1960年クラシック世代とは、競馬において1957年に生まれ1960年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。
後に「カミソリの切れ味」と称された鋭い末脚で皐月賞、日本ダービーを無敗で勝利し「トキノミノルの再来」と呼ばれながらも菊花賞では距離の壁に泣き、その後当時としては異例ともいえる中距離路線へと舵を切り宝塚記念で見事復活した「夢の超特急」コダマを代表とする世代。
他には翌年ハンデ重賞の安田記念を高ハンデの61.5キロ、日経賞を63㎏で勝利して天皇賞(秋)で3着、有馬記念で優勝し当時の年間獲得賞金を更新して年度代表馬になったホマレボシ、大井競馬時代に全日本三才優駿と秋の鞍(現東京大賞典)に勝利し公営日本一になったあと中央に移籍し、62年に天皇賞(春)と有馬記念を勝利して62年の年度代表馬になったオンスロート、同じく大井から移籍して来てオンスロートより前の61年に天皇賞(秋)で八大競走制覇を達成したタカマガハラ、八大競走勝利は果たせなかったものの多くの大競走で好走し、その惜敗振りから「ジリ脚シーザー」と呼ばれて愛されたシーザー、激戦のオークスを勝ち同年の有馬記念を今現在日本史上ただ一頭3歳(旧4歳)牝馬として勝利したスターロツチ、三冠がかかったコダマに菊花賞で勝利し兄のキタノオーとの兄弟制覇を成し遂げたキタノオーザ、父ライジングフレーム、母の父セントライトという良血で、桜花賞を勝った後も重賞戦線で長く活躍し、通算49戦19勝、61年の最優秀5歳以上牝馬のトキノキロク、ダービー2着後は八大競走ではなかなか振るわなかったものの、19戦目にして天皇賞(春)を勝利した「ヒンドスタン最初の大物」ヤマニンモアー、競走馬としては珍しく横浜市で生まれ[1]、トキノキロクやスターロツチと戦い、自身も61年に阪神牝馬特別を勝利[2]、繁殖牝馬としてヤマピット、ミスマルミチをを産んで後年「華麗なる一族」と呼ばれる一大牝系の祖になったキューピツト、クラシック戦線には参戦しなかったものの中距離重賞で活躍し、2年連続で最優秀スプリンターを受賞した快速馬ヘリオスなどが有名。
地方には大井時代のオンスロート、タカマガハラと争い大井盃、春の鞍を連勝して今で言う南関東二冠馬となり、その後秋の鞍も制覇した名馬ダイサンコトブキがいる。
海外にはジョッキークラブゴールドカップ5連覇、当時の歴代賞金王など数々の偉業で知られるアメリカの伝説的騸馬ケルソ、繁殖牝馬として日本のトウショウ牧場に輸入され、テスコボーイとの間にトウショウボーイを設けた名牝ソシアルバターフライがいる。
この世代はコダマがトキノミノル以来9年振り2頭目の無敗のクラシック二冠馬となり、その存在は当時大衆人気を得たトキノミノルと同じく多くの人に知られ、日本ダービーは当時最多の7万人が来場、売り上げも400億円に達し日本新記録となった。しかしその後コダマは距離の壁にぶつかってしまい菊花賞で5着、有馬記念で6着に敗れてしまい、翌年コダマは脚部不安の為古馬戦線の主役にはなれず、変わって4歳時に大井で激戦を繰り広げていたオンスロート、タカマガハラ、共にクラシックを走っていたヤマニンモアー、シーザーが同世代で4強を形成し古馬戦線を大いに盛り上げた。61年の古馬の大競走を同世代で3連勝し八大競走完全制覇、障害重賞も翌年にかけて同世代で全て勝利、八大競走11勝は1976年クラシック世代に更新されるまで当時の最多記録、また現在唯一の記録であるスターロツチの3歳(旧4歳)牝馬勝利からの有馬記念3連覇[3]、年度代表馬3頭輩出も史上初[4]で、距離の壁に泣いたコダマも脚部不安とどうにか付き合いつつ狙いを中距離重賞のみに絞るという当時としては先進的な方針を取り宝塚記念を含む4戦3勝2着1回で見事復活し、当時どころか現在でも圧倒的と言える競走成績はまさしく60年代最初の年にして最強と言える世代であった。
| 競走名 | 1960年(現3歳/旧4歳) | 1961年(現4歳/旧5歳) | 1962年(現5歳/旧4歳) |
|---|---|---|---|
| 皐月賞 | コダマ | 4歳馬限定戦 | |
| 東京優駿競走 (日本ダービー) |
コダマ | 4歳馬限定戦 | |
| 菊花賞 | キタノオーザ | 4歳馬限定戦 | |
| 桜花賞 | トキノキロク | 4歳牝馬限定戦 | |
| 優駿牝馬 | スターロツチ | 4歳牝馬限定戦 | |
| 天皇賞(春) | ヤマニンモアー | オンスロート | |
| 天皇賞(秋) | タカマガハラ | ||
| 有馬記念 | スターロツチ | ホマレボシ | オンスロート |
| 競走名 | 1960年 (現3歳/旧4歳) | 1961年(現4歳/旧5歳) | 1962年(現5歳/旧6歳) | 1963年(現6歳/旧7歳) |
