1973年クラシック世代

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1973年クラシック世代とは、競馬において1970年に生まれ1973年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。

概要

南関東大井競馬から移籍してその人気により第一次競馬ブームを引き起こしたハイセイコーを代表とする、「ハイセイコー世代」である。

圧倒的な人気を誇ったアイドルホースハイセイコーをダービーと菊花賞で下して、そのライバルとして名勝負を繰り広げたタケホープ、ダービーでハイセイコーに先着して春の天皇賞を勝ったイチフジイサミ、桜花賞、ビクトリアカップを勝って二冠牝馬となり、当時の牝馬としては破格の有馬記念連対を果たしたニットウチドリ、オークスを勝ち安田記念などの重賞戦線で活躍したナスノチグサ、日本で初めて2000mを2分を切るタイムで駆け抜けたシルバーランド、八大競走には縁がなかったものの多くの重賞を勝ち、平場のオープン戦では世代の代表であるハイセイコーやタケホープにも先着し中央競馬で昭和では最後の20勝を達成した「オープン大将」ヤマブキオー、4000mの日本最長距離ステークスの勝利が話題になった「白い逃亡者」ホワイトフォンテン、競馬界屈指の良血一族「華麗なる一族」の一員ボージェストなどが有名。

地方競馬ではハイセイコーの他にリーディングサイアー7回を記録したアングロアラブのスマノダイドウ　がいる。

海外では25年ぶりにアメリカクラシック三冠馬となり、その際に2位との着差31馬身をつけダート12fの世界レコードを今でも保持している世界的名馬「ビッグ・レッド」セクレタリアト、ノーザンダンサー以来最も成功した大種牡馬にして現代の血統に今なお大きな影響を残しているミスタープロスペクターがいる。

ハイセイコー人気は今までの競走馬の人気の枠を超え、日本中に社会現象を起こし、公衆の面前で堂々と競馬新聞を読んでも誰も目を顰めなくなったり、今まで「鉄火場」と評された競馬場にそれまで競馬を知らなかった女性や子供、家族連れが訪れ、馬券の対象としてではなく一頭の競走馬を応援する文化を生み出し、競馬をギャンブルからスポーツへと押し上げた。当時の入場者数、馬券の売り上げはいずれも過去最多を更新し、これは17年後の第二次競馬ブームまで破られることはなかった。日本競馬に大変革をもたらしたハイセイコーとその同期たちの活躍は、TTGの三強対決、ミスターシービーとシンボリルドルフの三冠馬対決を経て、オグリキャップが引き起こした90年代の第二次競馬ブームへとつながっていった。

勝利馬

中央八大競走

競走名	1973年(現3歳/旧4歳)	1974年(現4歳/旧5歳)	1975年(現5歳/旧6歳)
皐月賞	ハイセイコー	4歳馬限定戦
東京優駿   (日本ダービー)	タケホープ	4歳馬限定戦
菊花賞	タケホープ	4歳馬限定戦
桜花賞	ニットウチドリ	4歳牝馬限定戦
優駿牝馬(オークス)	ナスノチグサ	4歳牝馬限定戦
天皇賞(春)		タケホープ	イチフジイサミ
天皇賞(秋)		カミノテシオ
有馬記念

中央障害重賞

競走名	1973年(現3歳/旧4歳)	1974年(現4歳/旧5歳)	1975年(現5歳/旧6歳)	1976年(現6歳/旧7歳)
東京障害特別(春)		カシハタ
阪神障害ステークス(春)			スズカクイン
中山大障害(春)
京都大障害(春)		ニホンピロファイト
阪神障害ステークス(秋)			シーロード	フロリダホープ
東京障害特別(秋)
京都大障害(秋)				フロリダホープ
中山大障害(秋)

その他の主要競走

中央

競走名	1972年(現2歳/旧3歳)	1973年(現3歳/旧4歳)	1974年(現4歳/旧5歳)	1975年(現5歳/旧6歳)
朝日杯3歳ステークス	レッドイーグル	3歳馬限定戦
阪神3歳ステークス	キシュウローレル	3歳馬限定戦
ビクトリアカップ		ニットウチドリ	4歳牝馬限定戦
安田記念
宝塚記念			ハイセイコー
高松宮杯			ハイセイコー
スプリンターズステークス
アラブ大賞典(春)			オーギフォード
読売カップ(春)(～1973) セイユウ記念(1974～)		ハマノカゲ
タマツバキ記念(春)		プリムクライン
タマツバキ記念(秋)		ロックーン
読売カップ(秋)(～1973) シュンエイ記念(1974～)		エキプレス
アラブ大賞典(秋)		ハマノカゲ	アイズムサシ

