電撃!ピカチュウとは、ポケモン漫画の名を借りたエロ漫画である。
概要
「別冊コロコロコミック」及び「ハイパーコロコロ」春号にて連載されていた漫画。全4巻。作者はおのとしひろ(小野敏洋)=上連雀三平。
アニメ版ポケットモンスターをベースに描かれた作品だが、ストーリーや設定に関して独自の解釈が施されており、
ゲームやアニメに依存しない独自の世界観を作り上げている点が特徴。バトルシーンのクオリティも高い。
また、小学生向けとは思えないほどのお色気描写に定評がある。これが読者サービスなのか作者の趣味なのかは不明だが、後に大人の事情で修正されていたりする(特にカスミのプロポーションや髪の色)。
表紙裏などには毎回おまけページが存在しており、最終巻のカバーは表裏シールだった。
作者について(成人作品関連があるので反転してください)
作画を担当した「おのとしひろ」(小野敏洋)は、上連雀三平という名義でマニアックな成人コミックを描いている。自身が連載していた「バーコードファイター」の成人向けコピー誌を作ったこともあった。自画像はナゾノクサ、オムスターなど。
この「電撃!ピカチュウ」連載終了から2ヶ月後、上連雀は「電撃!ピカチュウ」の成人向けコピー誌「ムサシとコジロウのこどものつくりかた」をサンシャインクリエイションで発行している。この作品では本編最終回直後の状況が描かれており、カスミがムサシとコジロウから、こどものつくりかたに関するレクチャーを(以下、いわずもがな検閲により削除)
作品のクオリティと設定背景
インターネット上ではお色気要素だけが語られがちな本作だが、実は極めて完成度の高い少年漫画でもある。
特に世界観設定に関しては「ポケットモンスターSPECIAL」と同等の密度を誇っており(ベクトルは違うが)、
現在でもゲーム版やアニメ版で放置されたままになっている設定の問題点にも、独自の解釈を行っている。
- 義務教育の設定
- 「電撃!ピカチュウ」のポケモン世界では義務教育が存在し、現代日本と同じく中学3年生までが義務教育期間とされている。しかし、ポケモン取扱免許を取得した10歳以上の者に関しては一時的な学業免除が適用される(留学と同じ感覚なのだろう)。
もちろん無期限ではなく、免除期間が過ぎてしまったら学業に戻らなければいけないが、ポケモンリーグ出場や、リーグ入賞といった功績を残すことで免除期間は伸びるといった設定になっている。 - ポケモントレーナーの設定
- 上にも書いたとおりであるが、ポケモントレーナーになるには「ポケモン取扱免許」が必要となり、取得は10歳を満たしたものとされている。
なお取得には半日の講義を受け、午後のテストに合格すれば1日で取れるものであるため、現実で言う原付の免許よりも取得は簡単と言える。
なお、義務教育中の者に関しては上の義務教育の免除期間を適用することによってポケモントレーナーとして旅をすることが認められている。
なお作中に(おそらく)10歳以下の少女がプリンを連れている回があるが、親のポケモン、またはトレーナーとして未所有のポケモン(ボールに入れていない)であるため免許は不必要なのかもしれない。
また免許証はユビキタス端末となっていて、様々な用途に使用することができる。
詳しくは後述のポケモン取扱免許を参照。 - ポケモン取扱免許証
- カード型の端末になっていて、中にはトレーナーの情報はもちろん、所持ポケモンの情報、メール機能など様々な機能がついている。
サトシが対戦相手の情報を調べているシーンがあることや、メールを送るシーンがあるところからネットワークに接続されている端末だということがわかる。
ディスプレイはホログラムによる2次元立体映像で、操作は端末右下方にあるスティックで操作する。
また拡張機能に対応しているらしく、オーキドからもらったポケモン図鑑をこの端末で使っていた。
2巻では応急処置の方法などを見ていたが、免許証の機能なのかポケモン図鑑の機能なのかは不明。
その他ポケモンのHP、PP、状態、おぼえているわざ、モンスターボールの中のポケモンの情報もこれで確認できる。
ポケギアが生まれる数年前にこれを出しているのだからすごい。 - モンスターボールの設定
- モンスターボールは通常真ん中のボタンを押すとポケモンが飛び出すが、「電撃!ピカチュウ」のモンスターボールはボタンを押すことでサイズの変更、そしてボタン部分を押し上げることによりポケモンがボールから飛び出すようになっている。
またゲットしたポケモンはポケモンセンターで免許証を提示することによってトレーナー情報を登録する必要がある。
登録されたポケモンには「ボールマーカー」が付き(飛び出したときにボールのボタン部分がバッチのように付着する)、ボールマーカーの付着しているポケモンは他のモンスターボールでゲットできないようになっている。
