1992年クラシック世代とは、競馬において1989年に生まれ1992年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。
短距離血統をスパルタ調教で克服し、精密なラップの逃げで前年のトウカイテイオーに続いて無敗二冠馬となった「サイボーグ」「坂路の申し子」ミホノブルボンを代表とする世代。
さらに長距離では菊花賞でそのミホノブルボンの三冠を、1993年天皇賞(春)でメジロマックイーンの3連覇を阻止して「関東の刺客」と呼ばれ、長いスランプを経て2年ぶりに1995年の天皇賞(春)を制したあと宝塚記念で非業の最期を遂げた「漆黒のステイヤー」ライスシャワー。
マイルにおいては藤沢和雄調教師に初GIを送ったマイルの名牝シンコウラブリイと、マイルで生涯無敗を誇り日本調教馬初の旧8歳でのGI勝利を挙げた「雷帝」トロットサンダー。
スプリントには今なお「日本競馬史上最強スプリンター」の座をロードカナロアと争うスプリントの開拓者サクラバクシンオーと、初めて3歳牝馬によるスプリンターズS制覇を果たした「天才少女」ニシノフラワーがいた世代。騸馬ながらジャパンカップを制し、最強の騸馬と言われたレガシーワールドもこの世代と、距離ごとに代表馬が存在する多士済々の世代である。
他、GI馬ではオークス馬アドラーブル、エリザベス女王杯馬タケノベルベットがいる。
GI未勝利馬では、牡馬には「未完の大器」「病気のデパート」と呼ばれた善戦マンのマチカネタンホイザ、天皇賞(秋)においてヤマニンゼファーとハナ差の争いを繰り広げたセキテイリュウオー、ステイヤーズステークス連覇のアイルトンシンボリ、菊花賞でミホノブルボンにハナを譲らず「三冠を妨害した」と叩かれ、その後数奇な運命を辿ったキョウエイボーガン。
牝馬にはその悲劇的な生涯で知られるサンエイサンキュー、混合重賞3勝を挙げ牡馬と渡り合ったエルカーサリバーなどがいる。
地方においては、絶望的脚部不安に苦しめられながらも圧勝に次ぐ圧勝で南関東競馬ファンを魅了した幻の最強馬ツキノイチバン、トウケイニセイの好敵手モリユウプリンス、東海地方のトミシノポルンガ、日本記録となるデビュー戦から無敗での19連勝を達成した九州(荒尾・佐賀)のチアズファンシー、高知競馬移籍後に26連勝したアングロアラブのハッコウマーチ、ばんえい競馬でキンタローの獲得賞金記録に迫った1億円馬フクイチなどがいた。
海外には、愛ダービーとキングジョージを圧勝した名馬セントジョヴァイト、アメリカとヨーロッパの両方で最優秀2歳馬に輝いた「2歳馬ながら年度代表馬」のアラジ、英愛オークスに加えヨークシャーオークスと英セントレジャーを制覇し凱旋門賞2着後にジャパンカップへ出走してくれた名牝ユーザーフレンドリー、南米・北米の芝とダートでGI9勝を挙げ2度ジャパンカップにも出走したサンドピット、ジャパンカップ2着の米GI4勝馬パラダイスクリーク、ベルモントSとBCクラシックを制し種牡馬としても活躍したエーピーインディなどがいる。
その他、極めて感覚的な部分ではあるが、裏技的馬名登録で話題になったヒシマサル、パークリージェント産駒なのにアサカリージェントではなかったアサカリジェント、最近はそうでもないが当時としては「ィ」を小書きにするのがかえって不自然な気がした96年のアングロアラブ最優秀馬ヒカサクィーン、話題の3歳馬というぐらいしか共通点はないが前述アラジと名前の似ているデビュー戦から既にタマ無しだったアラシ、あえて何とは言わないが3歳牝馬ながらウインターSに勝ったチェリーコウマン、など何となく馬名に引っかかりを感じる活躍馬が多かったような気がしないでもない。
2022年1月1日のキョウエイボーガンの死亡により、この世代の日本における重賞勝利馬は全て鬼籍に入ることとなった。
| 競走名 | 1991年(現2歳/旧3歳) | 1992年(現3歳/旧4歳) |
|---|---|---|
| 朝日杯3歳ステークス | ミホノブルボン | |
| 阪神3歳牝馬ステークス | ニシノフラワー | |
| 皐月賞 | ミホノブルボン | |
| 東京優駿(日本ダービー) | ミホノブルボン | |
| 菊花賞 | ライスシャワー | |
| 桜花賞 | ニシノフラワー | |
| 優駿牝馬(オークス) | アドラーブル | |
