カードファイト!!ヴァンガードG NEXTとは、2016年10月2日より2017年10月1日まで放送されていたテレビ東京系アニメである。略称は「GNEXT」。
アニメ「カードファイト!!ヴァンガード」シリーズ第8期であり、第5~7期目の「カードファイト!!ヴァンガードG」の続編である。
2017年10月8日から2018年4月1日までは、本作の続編(実質上の解決編)となる第9期「カードファイト!!ヴァンガードG Z」(以下「GZ」)が放送された。なお、「GZ」が「ヴァンガードG」シリーズの最終章となり、同時にテレビ東京系をキー局に放送されたヴァンガードシリーズの最終章である。
当初の配信動画では話数リセットが入っていなかったが、後に配信動画も話数がリセットされている。
当記事では、制作体制が変更された「GNEXT」ならびに「GZ」を扱う。
放送枠は過去作と同じく、テレビ東京系とBSジャパンで日曜午前10時から放送。
ニコニコ動画での配信も、前シリーズまでと同じく毎週火曜日20時30分にニコニコ生放送[1]21時から1週間無料での配信が行われる。
「GNEXT」放送開始当初は前シリーズまでと同じく第1話のみ永久無料だったが、後に第2話と第3話も無料配信。それ以外は有料配信。GZは第1話のみ永久無料配信。なお本放送終了後も当面の間は無料、有料に関わらず動画公開を継続している。
本作の終了後は在京キー局から撤退し、TOKYO MXとBS11、及びAmebaTVで放送されることになる。詳細は「カードファイト!!ヴァンガード(2018年のアニメ)」を参照。
概要
前作「ストライドゲート編」の後、高校1年生となった新導クロノらの物語である。
「GNEXT」から、地上波アニメのヴァンガードシリーズでは初めてになる制作会社を変更。過去作品において制作を担当していたトムス・エンタテインメントに替わり、今作より劇場版ヴァンガードの実写版「3つのゲーム」の方を担当したOLMが制作を担当。
それに伴いメインスタッフが前シリーズから大幅に変更されており、シリーズ構成の吉村清子・ファイト構成の中村聡以外はすべて変更。ただし前作までの監督の梅本唯もOP絵コンテなどに関わっており、ヴァンガードGの既存BGMも使用されている。27話では初代監督の辻初樹が絵コンテを担当した。
「GZ」では監督の川崎逸郎はストーリー監修となり、新たに近藤信宏が監督を務める。
またそれとは別に、「GNEXT」以降安城トコハ役が新田恵海から相羽あいなに変更されている。
チーム・トライスリーの面々はそれぞれ新たなチームを組み、新たに開催される大会「U20(アンダートゥエンティ)チャンピオンシップ」において、3人それぞれがライバルの立ち位置となる。
同大会は「GNEXT」の物語の基軸となり、「GZ」はU20チャンピオンシップ終了後の話を描くこととなる。「GZ」では劇場版以来のチームQ4の集結など、今までの「ヴァンガード」シリーズの総決算のような描写が多い。
「GNEXT」においてはよりカードゲームと綿密な連携がとられており、アニメキャラクターのつながりを意識した「キャラブースター」が新たに発売されている。
また、「GNEXT」以降は月刊ブシロード連載の短編小説連作「惑星クレイ物語」との連携があり、双方の話が明確につながっている描写が存在する。
また、「GZ」ではあにてれの有料会員限定のコンテンツとして、過去作で行われていたオーディオコメンタリー「アイチのへや」が月2回ペースで復活する。同企画のG版となる「クロノのへや」も行われる。
登場キャラクター
各キャラクターの分類はアニメ公式サイト、ならびにヴァンガード公式サイトで発表された情報に準拠している。
単語記事のあるキャラクターの概要は太字で記載する。各記事参照。
また、本作初登場のキャラクターは斜文字で表す。
第二回U20チャンピオンシップ参戦チーム
「U20チャンピオンシップ」とは、その名の通り20歳未満=19歳以下のファイターが集まるヴァンガードの全日本大会。プロへの登竜門的な存在でもあり、非常に注目度の高い大会。
伊吹コウジ本部長による新体制となったヴァンガード普及協会が新たに打ち立てた大会であり、第一回の優勝チームは鬼丸カズミをリーダーとしたチームだった。なお第一回当時、チーム・トライスリーの面々は受験シーズンだったため、参戦できなかった。
ストライダーズ
再起したクロノが中心となって新たに結成したチームであり、クロノが勤めるカードキャピタル2号店をホームグラウンドとする。
- 新導クロノ