また家畜や商業で利用するポケモンにもボールマーカーをつける必要があるらしい。
ボールの中身に関してはポケモン取扱免許証で確認できる。
ポケモンによってランクがあり、レアなポケモンだとA、それから下にB→C→Dと下がっていく。
漫画ではピッピがAランク、スピアーやマンキーはDランク扱いであった。
一度巨大なモンスターボールが製作され、ネットキャプチャーが強力で並みのポケモンは消滅するほどと言われた。 - ポケモンの外観、能力など
- 本作のポケモンは原作のデザインよりも、生物的な形にリファインされている。
ピカチュウなどの小型ポケモンは原作とほぼ同じデザインだが(眼球などは写実的になっている)、
大型ポケモンや、悪役として登場するポケモンなどは、怪物と呼ぶに相応しい凶悪なアレンジを施されている。
また、スピードスターが「通電した毛玉を息で吹きつけて射出する技」として描かれるなど、
原作ゲーム中では不明瞭なポケモンの技の詳細に関しても独自の描写を行っていた。 - その他の設定
- 初代の箱型技マシンの利用方法が絵で描き込んであるのはおそらくこの漫画だけである。
数字部分を押したまま半分に割り、その間にポケモンの頭を置き、技マシンを作動させる。時間にしてわずか数秒で技を教えられる模様。
なおバトルによっては戦闘中でも使用が可能であった。ちなみに使い切りである。
アニメ「ポケットモンスター」との違い
この漫画のストーリーは大体がアニメ版ポケットモンスターのストーリーを踏襲しているが、ところどころで作者のアレンジが見られる。話によると作者はオリジナルが描きたかったらしいが、編集部とのいざこざがあったとか無かったとか…。
アニメ版との大きな違いは以下のとおり。
- サトシの手持ちが違う
- サトシの手持ちにオニドリルが加わっている。このオニドリルは最終話まで手持ちにいる。
また、ヒトカゲ、フシキダネ、ゼニガメの御三家ポケモンも所有しているが、入手した経緯は定かではなく、作中欄外には『いつの間にかゲットしたポケモン達(笑)』と書かれていた。
サトシ以外のトレーナーの手持ちもところどころ違う(カスミがギャラドスを持っていたり、タケシがゴローニャを持っていたりする)。 - オーキド博士の立ち位置が違う
- マサラ出身のポケモン研究者という設定は変わっていないが、各地を回ってポケモンの研究を行うなど行動的な人物として描かれ、外見も多少若くなったりしている。サトシのポケモンを管理しているかは不明。
- カスミの髪の色、体型が違う
- 当初、カスミの髪色は黒に設定されていたが、2巻の中盤以降、アニメ版と同じ茶(オレンジ色)色に変更された。
更に、オレンジ諸島編以降は髪型が変わり、服装は毎回変わるようになった(中にはメイド服まであった)。
体型に関しても、年齢相応とは言い難い巨乳を誇っていたが、髪の色の変更と同時に貧乳化する。(涙)
この変化について作者は第二巻単行本裏で「大人の事情」と語っており、
前述のコピー本中では「実は俺の都合だったのだ」と語っているが、実際は第六話でやり過ぎたからに違いない。 - 随所のストーリー展開が違う
- 結果はアニメと同じパターンになるも、そこまでの過程が大きく異なる話が多々ある。
主なキャラクター
アニメ版と異なる点を挙げる。
- サトシ
- 年上の女性が好みらしく、シゲルのお姉さんやカスミの姉、ナツメ、ジョーイさんなどに惚れっぽくなっていた。
オレンジ諸島編ではTシャツ姿であり、ヘリタコぷーちゃん(少女漫画雑誌『ちゃお』の漫画。作者は笹木竹丸)、ラブピース(このまんがは白黒でお送りしてます)、炎(ふぁいあ)、とシャツの絵柄が変わっている。 - ピカチュウ
- アニメと異なり、突然サトシの家に侵入してテレビの電気コードをかじっていた。得意技は「でんきショック」や「10まんボルト」ではなく「電撃」というオリジナルの技だった。ウルトラカップカイリュー戦ではカイリューの口の中に入り、「かみなり」を使用した。その他、アニメ版では使用しないリフレクターやスピードスターを使用したこともあった。カスミの事が好きらしく、彼女のヌードを目撃した際にはいやらしい笑みを浮かべていた。
- カスミ
