2005年クラシック世代とは、2002年に生まれ、2005年にクラシック競走を走った(3歳を迎えた)競走馬の世代のことである。
無敗のクラシック三冠を含むGⅠ7勝を挙げ、種牡馬としても不動のリーディングサイアーとして馬産界に君臨し続けたディープインパクトを代表とする「ディープ世代」。
牝馬路線では桜花賞・NHKマイルCの変則二冠馬ながら現役中に夭逝したラインクラフトと、日米オークスを制し繁殖牝馬としても大成功を収めたシーザリオが代表。
それ以外は……はっきり言って芝は層がかなり薄い。上記3頭以外の世代GⅠ馬は、2歳王者の朝日杯馬マイネルレコルト、阪神JF馬ショウナンパントルはともにその後はあまりパッとせず、秋華賞馬エアメサイアは故障で早期引退。古馬となってから伸びてきた馬も少なく、ディープ以外の古馬GⅠ馬は高松宮記念を勝ち種牡馬引退後にそっくりさんとの出会いでも話題になったスズカフェニックス、宝塚記念を逃げ切った晩成の逃げ馬エイシンデピュティ、シンガポールGⅠで2着コスモバルクと日本馬ワンツーを決めたシャドウゲイトの3頭だけである。
ほか、芝のGⅠ未勝利の有名所としては、牡馬ではディープの最大のライバルになるはずだった東の逃げ馬ストーミーカフェ、皐月賞でディープとの映画馬券を演出した「史上最強の1勝馬」(最終的には重賞含む2勝馬)シックスセンス、ダービーでディープの2番人気2着だったインティライミ、菊花賞でディープを追い詰め引退後紆余曲折あってYogibo宣伝部長となったアドマイヤジャパン、12歳まで走り続け長く長距離路線を賑わせたステイヤー「爺さん」トウカイトリック。牝馬では重賞5戦連続3着を記録したブロンズコレクターディアデラノビア、大舞台でラインクラフトに何度も泣かされたが繁殖としては孫世代で無敗三冠牝馬を送り出したデアリングハート、ダートから突然芝短距離戦線に現れた悲運の快足牝馬サンアディユなど。
ディープ以外がいささか手薄な芝に対し、この世代はダート路線が多士済々。2度の屈腱炎を乗り越えた不屈のダート王カネヒキリと、GⅠ9勝などダート馬として数々の日本記録を作ったヴァーミリアンの2頭を筆頭に、5歳になって大井から中央に移籍してきて帝王賞とかしわ記念を勝ったボンネビルレコードと、地方馬初のJBCスプリント制覇を果たし11歳まで現役で走り続けたフジノウェーブの地方組、さらにクーリンガーが大の苦手だったフェブラリーS勝ち馬サンライズバッカス、川崎記念を勝ったフィールドルージュと、長期にわたりダート重賞を席巻し続けた。
他にも2009年武蔵野Sでの迷実況でも知られるワイルドワンダー、マヤノトップガンの代表産駒メイショウトウコン、ワンダーアキュートの兄ワンダースピードなどがGⅠには惜しくも届かなかったが上記の面々らと渡り合った。短距離戦線では重賞を6勝したアグネスジェダイなど。
障害レースに目を向けると、37年ぶり史上2頭目の中山大障害の3歳制覇を達成したテイエムドラゴン、J-GI2勝ながら2008年中山大障害での逸走も印象深いマルカラスカル、中山大障害5年連続連対を果たしレースでの予後不良級の負傷から1年間生き続けた軌跡でも知られるメルシーエイタイム、マーベラスサンデーの代表産駒キングジョイがいる。この4頭で中山大障害を5連覇したり、この世代で2007年同競走の掲示板を独占したりと強い馬が多く出ていた。
芝の層が薄いのは、この世代のクラシック有力馬がディープを除き軒並み故障に悩まされたことも大きい。シーザリオ、エアメサイア、シックスセンス、アドマイヤジャパンは4歳秋を迎えることなく故障引退、インティライミも故障で3歳秋を全休、ラインクラフトに至っては前述の通り4歳夏の放牧中に急性心不全で突然死。遅咲きのサンアディユもオーシャンSでスターターの不手際で出遅れ最下位に敗れた翌日に心不全で突然死するという不幸に見舞われている。
繁殖成績については、この世代はなんと言ってもディープインパクトとシーザリオに代表される。
ディープインパクトは2012年にリーディングサイアーの座について以降、2022年まで11年間にわたりその座を堅持、産駒通算で国際GⅠ100勝を達成するなど、父サンデーサイレンスに比肩するほどの勢力を形成している。シーザリオもエピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアと3頭ものGⅠ馬を送り出しており、またエピファネイアなどは種牡馬としての活躍も見せている。
その他にもカネヒキリが川崎記念馬ミツバを、スズカフェニックスがNHKマイルC馬マイネルホウオウを送り出すなどの実績を上げている。繁殖牝馬ではクリソライト・マリアライト・クリソベリルを産んだクリソプレーズや、パンサラッサの母(本物)のミスペンバリーもこの世代。
競走名 | 2004年(2歳) | 2005年(3歳) |