| エリザベス女王杯 | タケノベルベット |
| 競走名 | 1992年 (現3歳/旧4歳) |
1993年 (現4歳/旧5歳) |
1994年 (現5歳/旧6歳) |
1995年 (現6歳/旧7歳) |
1996年 (現7歳/旧8歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| 天皇賞(春) | ライスシャワー | ライスシャワー | |||
| 安田記念 | トロットサンダー | ||||
| 宝塚記念 | |||||
| 高松宮杯 | 1996年よりGI昇格 | ||||
| 天皇賞(秋) | |||||
| エリザベス女王杯 | 1996年より古馬混合 | ||||
| マイルチャンピオンシップ | シンコウラブリイ | トロットサンダー | |||
| ジャパンカップ | レガシーワールド | ||||
| スプリンターズステークス | ニシノフラワー | サクラバクシンオー | サクラバクシンオー | ||
| 有馬記念 |
| 競走名 | 1993年 (現4歳/旧5歳) |
1994年 (現5歳/旧6歳) |
1995年 (現6歳/旧7歳) |
1996年 (現7歳/旧8歳) |
1997年 (現8歳/旧9歳) |
1998年 (現9歳/旧10歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京障害特別(春) | ケイティタイガー | |||||
| 阪神障害ステークス(春) | ||||||
| 中山大障害(春) | ||||||
| 京都大障害(春) | ||||||
| 阪神障害ステークス(秋) | ||||||
| 東京障害特別(秋) | グレートリーフ | |||||
| 京都大障害(秋) | グレートリーフ | |||||
| 中山大障害(秋) | ローズムーン | ケイティタイガー |
| 競走名 | 1992年 (現3歳/旧4歳) |
1993年 (現4歳/旧5歳) |
1994年 (現5歳/旧6歳) |
1995年 (現6歳/旧7歳) |
1996年 (現7歳/旧8歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| フェブラリーハンデキャップ(~1993) フェブラリーステークス(1994~) |
チアズアトム | ||||
| 高松宮杯 | ロンシャンボーイ | マチカネタンホイザ | 1996年よりGI昇格 | ||
| シュンエイ記念 | ネオアイク | 4歳馬限定戦 | |||
| セイユウ記念 | 1996年より地方開催 | ||||
| タマツバキ記念 | ネオアイク | ネオアイク | 1996年より地方開催 | ||
| アラブ大賞典 | タケイチラッキー | タケイチラッキー | 1996年廃止 |
| 競走名 | (旧3歳) |
(旧4歳) |
(旧5歳) |
競走名 | (旧4歳) |
1993年 (旧5歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヤマニンロード | 3歳馬限定戦 | |||||
| 羽田盃 | 千鳥賞 | トチノテイオー | 4歳馬限定戦 | |||
| 東京ダービー | グレイドショウリ | 4歳馬限定戦 | アラブダービー | トチノテイオー | 4歳馬限定戦 | |
| 東京王冠賞 | グレイドショウリ | アラブ王冠賞 | タカラシルキー | |||
| ダービーグランプリ | トミシノポルンガ | 4歳馬限定戦 | 楠賞全日本アラブ優駿 | 4歳馬限定戦 | ||
| 競走名 | (旧4歳) |
(旧5歳) |
(旧6歳) |
(旧7歳) |
(旧8歳) |
(旧8歳) |
| 川崎記念 | ||||||
| かしわ記念 | ||||||
| 帝王賞 | 1997年よりGI昇格 | |||||
| 北日本マイルチャンピオンシップ南部杯 (~1994) マイルチャンピオンシップ南部杯 (1995~) |
1997年よりGI昇格 | |||||
| 東京大賞典 | ||||||
| セイユウ記念 | ||||||
| タマツバキ記念 | 1996年より地方開催 | |||||
