ぼくはまだ「マイナス」なんだッ!「ゼロ」に向かって行きたいッ!とは、マイナスなままの自分をゼロに進みたい叫びである。
概要
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part7スティール・ボール・ランに登場する、ジョニィ・ジョースターの台詞。
半身不随の身となり希望を失っていた元騎手の青年ジョニィは、「スティール・ボール・ラン・レース」の参加者ジャイロ・ツェペリの回転する鉄球に触れて動かなかったはずの脚が少しだけ動き、その鉄球に希望を見出してジャイロの後を追いレースに参加。後に、第23代大統領ファニー・ヴァレンタインがレースを利用して北米大陸から『聖人の遺体』を集める目的を知り、その遺体が起こす奇跡で自分の脚が動いたことで、残る全ての部位も集める事を決意した。
しかし、レース終盤のフィラデルフィア独立宣言広場にてジョニィはヴァレンタインの平行世界へ行き来するスタンド「Dirty deeds done dirt cheap(D4C)」により、身体にいくつもの銃撃を受けてしまう。なんとか下水溝に逃れ危機を脱したものの、残る全ての遺体をヴァレンタインが集めてしまった事により、ジョニィにとどめを刺すことなく独立宣言庁舎に去って行ってしまう。
ジョニィはジャイロに救出され、銃撃の負傷を「ゾンビ馬」の糸で縫ってもらうが、そのダメージは今まで以上に激しい。遺体も全てヴァレンタインの元に集まったのだから打つ手はもうない。「あきらめるのも「勇気」じゃあねーのか」と諭すが、ジョニィはジャイロの胸ぐらをつかみかかる。
銃撃を受けてる最中、ジョニィは自分の脚が動いたことをジャイロに語る。今度こそ自分の脚で立とうとジャイロに見守ってもらうが、もう少しの所で力が入らず倒れてしまう。あとほんの少しで自分の脚が動けるというのに、それを諦めなければならないという現実にジョニィは悲痛の叫びをあげる。
「生きる」とか「死ぬ」とか
誰が「正義」で 誰が「悪」だなんてどうでもいいッ!!
「遺体」が聖人だなんて事も
ぼくにはどうだっていいんだッ!!ぼくはまだ「マイナス」なんだッ!
「ゼロ」に向かって行きたいッ!「遺体」を手に入れて
自分の「マイナス」を
「ゼロ」に戻したいだけだッ!!
悔しさに地面を殴りつけるジョニィ。兄の事故死の遠因、父との確執、慢心から起こしたトラブルの末の半身不随…。自らが蒔いた種とはいえ何もかも失ってきた自分の青春に、自分の脚で立って歩きたいという最後の希望さえ奪われていく。そこには正義や悪を考えている余裕なんかすらなく、自分自身の「飢え」を満たしたいという気持ちしかない。
だから説明したッ!おそらく回せるのは「馬乗り」だけだッ(説明の詳細はここをクリック)
そんなジョニィの本心を聞いたジャイロは、馬の鞍についている「鐙」について語り出す。人類は何千年も馬と共に歴史を歩んでいたのに、ただ鞍だけに乗って血がうっ血するのに足をブラブラさせていたのだ。ようやく「鐙」が発明されたのは11世紀。『中世の騎士』が鐙から踏ん張って馬のパワーを下半身に吸収し、腰・背中・肩へと伝えて腕へと抜け武器を使う技術のために生まれたのだ。
そして、ツェペリ一族が継承する「鉄球」の技術は手首から回転させるのではなく、自然から『無限のスケール』を学び下半身から腰・肩・ヒジ・手首・指と体全体で回すパワーが無限の回転エネルギーとなるが、伝承によると馬のパワーを「鐙」から加える技術がある。この話に確実な事はなくあくまでチャンスがあるというだけで誰も見たことがない『黄金長方形』のパワー。もし馬乗りの家系であるジョニィ・ジョースターが「鐙」に両脚を踏ん張る事が出来るなら…ヴァレンタインの未知なるスタンド能力に立ち向かえるかもしれない。
その為に説明してくれたジャイロに、ジョニィは「ありがとう」と伝え、そして二人はヴァレンタインとの最後の闘いに挑む事になる。
歴代ジョジョが運命に対し、正義の道を歩み受け継いできていたのとは一線を画す「自分の「マイナス」を「ゼロ」に戻したい」という本心。新たな「ジョジョ」の人間臭さを感じる心からの叫びは、読者に大きく共感を与える名場面として読者に認識されている。
メディアミックスでは
- PS3用対戦格闘ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」では、ジョニィ・ジョースターの対戦前の演出としてこの台詞が使用されている。演出上、本編中の悲痛な叫びとは違って拳を握って闘いの意気込みのような演技となっている。なお、実質的な続編「ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン」の対戦前の演出に採用されている。
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