---|---|---|
朝日杯フューチュリティステークス | マイネルレコルト | |
阪神ジュベナイルフィリーズ | ショウナンパントル | |
皐月賞 | ディープインパクト | |
東京優駿(日本ダービー) | ディープインパクト | |
菊花賞 | ディープインパクト | |
桜花賞 | ラインクラフト | |
優駿牝馬(オークス) | シーザリオ | |
秋華賞 | エアメサイア | |
NHKマイルカップ | ラインクラフト |
競走名 | 2005年 (3歳) |
2006年 (4歳) |
2007年 (5歳) |
2008年 (6歳) |
2009年 (7歳) |
2010年 (8歳) |
---|---|---|---|---|---|---|
中山グランドジャンプ | マルカラスカル | |||||
中山大障害 | テイエムドラゴン | マルカラスカル | メルシーエイタイム | キングジョイ | キングジョイ |
競走名 | 2004年(2歳) | 2005年(3歳) |
---|---|---|
全日本2歳優駿 | プライドキム | |
ジャパンダートダービー | カネヒキリ | |
ダービーグランプリ | カネヒキリ |
競走名 | 2005年(3歳) | 2006年(4歳) | 2007年(5歳) | 2008年(6歳) | 2009年(7歳) | 2010年(8歳) |
---|---|---|---|---|---|---|
川崎記念 | ヴァーミリアン | フィールドルージュ | カネヒキリ | ヴァーミリアン | ||
かしわ記念 | ボンネビルレコード | |||||
帝王賞 | ボンネビルレコード | ヴァーミリアン | ||||
マイルチャンピオンシップ南部杯 | ||||||
JBCスプリント | フジノウェーブ | |||||
JBCクラシック | ヴァーミリアン | ヴァーミリアン | ヴァーミリアン | |||
東京大賞典 | ヴァーミリアン | カネヒキリ |
競走名 | 2005年(3歳) | 2006年(4歳) | 2007年(5歳) | 2008年(6歳) | 2009年(7歳) |
---|---|---|---|---|---|
アメリカンオークス (American Oaks Stakes) |
シーザリオ | ||||
シンガポール航空国際インターナショナルカップ (Singapore Airlines International Cup) |
シャドウゲイト |
前世代 | 当世代 | 後世代 |
---|---|---|
2004年クラシック世代 | 2005年クラシック世代 | 2006年クラシック世代 |
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掲示板
14 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 08:51:14 ID: 1CT2VfZg2N
シックスセンスはなぁ…現役長ければなにかしら勝てたんじゃないかと思わなくもないが4歳時はほぼディープと走ることになるからチャンスが無いんだよなぁ…
15 ななしのよっしん
2024/09/14(土) 19:14:00 ID: Zf27WfKaZa
ヴァーミリアンの他界により、本世代の中央G1馬の生き残りはマイネルレコルト・エイシンデビュティ・スズカフェニックス・サンライズバッカスのみに。地方と海外遠征を入れてもフィールドルージュ・ボンネビルレコード・シャドウゲイトと…あれ?この大百科に項目がある同い年の牝馬で生存してるのがミスペンバリーだけって…。
>>13
共同通信杯後の故障のせいでディープとは神戸新聞杯でしか競り合えず敗れ、イチかバチかの菊花賞回避からの古馬戦でも連敗(しかも一つ目は天覧競馬でヘヴンリーロマンスに敗退)。多分その後G1縁が切れた事もあり一気に期待がしぼんでしまったのでは…。…同じ神戸新聞杯で敗れたヴァーミリアンがダートで大成(ダート初回のオープン戦からエイシンチャンプとマルカラスカルを倒して勝ち)したのになあ…。
16 ななしのよっしん
2024/09/17(火) 19:19:41 ID: z9akhPw7cZ
ストーミーカフェは故障離脱が痛すぎたわな
皐月賞なら上手くすれば一泡吹かせた可能性はあったかもしれない
まああんまり気性良くなくて操縦性に難があったから暴走からの轟沈かもしれないけど
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/11(月) 10:00
最終更新:2024/11/11(月) 10:00
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