2007年クラシック世代とは、2004年に生まれ、2007年にクラシック競走を走った(3歳を迎えた)競走馬の世代のことである。
64年ぶりに牝馬として日本ダービーを勝ち、最終的にGⅠ7勝を挙げたウオッカと、そのウオッカを桜花賞・秋華賞で破り、翌年に37年ぶりに牝馬で有馬記念を勝利したダイワスカーレットの歴史的名牝2頭を代表とする世代。この後の牝馬の時代の幕開けを告げたと言える世代である。
他に牝馬のGⅠ馬には、3歳でスプリンターズSを制しながら病魔に斃れた悲運の快足牝馬アストンマーチャン、その翌年のスプリンターズSを勝ち上村洋行に初のGⅠ制覇をもたらしたスリープレスナイト、外国産馬初のクラシック制覇となったオークス馬ローブデコルテ、2009年エリザベス女王杯でテイエムプリキュアと一緒に大逃げした「これが競馬の怖ろしさ!」クィーンスプマンテ、ウオッカに府中マイルで勝った唯一の馬エイジアンウインズ、NHKマイルカップをブービー人気で制して当時のJRA重賞最高配当記録を叩き出したピンクカメオがいる。
牡馬はどうしても「ウオッカとダスカにボコられた世代」という印象が強いが、2歳で朝日杯FSを勝ち5歳でグランプリ連覇を果たして父ステイゴールドの種牡馬評価を一気に高めたドリームジャーニー、2008年ジャパンカップを制したグラスワンダーの代表産駒にして自身も種牡馬としてモーリスとゴールドアクターを送り出したスクリーンヒーロー、2009年に高松宮記念父子制覇・春秋スプリント連覇を果たしたキングヘイローの代表産駒ローレルゲレイロといったあたりが代表か。
他に古馬GⅠ馬は初の外国人騎手(クレイグ・ウィリアムズ)による天皇賞制覇となったジャガーメイル、39戦目での中央GI初制覇という中央最多キャリア記録を作ったショウワモダンがいる。クラシックの皐月賞馬ヴィクトリーはその後1勝も挙げられず、菊花賞馬アサクサキングスもその後はGIIを2勝するに留まり、総じて牡馬は遅咲きの馬が目立った世代と言える。
そんなわけで中央平地古馬GⅠ18勝は2002年クラシック世代の記録(16勝)を更新して当時の最多記録。現時点でも2018年クラシック世代(22勝)、2012年クラシック世代(19勝)に次ぐ3位である。
GⅠ馬以外では、牡馬ではウオッカの被害者代表フサイチホウオー、2009年のハナ差1cm負けに2011年の放馬大脱走とスプリンターズSで2度の伝説を作ったビービーガルダン、アルクトスの父でこの世代の牡馬で唯一ウオッカとダイワスカーレットの両方に勝ったアドマイヤオーラ、ニュージーランドから彗星のようにやってきてあっという間に去っていったロックドゥカンブ、直系4代天皇賞制覇に挑んだメジロマックイーンの代表産駒ホクトスルタン、JRA最大馬体重出走(630kg)および勝利(612kg)の記録を持つ巨漢馬クリーン。
牝馬ではナリタトップロード産駒唯一の中央重賞馬にして「うわーベッラレイアすごい脚!」のベッラレイア、「そうです!そうなんです!アルコセニョーラなんです!」のアルコセニョーラ、秋華賞でダイワスカーレットとウオッカに割って入ったレインダンス、新潟千直に花開いて散った儚い夏の桜カノヤザクラなどがいる。
ダート方面では、交流GⅠ/JpnⅠを6勝し、NARグランプリ年度代表馬4度、地方所属馬の最多獲得賞金額記録を持つ船橋のレジェンド・フリオーソがこの世代の筆頭。というかこの世代でダートGⅠ/JpnⅠを勝った馬は世代戦も含めてフリオーソしかいない。
中央のダート馬は重賞4勝のマコトスパルビエロや重賞3勝のフェラーリピサ、短距離重賞3着6回のブロコレ馬ミリオンディスクが目につく程度で、21世紀では最も中央ダート馬が手薄な世代かもしれない。
また変わり種として、19歳まで現役だったサラブレッド最高齢出走記録保持者のヒカルアヤノヒメ(愛知)もこの世代。
海外では、デビュー19連勝・GⅠ13勝を挙げたアメリカの超名牝ゼニヤッタが代表。アメリカでは他にも102年ぶりに牝馬でアメリカクラシック最後の一冠・ベルモントSを勝ったラグズトゥリッチズがいる。
| 競走名 | 2006年(2歳) | 2007年(3歳) |
|---|---|---|
| 朝日杯フューチュリティステークス | ドリームジャーニー | |
| 阪神ジュベナイルフィリーズ | ウオッカ | |
| 皐月賞 | ヴィクトリー | |
| 東京優駿(日本ダービー) | ウオッカ | |
| 菊花賞 | アサクサキングス | |
| 桜花賞 | ダイワスカーレット | |
| 優駿牝馬(オークス) | ローブデコルテ | |
| 秋華賞 | ダイワスカーレット | |
| NHKマイルカップ | ピンクカメオ |
| 競走名 | 2007年 (3歳) |
2008年 (4歳) |
2009年 (5歳) |
2010年 (6歳) |
2011年 (7歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| 中山グランドジャンプ | |||||
| 中山大障害 |
| 競走名 | 2006年(2歳) | 2007年(3歳) |
|---|---|---|
| 全日本2歳優駿 | フリオーソ | |
| ジャパンダートダービー | フリオーソ |
| 競走名 | 2007年(3歳) | 2008年(4歳) | 2009年(5歳) | 2010年(6歳) | 2011年(7歳) | 2012年(8歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 川崎記念 | フリオーソ | |||||
| かしわ記念 | フリオーソ | |||||
| 帝王賞 | フリオーソ | フリオーソ | ||||
| マイルチャンピオンシップ南部杯 | ||||||
| JBCスプリント | ||||||
| JBCクラシック | ||||||
| 東京大賞典 |
| 前世代 | 当世代 | 後世代 |
|---|---|---|
| 2006年クラシック世代 | 2007年クラシック世代 | 2008年クラシック世代 |
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掲示板
8 ななしのよっしん
2023/11/28(火) 14:38:37 ID: WH20U6zUWc
大変遅くて申し訳ないが、ヒカルアヤノヒメが旅立ったのを今知った。
ご冥福をお祈りいたします。
9 ななしのよっしん
2025/04/23(水) 11:58:52 ID: z30zaR4yEC
遅咲きアイドルのゼニヤッタばかり取り上げられがちな世代だが、ストリートセンス・カーリン・ハードスパン・ラグズトゥリッチズのライバル関係も良いんだよな
中でも人気薄のBCジュヴェナイルを10馬身差で制し、ケンタッキーダービーでは主役として圧勝したストリートセンス、最終的にこのストリートセンスを超える世界の大物に育ったカーリンは二大主人公の感がある
もし競走馬の物語を『ウマ娘』のように戯曲化するならゼニヤッタ無双よりこちらの群像劇の方が面白くなるのでは…と思うくらい
10 ななしのよっしん
2025/11/14(金) 21:06:49 ID: jSBLXvP/Vv
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最終更新:2025/12/06(土) 18:00
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