- 12歳にしては発育の良さからスタイルが良く、ハナダジム戦では危ない水着を着用したりしていた。また、第六話『タイチとイーブイ』では丈の短いタンクトップとホットパンツという超セクシールックで登場(サスペンダーの存在などからアニメ版のカスミのコスチュームをアレンジしたものであることがわかるが、あまりに過激だったためか第六話以外でその姿をさらすことはない)。臍や下乳を晒したり、甘い吐息を漏らしながら股間に手を伸ばす等のサービスシーンを乱発した挙句、ラストでは温泉での入浴シーンまで披露した(あまりの過激さに、編集者が独断でタオルを描き足している。また、海外版では自主規制が施されている)。年下の男性好きであり、サトシに仄かな恋愛感情を抱くツンデレでもある。最終回ではサトシに純潔を捧げる事すら覚悟していたが、小学生向け雑誌でそんなシーンは描写できるはずも無く、前述のコピー本でも結局未遂のままであった。なお、発育が良く描かれていたのは当初13歳の設定として描かれていたためである。
- タケシ
- アニメとは異なり大人の男性として描かれており、他のジムリーダーと対等な立場で会話している姿が見られる。アニメ版と同様、お姉さん好きであるうえに変態度が増しており、カスミに対してもセクハラ発言を行っていた。
- シゲル
- 一応サトシのライバルなのだが、作中では最終回まで一度も戦うことは無かった。サトシが「スーパーボールカップに俺は出る」と言っていたことに呆れていたが、セキエイリーグではヒロシに敗北し、リーグを去りながら「負けたら承知しないからな」とサトシの実力を認めていた(サトシ「わりい負けちゃった」3巻カバー裏より)。エピローグではサトシとシゲルで2人旅をしていた。使用するポケモンはウインディ、ギャラドスなど。
2巻のカバー裏表紙はファン必見。(注)パンツはいてます。 - タイチ
- イーブイを所有しているショタ男の子。家はかなりの豪邸。変な髪形(シャワーズ、ブースター、サンダースをあしらった髪型)の兄が3人いて、「進化教団」という居酒屋の中で開いている目の帽子を被った謎の教団に入りたがっていたが、イーブイの進化を躊躇っていた為、入団できていなかった。しかし、サトシとの共闘(というよりは、終盤以外ほぼサトシの一方的試合)により勝利し、特別入団を果たした。
カスミのエロさに好意を持っており、カスミ自身もタイチとの触れ合いの中で自身の年下好きを自覚した。 - ヒロシ
- 「レオン」という名前のピカチュウを持っているトレーナー。エピローグではサトシの旅に付き合っていた。
- サツキ
- 凄まじい巨乳を誇るシゲルのお姉さん。ゲーム版、アニメ版の設定では「ナナミ」だが、本作のエピローグで「サツキちゃん」と呼ばれている。2巻裏表紙のカバー裏では「お姉さん出番が無くて悲しい…」と泣いていた。
- オーキド博士
- なかなかランクが上がらないサトシが迷い込んだトンネルの中でピッピに助けられて出会った博士。サトシに旅の醍醐味を教えた。後に偶然サトシと再会し、ピッピの隠れ家を見つけた。ポケモンを所有しており、サンドが使用する技「じわれ」を出した。ポケモン研究者の第一人者であり、タケシとカスミからは尊敬されている。
- マサキ
- 作中ではオーキドと同行することが多く、最終回では人語をしゃべるニャースに驚いていた。なお、原作やアニメと違い関西弁では無い。
- ロケット団(ムサシ・コジロウ・ニャース)
- 本作のムサシとコジロウは終盤で恋愛関係になる。また、ムサシは例のごとく巨乳である。
ウルトラカップでカスミがサトシの部屋を訪れた際、部屋にはロケット団の一同が寝ていたというシーンが存在するが、前述のコピー誌では、全裸で寝ていた事が発覚。何故全裸だったかはお察しください。
ニャースは最終回でオーキド博士に捕まり、巨大ヤドランを見ながら「ニャーを早くほどくニャー」と言った。 - ユウジ
- ウルトラカップチャンピオン。サトシは彼に戦いを挑んだ。使用するポケモンは作中では先鋒にメタモン、大将にカイリューが登場した。
- サカキ
- ロケット団のボス。本作の彼はジムリーダーでは無いようであった。最終回に登場。ポケモンで世界征服のための作戦に「ヤドランなごみ作戦」という候補があり、ヤドランの研究員に酔っ払って許可を下したところ、遺伝子を使って巨大ヤドンを作るのに成功したが、あまりにもなごんでしまう効果が強すぎてサカキ自身もなごんでしまい、これでは悪らしくないと思ったものの、ヤドンは研究所から逃げ出してしまったため、ムサシとコジロウに捕獲を命令した。ヤドンのことを思い出しただけでも「ま、いっか」。
- 巨大ヤドン(ヤドラン)
- ロケット団の研究所から逃げ出したヤドン。その後、オーキド研究所に預けられた。なきごえ、れいとうビーム、かなしばり、ずつき、なみのりなどのわざを使いこなす。サトシとシゲルの争奪戦ではモンスターボールから出てきてヤドランに進化し、引き分けになった。
その後、マサキ達に捕まえられたと思われる。
関連動画
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