • '78最優秀アラブ

• リョクシュ
  
  • '76:阪神3歳ステークス　'77:きさらぎ賞、他愛知杯3着　'78:京都大賞典、目黒記念(秋)　'79:阪神大賞典2着　'81:金杯(西)3着

• キヨヒメ
  
  • '77:ばんえいプリンセス賞　'79:農林水産大臣賞典(旭川)　'81:農林水産大臣賞典(帯広)、岩見沢記念　'82:農林水産大臣賞典(北見)
  • ばんえい記念が1トン定量戦になって以降優勝した初の牝馬
  • ばんえい記念が1トン定量戦になって以降優勝した最後の牝馬
  • ばんえい記念最多勝利牝馬

• そのほかの活躍馬
  • ハシコトブキ　朝日チャレンジカップなど
  • アイノクレスピン　神戸新聞杯
  • テンザンサクラ　シンザン記念
  • メイワキミコ　スプリンターズステークス連覇
  • リキタイコー　スワンステークス
  • アローバンガード　カブトヤマ記念
  • ウズシオタロー　アングロアラブ平地最多出走記録保持馬
  • グリーンシャトー　桃山特別　
  • ホワイトナルビー　春駒特別　NARグランプリ特別表彰馬

  ※当時の格付けは全てオープン競走。太字は現在のGI級競走。

海外調教馬

• アーテイアス(米)
• アレッジド(愛)
• イデアルデュガソー(仏)
• クリスタルパレス(仏)
• ザミンストレル(愛)
• シアトルスルー(米)
• ズルムー(独)
• デプグリーフ(米)
• トリリオン(仏)
• ビーマイゲスト(愛)
• ブラッシンググルーム(仏)
• ノークラス(加)
• ノーザンディクテイター(米)
• ラッキーソブリン(英)
• ロイヤルスキー(米)

関連動画

ウマ娘に登場するキャラクターのモデルになった競走馬を解説する動画だが、ウマ娘に登場しない同年代に走った他の競走馬の多くもレース映像や解説付きで登場する。

関連リンク

• 1977年の日本競馬 - Wikipedia
• 77世代 (ななななせだい)【ピクシブ百科事典】

関連項目

競馬 競走馬の一覧

ウマ娘 プリティーダービー マルゼンスキー(ウマ娘) マルゼン世代

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競走馬の世代一覧

クラシック世代別
1930年代	1923	････	1932	1933	1934	1935	1936	1937	1938	1939
1940年代	1940	1941	1942	1943	1944	1945	1946	1947	1948	1949
1950年代	1950	1951	1952	1953	1954	1955	1956	1957	1958	1959
1960年代	1960	1961	1962	1963	1964	1965	1966	1967	1968	1969
1970年代	1970	1971	1972	1973	1974	1975	1976	1977	1978	1979
1980年代	1980	1981	1982	1983	1984	1985	1986	1987	1988	1989
1990年代	1990	1991	1992	1993	1994	1995	1996	1997	1998	1999
2000年代	2000	2001	2002	2003	2004	2005	2006	2007	2008	2009
2010年代	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
2020年代	2020	2021	2022	2023	2024	2025	2026	2027	2028	2029
2030年代	2030	2031	2032	2033	2034	2035	2036	2037	2038	2039
関連項目
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外部リンク	JRAホームページ - 地方競馬情報サイト - 南関東4競馬場 - ばんえい十勝公式ホームページ netkeiba.com - JBISサーチ(JBIS-Search) 競走馬のふるさと案内所 - 認定NPO法人引退馬協会

脚注

1. *タローという名前だが、牝馬である
2. *しかし当時から既にあった外国産種牡馬信仰や、日本で産駒が走った種牡馬やジャパンカップで活躍した馬の近親馬を大量に買い付け「種牡馬の墓場」呼ばわりされたこと、サンデーサイレンスの登場後にそれまでの内国産血統がほとんど壊滅したことを考えると、当時の生産界の危機感もあながち過剰とも言えないかもしれない
3. *後に外国産馬であるヒシアマゾンなどが登場する