|---|---|---|---|---|
| 東京障碍特別(春) | ロイヤルレツジ | |||
| 中山大障碍(春) | フエニクス | |||
| 中山アラブ障碍特別 | シンコウ | |||
| 京都大障碍(春) | トサキング | |||
| アラブ大障害(春) | タツタオー | ミツザン | コールキング | |
| 東京障碍特別(秋) | ハルマサ | |||
| 京都大障碍(秋) | リユウゲツ | |||
| アラブ大障害(秋) | タツタオー | タツタオー | ||
| 東京アラブ障碍特別 | テンポ | テンポ | ||
| 中山大障碍(秋) | トサキング |
| 競走名 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
|---|---|---|---|---|
| 朝日盃3歳ステークス | マツカゼオー | 3歳馬限定戦 | ||
| 阪神3歳ステークス | コダマ | 3歳馬限定戦 | ||
| 安田記念 | ホマレボシ | |||
| 宝塚記念 | 1960年新設 | シーザー | コダマ | |
| アラブ大賞典 | 1961年新設 | カツラバラツケー | ||
| 読売カップ(春) | フミエ | |||
| タマツバキ記念(春) | キンシオー | ミスヒラノ | ||
| タマツバキ記念(秋) | キンシオー | |||
| 読売カップ(秋) | ヤマジヨー |
| 競走名 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
競走名 | (現3歳/旧4歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| 全日本三才優駿 | オンスロート | 3歳馬限定戦 | 千鳥賞 | タカラガワ | |
| 大井盃 | ダイサンコトブキ | 4歳馬限定戦 | 春の特別 | タカラガワ | |
| 春の鞍 | ダイサンコトブキ | 4歳馬限定戦 | ホウセント記念 | タカラガワ | |
| 競走名 | (現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
(現6歳/旧7歳) |
(現7歳/旧8歳) |
| 開設記念 | アサブエ | ||||
| 秋の鞍(~1963) 東京大賞典(1964~) |
オンスロート | ダイサンコトブキ | |||
| 秋の特別(~1963) アラブ大賞典(1964~) |
タカライザン |
| 啓衆社賞 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1963年 (現5歳/旧6歳) |
| 最優秀3歳牡馬 | マツカゼオー | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀3歳牝馬 | チドリ | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牡馬 | コダマ | 4歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牝馬 | スターロツチ | 4歳限定部門 | |||
| タカマガハラ | オンスロート | ||||
| トキノキロク | |||||
| ヘリオス | ヘリオス | ||||
| 最優秀障害馬 | トサキング | ||||
| 最優秀アラブ | ヤマジヨー | ヤマジヨー | |||
| 年度代表馬 | コダマ | ホマレボシ | オンスロート | ||
| 公営日本一 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | |||||
| 最良の4歳馬 | サラ | 1961年新設 | |||
| アラ | 1961年新設 | ||||
| 最良の荘馬 | サラ | 1961年新設 | ダイサンコトブキ | ||
| アラ | 1961年新設 | ||||
| 公営日本一 | サラ | オンスロート | ダイサンコトブキ | ||
| アラ | |||||
| 前世代 | 当記事 | 後世代 |
|---|---|---|
| 1959年クラシック世代 |
1960年クラシック世代 | 1961年クラシック世代 |
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最終更新:2025/12/16(火) 07:00
最終更新:2025/12/16(火) 07:00
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