| 全日本アラブ大賞典 | 1997年廃止 | |||||
| 全日本アラブクイーンカップ | ヒカサクイーン | ヒカサクイーン | ||||
| 競走名 | (旧5歳) |
(旧6歳) |
(旧7歳) |
(旧8歳) |
(旧9歳) |
(旧10歳) |
| 農林水産大臣賞典 | フクイチ | フクイチ | フクイチ |
| JRA賞 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1995年 (現6歳/旧7歳) |
| 最優秀3歳牡馬 | ミホノブルボン | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀3歳牝馬 | ニシノフラワー | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牡馬 | ミホノブルボン | 4歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牝馬 | ニシノフラワー | 4歳限定部門 | |||
| シンコウラブリイ | |||||
| 最優秀父内国産馬 | |||||
| 最優秀スプリンター(~1992) 最優秀短距離馬(1993~) |
ニシノフラワー | サクラバクシンオー | |||
| 最優秀ダートホース | |||||
| 最優秀障害馬 | |||||
| 最優秀アラブ | アフェクトダンサー | ||||
| 年度代表馬 | ミホノブルボン | ||||
| 特別賞 | ライスシャワー | ||||
| NARグランプリ | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1995年 (現6歳/旧7歳) |
1996年 (現7歳/旧8歳) |
1997年 (現8歳/旧9歳) |
| サラ系3歳最優秀馬 | 1994年新設 | |||||
| アラ系3歳最優秀馬 | 1994年新設 | |||||
| サラ系4歳最優秀馬 | 1994年新設 | |||||
| アラ系4歳最優秀馬 | 1994年新設 | |||||
| サラ系5歳以上最優秀馬 | 1994年新設 | トミシノポルンガ | ||||
| アラ系5歳以上最優秀馬 | 1994年新設 | ミスターホンマル | ヒカサクイーン | |||
| 年度代表馬 | 1994年統合 | |||||
| サラ系年度代表馬 | グレイドショウリ | 1994年統合 | ||||
| アラ系年度代表馬 | 1994年統合 | |||||
| ばんえい年度代表馬(~1993) ばんえい最優秀馬(1994~) |
フクイチ | フクイチ | ||||
| 前世代 | 当世代 | 後世代 |
|---|---|---|
| 1991年クラシック世代 | 1992年クラシック世代 | 1993年クラシック世代 |
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掲示板
3 ななしのよっしん
2022/01/02(日) 19:43:31 ID: Wqiq1yLfJY
エーピーインディ「(海外馬の枠があるなら)俺も仲間に入れてくれよ〜」
4 ななしのよっしん
2022/05/20(金) 11:42:40 ID: zjwjamSgjV
>>2
実を言うとオギスプレンダーという馬が存命なので
キョウエイボーガンは「この世代の最後の重賞馬」という表現が正しい
5 ななしのよっしん
2024/02/11(日) 09:12:25 ID: 6OxYR0mu00
この世代からJRAにおける90年代が始まった印象。
一つ上の世代(トウカイテイオーの世代)が旧3歳だったときは、
連勝複式馬券はまだ枠連のみで、単枠指定制度も残っていて、
朝日杯3歳Sと阪神3歳Sが牡牝混合で同日開催だったし。
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最終更新:2025/12/08(月) 11:00
最終更新:2025/12/08(月) 10:00
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