本作では晴見高校に進学し、カードキャピタル2号店のアルバイトを始めている。しかし親しい仲間たちの多くと離れたせいもあってか、虚脱感に苛まれる日々を送っていた。おそらくクランリーダー試験には落ちたが、ジェネレーションマスターとして彼への挑戦者は多い。
福原高校ヴァンガード部
シオンの進学先である福原高校のヴァンガード部は、かつての栄光も見る影もなく廃部の危機に瀕していた。唯一残った部長・早尾アンリと、新たに釣られた羽島リンを加えた3人で、廃部取り消しをかけてU20に挑む。
ハイメフラワーズ
とある事情により帰国したトコハと、チームを組むと約束していたクミに、ドラエン支部で下働きしていた江西サトルを加え3人で結成したチーム。
- 安城トコハ (CV:相羽あいな)
本作では唯一CVが過去作から変更となっている。
G3期最終話時点で留学。本作開始時点ではパリに在住してたが、パリでのミゲル・トルレスとの出会いを切っ掛けに、U20への出場を決意し、それ併せて帰国。
Gシリーズより髪型が変わっており、新しい衣装も紳士に人気である。
チーム・ディフライダー
第一回大会優勝経験のある鬼丸カズミを中心としたチーム。全員が右手の甲を隠している特徴がある。
昨年度の優勝チームはカズミ、ベルノの二人に加え、後述のミゲル・トルレスの三人で挑んだ「チーム・オーガ」だったが、第二回大会を目前にミゲルが交通事故で死亡。空席となった枠にサオリが入っている。
「ディフライダー」とは、惑星クレイのユニットと意志が繋がり、ユニットに身体を貸している=「ディファレント・ワールド・ライド(通称:ディフライド。クレイ側では読みは同じで時空間憑依と書く)」した存在。それ自体は地球・クレイ間の交友でしかなかったが、管理者の監視の目を断ち切り《忍竜 シラヌイ》(CV:松風雅也)は相手の意志を無視してその身に憑りつく強制ディフライドを敢行。鬼丸カズミを乗っ取り、彼を己の傀儡とした。果たして、カズミの身を乗っ取ったシラヌイの目的とは……。
- 鬼丸カズミ / 忍竜 シラヌイ (CV:松風雅也)
第一回大会優勝チームのリーダー。彼がカードキャピタル2号店を訪れたことが、虚脱感に苛まれていたクロノの歯車を再び動かすきっかけとなる。「ぬばたま」のデッキを使用しているが、結びつきが強い「シラヌイ」によって強制的にディフライドされている。なお、強制的ディフライドしたのは1話以前の話であるため、1話から登場している「鬼丸カズミ」は全て「シラヌイ」が成り代わっている状態となっている。
第二回U20チャンピオンシップのファーストステージにおいては、かつて世界を混沌に陥れた《星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン》を、チーム新ニッポンの星崎ノアに強制ディフライドさせた。
実は後述の「ギーゼの使徒」だったが、ある一件により使徒を離脱している。 - ベルノ・ファーレンハート / 崇高なる美貌 アマルーダ (CV:尾高もえみ)
カズミの以前からのチームメイトであり、海外のファッションモデル。
「ジェネシス」のデッキを使用しており、双方合意のもと「アマルーダ」がディフライドしている。 - 渕高サオリ / 炎熱猟兵 ダムジッド (CV:松元恵)
ミゲルの死亡により生まれた空席に新たに入った少年。
「かげろう」のデッキを使用しており、双方合意のもと「ダムジッド」がディフライドしていた。
チーム新ニッポン
かつてクロノの父・新導ライブや現カードキャピタル2号店店長・新田シンが結成し、日本一に輝いた幻のチームである「チームNIPPON」をリスペクトするチーム。そのため、三人のうち二人がチームNIPPONと同じクランを使用している。
しかし、U20本戦ファーストステージ中に起こった異変により、チームはバラバラになってしまう。
- 西沢アラタ (CV:堀江瞬)
純粋で真っ直ぐな少年。クロノの父である新導ライブに憧れており、デッキもライブと同じ「ガイア」軸の「たちかぜ」を使用。 - 浅田マコト (CV:青木志貴)
冷静だが根は熱い少年で、「月影の軍師」を自称する参謀格。新田シンと同じ「むらくも」を使用しており、シンに憧れている。 - 星崎ノア (CV:喜多村英梨)
一人だけチームNIPPONの使用クランではなく、「好きだから」という理由で「リンクジョーカー」を使用している。しかし、U20本戦ファーストステージ中に起きた異変により、アラタとマコトの前から姿を消してしまう・・・。担当声優から直々に「男の娘」認定をもらったことで男性と明確に判明してしまった。
ラミーラビリンスwithサーヤ
- 弓月ルーナ
- 蝶野アム