地方

競走名	1972年 (現2歳/旧3歳)	1973年 (現3歳/旧4歳)	1974年 (現4歳/旧5歳)	競走名	1973年 (現3歳/旧4歳)	1974年 (現4歳/旧5歳)
全日本三才優駿	チヤイナホープ	3歳馬限定戦		楠賞全日本アラブ優駿	ワールドタカシ	4歳馬限定戦
羽田盃		ヨウコウザン	4歳馬限定戦	千鳥賞	ポートスーダン	4歳馬限定戦
東京ダービー		ヨウコウザン	4歳馬限定戦	アラブダービー	スマノダイドウ	4歳馬限定戦
東京王冠賞		マルサンフアイヤ	4歳馬限定戦	アラブ王冠賞	ポートスーダン	4歳馬限定戦
競走名	1973年 (現3歳/旧4歳)	1974年 (現4歳/旧5歳)	1975年 (現5歳/旧6歳)	1976年 (現6歳/旧7歳)	1977年 (現7歳/旧8歳)	1978年 (現8歳/旧9歳)
開設記念
帝王賞	1978年新設
東京大賞典
全日本アラブ大賞典	ホウラツキー	ポートスーダン
農林水産大臣賞典

年度表彰

日本

中央競馬

優駿賞
表彰部門	1972年(現2歳/旧3歳)	1973年(現3歳/旧4歳)	1974年(現4歳/旧5歳)	1975年(現5歳/旧6歳)
最優秀3歳牡馬	レッドイーグル	3歳限定部門
最優秀3歳牝馬	キシュウローレル	3歳限定部門
最優秀4歳牡馬		タケホープ	4歳限定部門
最優秀4歳牝馬		ニットウチドリ	4歳限定部門
最優秀5歳以上牡馬
最優秀5歳以上牝馬
最優秀障害馬
最優秀アラブ			アイズムサシ
年度代表馬		タケホープ
大衆賞		ハイセイコー

代表馬

• ハイセイコー
  
  • '72:青雲賞　'73:皐月賞(八大競走)、弥生賞、スプリングステークス、NHK杯、他菊花賞(八大競走)2着、京都新聞杯2着、東京優駿(八大競走)3着、有馬記念(八大競走)3着　'74:宝塚記念、高松宮杯、中山記念、他有馬記念(八大競走)2着
  • '73優駿賞大衆賞
  • JRA顕彰馬
  • NARグランプリ特別表彰馬
  • 日本史上初のJRA賞特別賞受賞
  • 中央競馬サラ系平地連続1番人気最多タイ^[1]
  • 大井競馬所属時の6戦で2着につけた合計着差は56馬身、平均着差は9.3馬身
  • 青雲賞(現ハイセイコー記念)のレコードタイムは現在もハイセイコー自身が保持している

• タケホープ
  
  • '73:東京優駿(八大競走)、菊花賞(八大競走)、他東京4歳ステークス3着　'74:天皇賞(春)(八大競走)、アメリカジョッキークラブカップ、他有馬記念(八大競走)3着、中山記念3着
  • '73最優秀4歳牡馬、年度代表馬
  • 史上唯一のダービー、菊花賞を勝利したクラシック二冠馬^[2]

• イチフジイサミ
  
  • '73:日本短波賞、他東京優駿(八大競走)2着、セントライト記念2着、菊花賞(八大競走)3着　'74:サンケイ賞オールカマー、他天皇賞(秋)(八大競走)2着、日本経済賞3着　'75:天皇賞(春)(八大競走)、他ダイヤモンドステークス3着

• ヤマブキオー
  
  • '74:中京記念　'75:ダービー卿チャレンジトロフィー　'76:京王杯スプリングハンデキャップ、中山記念、金鯱賞、他高松宮杯2着、アルゼンチン共和国杯3着　'77:函館記念、他アメリカジョッキークラブカップ2着、'78:中山記念3着
  • 中央競馬サラ系平地競走最多勝利タイ記録保持馬^[3]
  • 獲得賞金世代最多

• ニットウチドリ
  
  • '73:桜花賞(八大競走)、ビクトリアカップ、阪神4歳牝馬特別、他有馬記念(八大競走)2着、優駿牝馬(八大競走)2着、クイーンカップ3着、サンスポ賞4歳牝馬特別3着
  • '73最優秀4歳牝馬

• カミノテシオ
  
  • '73:京成杯　'74:天皇賞(秋)(八大競走)、他目黒記念(秋)2着、京王杯オータムハンデキャップ3着、毎日王冠3着

• ナスノチグサ
  
  • '73:優駿牝馬(八大競走)、他ビクトリアカップ2着、サンスポ賞4歳牝馬特別2着、安田記念3着　'74:新潟記念、他七夕賞3着　'75:京王杯オータムハンデキャップ、他安田記念3着、新潟記念3着、関屋記念3着、京王杯スプリングハンデキャップ3着

