デスマッチとは
本稿においては、1.について解説する。
概要
対戦相手と決着をつけるために用いられたり、観客にインパクトを与えたりするために行われる。「遺恨決着」の形をとって生まれたため、通常のプロレスルールでは反則とされる行為(道具を利用しての攻撃も含まれる)が許可され、ロープエスケープや場外カウントなどの通常ルールは適用されないことが一般的である。その際、「レフェリーが特に危険とみなした行為以外は許される」などのアナウンスがなされることもある。
日本での最初のデスマッチは、国際プロレスが行った金網デスマッチと言われている。
デスマッチは試合形式が特殊なもの、道具を使用するもの、敗者を制裁するものなどに分類できる。
試合形式の面からは、前述の金網デスマッチのほか、選手のリング外へのエスケープを認めず、リングを取り囲むレスラーが無理やりリングに戻す(もしくは場外で暴行を加える)ランバージャックデスマッチや、選手の手首をロープやチェーンで結ぶストラップマッチなどがある。また、遺恨決着のために組まれた、ギブアップやノックアウトによってのみ勝敗が決まる試合もこうしたデスマッチのひとつに含まれうる。
道具の面からは、大仁田厚が考案し、視覚・音響面で絶大なインパクトを誇る電流爆破デスマッチや、大日本プロレスで考案され、団体の看板ともなっている蛍光灯デスマッチなどがある。
敗者を制裁するものとしては、敗者のマスクマンの素顔を暴くマスカラ戦や、髪を丸坊主にしてしまうカベジェラ戦(掛けるものを示して「〇〇・コントラ・●●」と呼ばれる)などがある。
現在の日本プロレス界においてデスマッチが常態的に行われている団体は大日本プロレスやFREEDOMSであり、選手たちは血と汗にまみれた激闘を展開している。違いとしては、大日本は一部の例外を除き、興行におけるデスマッチを含む試合が全て10~30分一本勝負で形成されている。逆にFREEDOMSやZERO1/超花火などFMW系列は国内で浸透している60分や時間無制限1本勝負を取り入れていることが多い。
また、世界最大の団体であるWWEにおいてはヘル・イン・ア・セルと呼ばれる金網デスマッチが行われることがある。更に、DRAGONGATEでは毎年5月の愛知県体育館において金網からのエスケープを競うサバイバルマッチ(敗者は髪またはマスクを失う)が恒例となっている。
なお、実際に流血をしたり身体に傷をつけることはあっても、デスマッチという形式で死人が出たことはない。だからといって、デスマッチが危険であることに変わりはなく、ファイヤーマッチにおいて全身やけどを負ったり、蛍光灯攻撃によって肉がえぐれたりするなどの怪我を負った選手もいる。選手たちは厳しい鍛錬を積み、デスマッチを行っているのである。Please don't try this this at home.
主なデスマッチアイテム
- 椅子・テーブル・ハシゴ・・・主に折り畳み式が使われる、デスマッチの定番アイテム。これらを全て組み合わせると、「TLCデスマッチ(Table Ladder Chair の頭文字)」と呼ばれる。
- 有刺鉄線・・・ボードに貼り付ける バットや椅子に巻く リングの代わりに張る などと汎用性に富む、デスマッチの入門的なアイテムの一つ。
- 電流爆破・・・大仁田厚が考案。有刺鉄線に接触感知用の電流を流し、小型爆弾を爆破させる。視覚的な面は勿論、会場によっては反響で音響の面でのインパクトは絶大。消防法の規定で屋外で行う事が多く、屋内では火薬の量を減らして行われる。
- 金網・・・リングの四方を金網で閉じ込めて戦う。北米では、金網を若干広くした上、天井も金網で閉じる「ヘル・イン・ア・セル」などの派生型も生まれた。
- インディアン・ストラップ・・・両者の腕を革製の紐で結ぶ。他にも手錠やチェーン、カウベル付きのブルロープなどといった派生型もある。通常は相手を引きずって全コーナーにタッチしながら1周して決着する。但し大日本プロレスではその決着は認めていない為、通常の試合と同様3カウントフォールで決する。
- ファイヤー・・・火。ロープの代わりに有刺鉄線を張り、有刺鉄線に付けたたいまつに火を付ける。火傷の危険は勿論、リング内では酸欠の危険も出て来る。当然、屋外でしか開催出来ない。
- 画鋲・五寸釘・剣山・イガグリ、カキの殻などその他突起物・・・いずれも「針」という、生活で最も身近な痛みが伴う。当然、これらはリングにバラ撒いたり、ボードに貼り付けたりして使う。
- 蛍光灯・・・大日本プロレスでお馴染みのアイテム。主に廃品の業務用が使われる。直接叩く ボードに貼り付ける リングに蛍光灯を何本か敷いて相手を投げる 蛍光灯を添えてキックを放つ 寝かせた相手に蛍光灯を添えて飛び技を放つ 開催地や開催日・季節をテーマにした各種オブジェを作って最終的に破壊する など、使い方もバラエティーに富む。その代わりに蛍光灯が肝臓に刺さるなどという事故も起きており、両国国技館の様に蛍光灯などの飛散系アイテムを禁止したりと、会場規制にも左右される。
- 足場・・・建築現場に使われる足場。両脇をハシゴで支えられた足場をリング内に設置する為、リング内の動きが制限される。
- コンクリートブロック・・・塀に使われている物。当然固い。敷き詰めて相手を投げる(この場合、受け身を取った時のダメージがリング上と異なる)、背中に1個添えて、もう1個で叩き割る(この場合、耳にもダメージを喰らう)といった使い方になる。
- 食品系・・・唐辛子・ワサビ・マスタード・タバスコといった香辛料や、塩・柑橘類(レモンなど)といった、使用すると傷口に染みて痛みが倍増するアイテム。塩は大日本が両国に進出する際、蛍光灯の代替アイテムとして定着化。中でも最強はデスソース!
- 水、・・・プールやバケツ、水鉄砲などを駆使して水を大量に消費する。時折氷を投入したりする事もある。選手は勿論、観客もズブ濡れになる覚悟で見に行く必要がある。大日本で定期的に行われるポセイドンアドベンチャー、シベリアデスマッチが有名。中には木高イサミみたいに花火大会を始めるお馬鹿さんも・・・。
特殊なデスマッチ
前述のとおり、デスマッチは特殊な仕掛けを加えることにより観客に恐怖すら与える過酷な試合形式であることが多い。しかし、前述したように何も流血必至・怪我上等な試合ばかりではない。例としては、DDTにおいてEXTREME選手権を懸け特殊なデスマッチが行われていたことがある。説明するよりも、試合を見てもらった方が早いだろう。
→安全デスマッチシリーズ
関連動画
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関連項目
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