アイドルユニットコンビ「ラミーラビリンス」の二人。前期では重要キャラクターだった二人だが、その物語を乗り越え、再び大舞台に立つ。U20チャンピオンシップの宣伝も担当。 - 弥富サヤ
本作以前に「みにヴぁん」でチームを組んでいたが、まさかのチーム編成でまさかの参戦。
ヘル&ヘヴン
「G」に作品が移って以降目立った活動をしていなかった、元チームQ4の葛木カムイ。だが本作ではある事情から、大規模大会に再び出場と相成った。しかも見てる側としては両手に華。
U20大会実行委員会
- 伊吹コウジ
U20の実行委員長であり、前作最終話時点でヴァンガード普及協会の本部長に就任。彼主導でU20チャンピオンシップを開催している。「リンクジョーカー」クランリーダーでもあるが、普及協会の本部長就任に伴い、クランリーダーの後釜を探している。
クロノの裏の先導者。また、《破壊の竜神 ギーゼ》と対を成す存在である「創世神メサイア」を中心とした「リンクジョーカー」デッキを使用している。 - 安城マモル
トコハの兄にして「かげろう」クランリーダー。普段はドラゴンエンパイア支部のスタッフとして同支部を支える。
U20チャンピオンシップ実行委員会の副委員長であり、実行委員長かつ良き友人である伊吹を支えている。
《破壊の竜神 ギーゼ》とその使徒
「創世神メサイア」こと《ハーモニクス・メサイア》と対を成す《破壊の竜神 ギーゼ》を信奉し、ギーゼを復活させることで、全てを滅ぼさんとする惑星クレイのユニットたちによる集団。かつての惑星クレイでの大戦の後に地球上に封印された、ギーゼの使徒の切り札たる6枚のカード「ゼロスドラゴン」を回収し、ギーゼを復活させるための器となるヴァンガードファイターを探すため、地球のファイターの身体をディフライドによって奪い、活動している。
なお、小説「惑星クレイ物語」では「レリクスの使徒」と呼称されている。
ディフライドされているユニットの多くは、派生カードが存在することを考慮してか、「GZ」ではユニットの略称でクレジットされている。ユニット名の後に【】でクレジット時の名前を記載する。
- 星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン 【カオスブレイカー】(CV:喜多村英梨)
「G NEXT」作中から登場している、「リンクジョーカー」のユニット。
G以前には、リンクジョーカーの傀儡として操られた櫂トシキを利用する形で、かつて一度地球に降り立っていたが、先導アイチらの活躍によりその目論見は砕かれていた。
本作ではその暗躍により、ギーゼの使徒を惑星クレイから惑星E=地球に呼び込む。
「G Z」では自身の新たな姿《星輝兵 カオスブレイカー・クライシス》も使用している。 - 炎熱猟兵 ダムジッド 【ダムジッド】(CV:松元恵)
「GNEXT」作中から登場している、「かげろう」のユニット。
元々観光合法的な手段で惑星Eに訪れていたが、人間に強い憎悪を抱き、ギーゼの使徒に堕ちる。 - 百害女王 ダークフェイス・グレドーラ 【グレドーラ】(CV:田村ゆかり)
「GZ」から登場。犯罪結社「メガコロニー」の女王であり、全ての怪人や兵器の母。
ギーゼにより破壊された後の世界を支配しようと目論む。 - 威圧怪人 ダークフェイス 【ダークフェイス】(CV:浜添伸也)
使徒としては「G Z」から登場しているが、身体を奪われた被害者は「ストライドゲート編」で登場した「若水ソウスケ」。犯罪結社「メガコロニー」に属する自称“最強”の怪人。本名は「アルキデス」。
ギーゼ降臨のために若水の持つ頭脳を利用し、地球と惑星クレイを繋ぐ要塞である魂の牢獄"レリクス"を地球側に作り上げる。
同じく「ダークフェイス」名称を持つ上司「グレドーラ」もギーゼの使徒だが、基本「ダークフェイス」というとこちらを指すことになる。 - 蒼波元帥 ヴァレオス 【ヴァレオス】(CV:竹内良太)
「G Z」から登場。「アクアフォース」初代元帥であり、当初は《破壊の竜神 ギーゼ》と敵対していたのだが、何故かギーゼに与する存在となっている。とある聖剣との因縁があるらしいが……。 - 邪神司教 ガスティール 【ガスティール】(CV:小野友樹)
「G NEXT」終盤から登場。小説「惑星クレイ物語」では、アニメ登場前から既に暗躍していた。
「ダークイレギュラーズ」のユニットであり、ギーゼの使徒の首領格であり、魂の牢獄“レリクス”の支配者。
その他
- ハイメ・アルカラス
