よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話とは、いしいさやによる漫画作品である。
概要
原形は2017年3月1日にTwitter上に投稿された8ページの漫画である。
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https://twitter.com/ishii_saya/status/836866883911626752
この漫画が注目を集めたことで、漫画雑誌『ヤングマガジンサード』の同年6月6日発売のVol.7から連載されるに至った。
コミックスは2017年12月1日に講談社から発行された。紙書籍だけでなく、Amazon・楽天ブックス・DMMなどで電子書籍も発売されている。
内容
作中において、登場人物が宗教団体の名前を述べるシーンが出てこない。しかし、16ページや91ページに「エホバの証人王国会館」と書かれた看板を掲げる建物が描かれており、さらにはエホバの証人を連想させる宗教用語が頻出する。このため本作品がエホバの証人を題材にしていることは一目瞭然である。
あとがきにて、作者の体験談をもとにしていると明かされている。
脚注を活用しつつ宗教用語を詳しく解説しており、分かりやすい。この作品を読めばエホバの証人について一通りの基礎知識を得られる。
エホバの証人について全てを否定する作品ではなく、一部ではあるが、長所も描写している。エホバの証人の信者である母親が病気で入院したときに、その家庭にエホバの証人の信者が訪れて食べものの援助をするシーンを描いており、エホバの証人が相互扶助の気運を持つ宗教団体であることを示している。
登場人物 母親
本作品には、母親が登場する。
エホバの証人の信者で、娘(作者)に対して信仰を押しつけている。娘に対して異教徒の子と遊ぶことを禁止したり、娘が異教徒の子からもらった可愛い服を着ていると「気持ち悪い」と罵倒したあげくにその服を捨てたりしている。
聖書の一節を根拠として母親が娘に体罰をするシーンが出てくるが、児童虐待そのものと言える。
エホバの証人の信者ではよくあることだが、児童である娘を引き連れて布教活動をしている。児童が布教すると訪問先の反応も柔らかくなるので、それを利用している。娘のクラスメイトの家に布教活動をすることも行っており、娘はとても恥ずかしい思いをすることになる。
娘が学校で誕生日会や七夕祭りやクリスマス会や「応援合戦の練習」に参加することを禁じたり、校歌を歌うことを禁じたり、クラス委員を決める選挙に投票することを禁じたり、鯨の肉を食べることを禁じたり、クラスのことを仲良くすることを禁じたり、恋愛することを禁じたりする。
夫(作者の父)や父親(作者の祖父)はエホバの証人を信じていない。父親(作者の祖父)が他界したときには仏教式の葬式になったが、そのときに合掌や焼香をせず、娘にも合掌や焼香をさせなかった。
薬を嫌っており、薬を飲むことよりもローヤルゼリーを飲むなどの民間療法を好む。
高校生の娘が「エホバの証人から離れたい」といったときに、「一緒に楽園に行きたかった」と涙を流している。
脱退のきっかけとなった作品
作中で主人公(作者)は、高校の図書室で、ある小説を見つけて読んでいる。その小説は宗教勧誘する女の子が出てくるもので、女の子が参加する集会が「異常」として扱われていた。そのシーンを見て、作者は「エホバの証人のことを異常と思っていた自分は間違っていなかった」と思うようになり、母親に対してエホバの証人から離れることを表明した。
この小説は『NHKにようこそ!』だったことが作者によって語られている(記事)。
作者のインタビュー記事を読んだ滝本竜彦は、オフィシャルサイトで反応をしている(リンク)。
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関連項目
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- ページ番号: 5664232
- リビジョン番号: 3083008
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