概要
漢字で書くと自援護。
投手が打席に立ち、ヒットを打つことをいう。
基本的に投手が打席に立つ(DH制が無い)セ・リーグでしか見られない現象・・・と思いきや、交流戦ができたため、パ・リーグの投手もジエンゴができるようになった。
ジエンゴ自体は2chプロ野球板の用語で、使い方としては加賀繁や渡辺俊介などムエンゴ(打線の援護が無いこと)に悩まされる投手に対し『ジエンゴしないから負けるんだ!』、『完封+ジエンゴによるソロホームラン(1対0)で勝てる』とネタ的に使われる用法が殆どである。
ちなみに堀内恒夫や桑田真澄などセ・リーグの名投手は総じて打撃が上手であった。勝利投手になりたければ自らヒットを打つ努力も必要ということだろうか。
なおMLBではジエンゴは必須スキルとされている。
黒田博樹に至っては『ジエンゴが下手だから勝てなくて当然』とメディアから叩かれたことがある。
ジエンゴの例
- 巨人の川崎徳次は大映スターズ戦にて8本塁打を食らい、13失点。ところが自分で3本塁打含む4安打、9打点。結局15対13で完投勝利してしまった。結果、1試合での最多被本塁打と最多打点(当時)の日本記録を作った。
- 堀内恒夫はノーヒットノーランを達成した試合で3打席連続ホームランを放っている(試合は11対0で勝利)。 本人は四打席連続ホームランが打てなくてしょげていたところで一安打も打たれていないことにチームメイトに言われて気が付いた模様。
- 1973年8月30日の阪神対中日戦で江夏豊がノーヒットノーランを達成したが、味方打線もムエンゴで業を煮やした江夏自身が11回裏に自らサヨナラホームランを放って勝利を決めた。
- 1991年5月29日の近鉄対オリックスの試合。ドン・シュルジーはリリーフで登板したが、救援失敗して延長戦へ。11回表、指名打者だった選手が守備に就いていたため打席が回ってきたシュルジーがソロホームランして勝ち越し、その裏を抑えて勝利投手に。
これはパ・リーグがDH制を導入して以降初めての投手によるホームランである。 - 2004年5月15日の中日対横浜戦。中日の先発投手である川上憲伸は、0対0で迎えた7回裏に決勝点となる2ランホームランを放った後、8・9回も横浜打線を無失点に抑え2対0で完封勝利を挙げた。
- 2004年8月17日の巨人対ヤクルト戦、工藤公康は同点で迎えた7回裏、自ら2ランホームラン(プロ初。それが41歳,23年目だったのはどちらもプロ最遅記録)を放って4対2と勝ち越し、そのまま完投勝利してプロ通算200勝を決めた。
- 松坂大輔は西武ライオンズ時代、2006年6月9日の交流戦(阪神タイガース戦)にて自身初のホームラン(2ラン)を放っている(試合は10対1で西武が勝利、松坂の打点だけでも勝利していた)。
- 2010年5月15日の横浜ベイスターズ対埼玉西武ライオンズの試合では先発投手である涌井秀章が4打数3安打4打点を挙げる(試合は12対3で西武が勝利、涌井の打点だけでも(ry)。
- 2016年4月7日、ドジャースで前田健太はメジャー初登板の第二打席でホームランを打った。メジャーで初ヒットがホームランだった日本人選手は松井稼頭央、福留孝介以来三人目。
- 2016年7月3日の日本ハム対ソフトバンク戦、大谷翔平がまさかの1番投手で出場(これは1971年の外山義明以来45年ぶり)。あろうことか第1打席、中田賢の初球をライトスタンドへ放り込みホームラン(投手の初球先頭打者ホームランは史上初)。この先頭打者ホームランがそのまま決勝点となり、大谷は8回無失点で勝利投手となった。ちなみに試合結果は2-0であるが、その試合の2得点全てが大谷である。ジエンゴどころか一人試合であった。
- 2016年10月29日の日本シリーズ第6戦である北海道日本ハムファイターズ対広島東洋カープの試合で、リリーフ登板で出場していたアンソニー・バースが2アウト満塁からセンター前へとタイムリー。阪神の助っ人外国人であるバースと同じ名前であったために「バースの再来」「バース緊急来日」、さらにはチームメイトの大谷翔平の影響もあって二刀流と話題になった。
- 2022年6月3日の西武対ヤクルト戦、先発の小川泰弘がセ・リーグの投手として初めてのホームランをレフトスタンドに放り込み投球でも8回無失点で西武打線を抑え込み勝利投手となった。先述の通り交流戦でのセ・リーグ側の投手としての初めての本塁打であった他、こちらは野手の打点すらなく小川のホームランの1点のみの1-0勝利となり一人試合として大谷以来の話題をさらった。
2013年投手打撃成績
出場16試合以上かつ16打席以上の選手で、上位10名。
打率が同じ場合は、打数の多い選手をより上位に記載。
順位 | 名前 | 所属 | 打率 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 備考 |
1 | 中田賢一 | 中日 | .250 | 24 | 6 | 0 | 2 | |
2 | 井納翔一 | DeNA | .217 | 23 | 5 | 0 | 3 | |
3 | 前田健太 | 広島 | .179 | 56 | 10 | 0 | 5 | |
4 | 石川雅規 | ヤクルト | .158 | 38 | 6 | 0 | 1 | |
5 | 野村祐輔 | 広島 | .150 | 40 | 6 | 1 | 8 | プロ初本塁打 |
6 | 能見篤史 | 阪神 | .145 | 55 | 8 | 1 | 4 | プロ初本塁打 |
7 | 三浦大輔 | DeNA | .143 | 49 | 7 | 0 | 2 | |
8 | 木谷良平 | ヤクルト | .143 | 14 | 2 | 0 | 1 | |
8 | 高崎健太郎 | DeNA | .143 | 14 | 2 | 0 | 0 | |
10 | 杉内俊哉 | 巨人 | .136 | 44 | 6 | 0 | 3 |
その他
- 山内壮馬(中日):プロ初本塁打。
- 山本昌(中日):最年長安打・最年長打点の記録を更新(48歳0ヶ月)。
- 三浦大輔(大洋→横浜→横浜DeNA):1993年の入団2年目から24年連続安打(歴代4位タイ、投手として最長)
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関連項目
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