本作の序盤で、既に後述の櫂やオリビエ・ガイヤールが在籍するユーロ第一リーグに昇格。それにより出来た余暇を活かし、トコハの応援に来日。チーム名に食い込む。チーム「ハイメフラワーズ」のコーチである他、U20の解説の代打を務めた。
プロであることに加えU20の年齢制限に引っかかる年齢のため、彼自体はU20チャンピオンシップには不参加。 - ミゲル・トルレス(CV:野島裕史)
「G NEXT」より登場した青年。トコハがパリに留学し始めたばかりの頃に、ハイメから紹介されて知り合った。
少々ドジで臆病な部分もあるが、何よりヴァンガードが大好きでその実力もハイメのお墨付き。実は第一回U20チャンピオンシップの優勝チームの「チーム・オーガ」の一員で、鬼丸カズミとベルノ・ファーレンハートとはチームメイトだった。
第二回U20チャンピオンシップもチーム・オーガのメンバーと共に出場する予定だったのだが、日本に渡るその直前に、交通事故に遭って帰らぬ人となってしまう。
使用するデッキはトコハと同じ「ネオネクタール」で、「銃士」名称を中心とした構築となっている。 - 先導アイチ
ヴァンガード初代主人公。前期までは僅かな出演に留まっていたが、今期では本格的に作中に登場する。アメリカの大学に留学中であり、今までは影ながらの支援しかできなかったが、「G NEXT」では遂に現主人公であるクロノと対面。そして「G Z」では本格的に、ヴァンガードの脅威に立ち向かうことになる。 - 櫂トシキ
ユーロ第一リーグのプロファイター。彼もオフシーズンであるため、アイチの帰国に合わせてか日本に帰国。しかしそこで、自身も無関係でいられなくなる、《星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン》の暗躍を知り、オフシーズンの身を活かし世界各地を飛び回ることに。
その合間に一緒に連れて行くことになったチーム新ニッポンのアラタとマコトを鍛えている。 - 立凪ノーム(CV:杉田智和)
弟の立凪タクトの一件から、新たに立凪財閥の代表となった男。事態に過剰に干渉してしまったタクトと異なり、彼は徹底して観測者であり続ける。
その他の登場人物は「カードファイト!! ヴァンガードの登場人物一覧」を参照のこと。
スタッフ
製作総指揮・原案 | 木谷高明 |
---|---|
原作 | ブシロード |
伊藤彰(連載月刊ブシロード) | |
監督 | 川崎逸郎(GNEXT) |
近藤信宏(GZ) | |
シリーズ構成 | 吉村清子 |
ストーリー監修 | 川崎逸郎(GZ) |
カードファイト構成 | 中村聡(遊宝洞) |
中尾宗也(遊宝洞) | |
キャラクターデザイン | 磯野智 |
森本由布希(GZ) | |
中山初絵(GZ) | |
色彩設定 | 篠原愛子 |
撮影監督 | 工藤有紀 |
音響監督 | 今泉雄一 |
音楽 | 都田和志 |
山本茂 | |
アニメーション制作 | チームKOITABASHI |
ブリッジ(GZ) | |
制作 | テレビ東京 |
創通 | |
電通 | |
オー・エル・エム |
楽曲情報
OP
ED
- GNEXT
- GZ
挿入歌
関連動画
公式チャンネル
関連項目
- カードファイト!!ヴァンガードG(前シリーズ)
- カードファイト!!ヴァンガード
- カードファイト!!ヴァンガード(2018年のアニメ)
- オー・エル・エム(制作会社)
- 2016年秋アニメ(GNEXT)
- 2017年秋アニメ(GZ)
- 時空間憑依者(ディフライダー)
- ゼロスドラゴン
- 破壊の竜神 ギーゼ
- アイチのへや
- 奪われたクロノ
外部リンク
- GNEXT公式サイト - G2期~G3期と同じURLが使われている。
- GZ公式サイト
脚注
- *2017年2月14日に生放送された19話は、以前の話が間違って流れるという放送事故が発生し、同日22時に放送を仕切り直した。余談だが、それにも関わらず公式生放送終了後アンケートの最高評価が9割を超えるなど、ちょっとしたお祭りとなった。
- *一部メンバーが本作の登場人物の声優も務める。佐々木未来は岡崎クミ、橘田いずみは戸倉ミサキ役。中の人繋がりか、ED映像にミルキィホームズを意識したカットが存在する。
- *メディアミックス作品「BanG Dream!」とのタイアップ。一部メンバーが本作の登場人物の声優も務める。相羽あいなはGNEXT以降の安城トコハ、工藤晴香は弓月ルーナ役を演じる。
- *「カードファイト!!ヴァンガードG」第1期OPを挿入歌として再使用。
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