ネヴァーベンド(Never Bend)は、1960年生まれの競走馬・種牡馬である。
名種牡馬Nasrullahのラストクロップであり、種牡馬としてもナスルーラ系の基軸の1頭となった。
主な勝ち鞍
1962年:サプリングステークス、カウディンステークス、シャンペンステークス
1963年:フラミンゴステークス、ヤンキーハンデキャップ
父Nasrullah、母Lalun、母父Djeddahという血統。
父ナスルーラは説明不要の大種牡馬だが、本馬が産まれる前年に19歳で急死しており、本馬が最後の世代となる。
母ラランはケンタッキーオークスなど19戦5勝、母父ジェダーはエクリプスSやチャンピオンSなど10ハロン路線を中心に走り21戦12勝で、十分良血の部類に入る血統である。
本馬は名種牡馬ターントゥなどの所有者であるハリー・フランク・グッゲンハイム大尉の生産所有馬としてウッドフォード・スティーブンス厩舎に預けられた。当時の競馬年鑑によると、気性は父ほど酷くなかったものの、後脚に湾曲があったという。
2歳6月にデビューし、デビューから2戦とも8馬身差をつける圧勝で2連勝したが、8月のサプリングSで3着に敗れて早くも連勝はストップした。続く一般競走は勝利したが、アーリントン・ワシントンフューチュリティでは半馬身差の2着だった。しかし、翌週のベルモントフューチュリティSを勝って弾みがつくと、カウディンS・シャンペンSと連勝。更に一般競走でもう1勝加えてガーデンステートSに駒を進めたが、ここでは道悪に苦労して3着だった。2歳時は10戦7勝で、この年の全米最優秀2歳牡馬となった。
3歳時は初戦のフラミンゴSを勝つと一般競走2戦を軽く勝って3連勝でケンタッキーダービーに駒を進めた。ここではアーリントン・ワシントンフューチュリティで本馬に勝った後にフロリダダービーやサンタアニタダービーを勝って未だ無敗のCandy Spotsが1番人気、ウッドメモリアルSを勝った無敗馬のNo Robberyが2番人気で、本馬はそれに続く3番人気だったが、蓋を開けると後方から追い込んだ*シャトーゲイがこの3頭を差し切って勝利し、本馬は1馬身1/4差の2着だった。雪辱を期したプリークネスSでもCandy Spotsに逃げ切られて3着に敗れ、しばしの休養に入ることとなった。
8月に復帰すると初戦の一般競走は勝ったが、続くトラヴァーズSでは6頭中6着に大敗。ハンデ戦を勝って仕切り直し、初芝のユナイテッドネイションズハンデキャップに出走したが、前年のこのレースの勝ち馬でこの年ワシントンDCインターナショナルも勝つことになる当時の芝路線のトップホース・Mongoの2着だった。
ダートに切り替えての次走ウッドワードSではKelsoに軽くひねられ3馬身半差の2着に敗れた。ケルソはジョッキークラブゴールドカップ3連覇中(最終的に5連覇)、この年も130ポンド以上を背負わされ続けてなお6連勝していたという稀代の名騸馬であり、流石に相手が悪すぎたというほかないであろう。
これ以降はシーズン終了までに芝で2戦、ダートで1戦したが、目立った成果はダートのヤンキーハンデキャップでケンタッキーダービー、プリークネスS、トラヴァーズSと三度先着されていた*シャトーゲイに一矢報いて勝利したくらいで、3回目の芝挑戦となったマンノウォーSで11頭中10着に敗れたのが最後の競馬となった。
アメリカで種牡馬入りした本馬はしばらくスタミナ能力を疑問視されていたが、1968年生まれのMill Reefが英ダービーを勝つとそんな風評は霧散。Mill Reefはその後キングジョージや凱旋門賞も勝利する大活躍を遂げて歴史的名馬という誉れを得るに至り、1歳下でフランスを中心に走りG12勝を挙げたRivermanともども種牡馬としても大活躍。Mill Reefが活躍した1971年には英愛リーディングサイアーを獲得した。
日本ではミルリーフから出た*ミルジョージや*マグニテュードが種牡馬として活躍したほか、直仔の*ブレイヴェストローマンも種牡馬として活躍。これらの馬は現在は直系こそ衰退したものの、牝系に入って活躍馬を送り出している。
こうしてナスルーラの有力後継種牡馬の1頭としての地位をしっかりと固めたネヴァーベンドは、1977年に17歳で死亡した。直系は先述の通り日本では衰退しているものの、世界的にはMill ReefやRivermanのラインが中心となって現在まで繋がっている。
Nasrullah 1940 鹿毛 |
Nearco 1935 黒鹿毛 |
Pharos | Phalaris |
Scapa Flow | |||
Nogara | Havresac | ||
Catnip | |||
Mumtaz Begum 1932 鹿毛 |
Blenheim | Blandford | |
Malva | |||
Mumtaz Mahal | The Tetrarch | ||
Lady Josephine | |||
Lalun 1952 鹿毛 FNo.19-b |
Djeddah 1945 栗毛 |
Djebel | Tourbillon |
Loika | |||
Djezima | Asterus | ||
Heldifann | |||
Be Faithful 1942 黒鹿毛 |
Bimelech | Black Toney | |
La Troienne | |||
Bloodroot | Blue Larkspur | ||
Knockaney Bridge |
ミルリーフ、ナリタタイシン、ミホノブルボン辺りが直系子孫なのでそちらへどうぞ
Never Bend 1960
|Mill Reef 1968
||*マグニテュード 1975
|||エルプス 1982
|||コガネタイフウ 1987
|||ミホノブルボン 1989
|||マサラッキ 1993
||*ミルジョージ 1975
|||イナリワン 1984
|||ジョージモナーク 1985
|||オサイチジョージ 1986
|||ロジータ 1986
|||エイシンサニー 1987
|||リンデンリリー 1988
|||ユーセイトップラン 1993
||Shirley Heights 1975
|||Slip Anchor 1982
||||User Friendly 1989
||*パドスール 1979
|||タケノベルベット 1989
||*イブンベイ 1984
||Reference Point 1984
||Doyoun 1985
|||Daylami 1994
|Riverman 1969
||Irish River 1976
|||*パラダイスクリーク 1989
||||カネツフルーヴ 1997
||||テイエムプリキュア 2003
||*ルション 1981
|||Vintage Crop 1985
||*リヴリア 1982
|||ナリタタイシン 1990
||Bahri 1992
||Triptych 1982
|*ブレイヴェストローマン 1972
||トウカイローマン 1981
||ランドヒリュウ 1982
|||ハートランドヒリュ 1996
||マックスビューティ 1984
||メイショウホムラ 1988
|||メイショウバトラー 2000
||オグリローマン 1991
|Loosen Up 1973
||Better Loosen Up 1985
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最終更新:2024/11/08(金) 22:00
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