エリザベート・ブラントルシュ(Elisabeth Branctorche)とは、SNKの格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS(KOF)』シリーズの登場キャラクターである。初登場は『KOFXI』。
概要
メインストーリー第3章「アッシュ編」のヒロイン。主人公のアッシュ・クリムゾンより11歳年長の27歳で、幼少期に大火で一族の殆どを失って以来、実の姉弟のように暮らしてきた。アッシュからは「ベティ」と愛称で呼ばれている。
彼女とアッシュの一族は、古の時代にオロチ一族とは異なる西洋の地球意思に仕える「悪魔」と呼ばれる種族と戦っていた一族の末裔であり、古き伝統と使命を現代まで伝えてきた。しかしアッシュは使命を忘れたと宣い、時間移動により現代に現れた悪魔「遥けし彼の地より生ずる者」達と行動を共にしており、もしもアッシュが人類を裏切ったのなら自ら手を下すと悲壮な覚悟で戦いに臨んでいる。
代々受け継がれたブラン流格闘術と、掌から光を放つ光拳術の使い手。能力との兼ね合いか掌打を使う技が多く、『XII』以降はより顕著になっている。『XI』では乗馬鞭も使っていたが、『XII』以降は素手か蹴りに置き換わっている。
チーム毎にストーリーが展開するKOFの中にあって彼女はチームメイトとの交友が乏しく、目ぼしいファイターを自邸があるフランスに呼びつけて一方的にチームを組んでいる。高飛車で物言いがきつい所があり、常に付き従っている老執事が周囲にフォローをしている。
服装は乗馬服のアレンジで『XI』では胸元が大きく開いて谷間を見せている。『XII』ではデザインが変わって谷間が隠されてしまったが、『XIII』家庭用で隠しカラーとして『XI』デザインが復活した。
過去作の主人公である草薙京に対する八神庵、K´に対するクーラ・ダイアモンドのようなライバルのポジションだが、キャラ考案の過程でライバルよりも主人公を「導く」イメージに変更された。実際のストーリーでは独断で動くアッシュに完全に振り回されているのだが。
ストーリー
『XI』では『2003』におけるアッシュの暗躍を踏まえ、アッシュの友人でチームを組んでいた堕龍(デュオロン)、草薙京や八神庵を知る二階堂紅丸の当事者二人をフランスに呼びつけるが、村で発生した銀行強盗事件に巻き込まれた二人が人質になって様子見をしていたのを臆病者と断じ、チームの結成を破談にしようとした。それでも女好きの紅丸と冷静な堕龍は穏便に自分たちの持っている情報の価値を認めさせ、3人でKOFに出場する。
優勝後は八神庵の力を奪ったアッシュを問い詰めるが、アッシュは八咫(神楽ちづる)から奪った幻影の力でその場から逃走した。この時アッシュは罰が悪そうな顔をしており、エリザベートに真意を話せば当然止められると思っていたようだ。
『XIII』では堕龍と同じくアッシュの友人であるシェン・ウーを一方的にフランスに呼びつけ、二人を待たせた挙句に挨拶を一言で済ませたことでシェンを憤慨させる。
エンディングではアッシュの消滅を見届けた後に倒れてしまい、執事を通じてチームメイトの二人に感謝の言葉を告げた。タイムパラドックスにより歴史から消滅したアッシュの記憶は彼女からも消えているはずだったが、アッシュの遺品と思われるカチューシャを手に一人涙している。
『XIV』では自身は出場していないが、出場者の一人であるククリに依頼し、負の魂の集合体である「ウェイカム」に取り込まれたアッシュを見つけ出した。
『XV』ではアッシュを発見した見返りとしてククリに協力する約束を果たすため、復活したアッシュと共にアッシュチームを結成、初めてアッシュのチームメイトとして参戦する。
担当声優
性能
コマンドだけ見れば波動昇龍だが、飛び道具の「エタンセル」は目の前に光を出す近距離技、「クー・ド・ヴァン」は無敵時間はあるが突進からの跳ばないアッパーと性能はやや捻っている。ヒット後はそれぞれ追撃が可能で、超必殺技も絡めた連続技の爆発力は高い。
一貫して当て身技を持っているが、相手の硬直が短い当て身避けであることが多く使い所を選ぶ。
通常技はリーチが短い技が多い上に尖った部分が少なく、初心者でも扱いやすいキャラクターだが対戦で勝つには立ち回りに工夫が求められる。
- 『XI』では必殺技は3種類と最小限だが、ゲージ技はなんでも判定(特殊追撃判定)でどこからでも追撃になる「グラン・ラファール」、コマンド投げの「シエル・エトワレ」、大きな飛び道具判定を出すリーダー超必殺技の「ノーブル・ブラン」といずれも優秀。特にノーブル・ブランの汎用性が高いため、リーダーで起用されることが多い。
- 『XII』家庭用ではグラン・ラファールとシエル・エトワレが削除され、必殺投げの「エタンセル」が追加された。当て身技は前後に移動する「レヴェリー・スエテ/プリエ」、その場で攻撃を避ける「レヴェリー・ジュレ」の3種類に増えた。
- 『XIII』ではグラン・ラファールが復活しレヴェリー・スエテ/プリエが他の必殺技でキャンセルできる移動技に変更され、よりテクニカルな性能になった。
- 『XV』ではエタンセルが離れた場所に光球を停滞させる設置型飛び道具に変更され、新たな対飛び道具の技として跳ね返し技の「オロル」を習得した(見た目や性質が『XIII』のエタンセルに似ているためPVでこっちがエタンセルかと思った人もいた)。コマンド投げは無くなったものの、中距離での飛び道具対策や対空が強化され、連続技の爆発力も変わらず高い。
技名の意味
技名 | フランス語表記 | 意味 |
---|---|---|
マニエール | Manière | 流儀 |
フェイデリテ | Fidélité | 忠誠、貞節 |
フィエルラ | Fierté | 誇り、自尊心 |
アン・クー・ドゥ・ピエ | Un coup de pied | 蹴り(足による一撃) |
エタンセル | Étincelle | 輝き |
クー・ド・ヴァン | Coup De Vent | 一陣の風 |
プラティーヌ・ミラージュ | Platinum Mirage | 白金・蜃気楼 |
レヴェリー・スエテ | Rêverie-Souhaiter | 夢・希望 |
レヴェリー・プリエ | Rêverie-Prier | 夢・祈る |
レヴェリー・ジュレ(ジェレ) | Rêverie-Geler | 夢・凍結 |
ミストラル | Mistral | フランス南東部に吹く地方風 |
グラン・ラファール | Grand Rafale | 大きな突風 |
シエル・エトワレ | Ciel Étoile | 星空 |
ノーブル・ブラン | Noble Blanc | 高貴な白 |
エトワール・フィラント | Étoile Filante | 流星 |
関連動画
関連静画
関連項目
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