• ホワイトフォンテン
  
  • '74:京王杯スプリングハンデキャップ3着　'75:日本最長距離ステークス、日本経済賞、毎日王冠　'76:アメリカジョッキークラブカップ、日本経済賞、他ダイヤモンドステークス3着

• シルバーランド
  
  • '73:愛知杯　'74:愛知杯　'75:カブトヤマ記念3着　'76:マイラーズカップ、CBC賞、他スワンステークス2着、朝日チャレンジカップ3着　'77:京阪杯、他京都記念(秋)2着

• ロッコーイチ
  
  • '74:北九州記念、他マイラーズカップ2着、小倉記念2着、朝日チャレンジカップ2着、高松宮杯3着、金鯱賞3着　'75:小倉大賞典、小倉記念、他北九州記念2着、中日新聞杯2着、高松宮杯3着、金鯱賞3着
  • 史上2頭目の小倉三冠馬^[4]

• アイズムサシ
  
  • '72:アラブ3歳ステークス　'73:アラブ王冠(春)、他読売カップ(春)2着　'74:アラブ大賞典(秋)、他アラブ王冠(秋)3着　'75:銀杯(東)2着
  • '74最優秀アラブ

• スマノダイドウ
  
  • '73:アラブダービー、他東京銀賞2着　'75:大井銀盃、他アラブスプリンターハンデキャップ2着、全日本アラブ大賞典2着
  • '83～'85・'88・'90～'92アングロアラブ・リーディングサイアー

• ポートスーダン
  
  • '73:千鳥賞、鎌倉記念、白百合賞、アラブ王冠賞、他全日本アラブ大賞典2着、アラブダービー3着、ワード賞3着　'74:全日本アラブ大賞典

• そのほかの活躍馬
  • メジロジゾウ　サンスポ阪神牝馬特別
  • キシュウローレル　阪神3歳ステークス　'72最優秀3歳牝馬
  • ゴールドイーグル　サンケイ大阪杯など
  • ホウシュウエイト　日経新春杯など
  • ハクサンホマレ　金杯(西)
  • レッドイーグル　朝日杯3歳ステークス　'72最優秀3歳牡馬
  • クリオンワード　きさらぎ賞など
  • スカイリーダ　京都記念(春)など
  • トーヨーチカラ　京都新聞杯

※当時の格付けは全てオープン競走。太字は現在のGI級競走。

海外調教馬

• アレフランス(仏)
• エインシャントタイトル(米)
• カットラス(米)
• カライェル(土)
• カラムーン(仏)
• シャム(米)
• スターアピール(愛)
• セクレタリアト(米)
• ダリア(米)
• デザートヴィクスン(米)
• テュデナム(愛)
• フォアゴー(米)
• ブレッチングリー(豪)
• ミスタープロスペクター(米)
• ラプレヴォヤンテ(加)

関連リンク

• 1973年の日本競馬 - Wikipedia

関連項目

• 競馬
• 競走馬
• 競走馬の一覧

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競走馬の世代一覧

クラシック世代別
1930年代	1923	････	1932	1933	1934	1935	1936	1937	1938	1939
1940年代	1940	1941	1942	1943	1944	1945	1946	1947	1948	1949
1950年代	1950	1951	1952	1953	1954	1955	1956	1957	1958	1959
1960年代	1960	1961	1962	1963	1964	1965	1966	1967	1968	1969
1970年代	1970	1971	1972	1973	1974	1975	1976	1977	1978	1979
1980年代	1980	1981	1982	1983	1984	1985	1986	1987	1988	1989
1990年代	1990	1991	1992	1993	1994	1995	1996	1997	1998	1999
2000年代	2000	2001	2002	2003	2004	2005	2006	2007	2008	2009
2010年代	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
2020年代	2020	2021	2022	2023	2024	2025	2026	2027	2028	2029
2030年代	2030	2031	2032	2033	2034	2035	2036	2037	2038	2039
関連項目
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脚注

1. *弥生賞から天皇賞(春)までの11戦連続。中央移籍以前を含めると17戦連続の1番人気
2. *ダービー、菊花賞を勝利した競走馬は他にクリフジがいるものの、クリフジは他にオークスを勝利してクラシック競走を3勝し、「変則三冠馬」と呼ばれている
3. *20勝。他はハクチカラ、オジュウチョウサン
4. *小倉三冠は複数年掛けて達成した場合もそう呼ばれる。歴代4頭のうち単年で達成したのは2005年のメイショウカイドウのみ