概要
「ハニー(Honey)蜂蜜、甘い」、「トラップ(Trap)罠」の「甘い罠」という意味。
もともと、スパイが対象となる人物を色仕掛けで誘惑し、弱みを掴んで脅迫などをして機密情報を得る目的で行われていた諜報活動のことで、冷戦時代のソビエト連邦や、中国などの共産圏の国々で行われていたことが多いと言われる。
例えば、妻の役が「カモ」となる男性を誘って、行為に及ぶ前もしくは事後に、夫や恋人の役が踏み込んできて因縁をつけ法外な金銭を脅し取るという「美人局(つつもたせ)」という犯罪行為も、ハニートラップの一つといえるだろう。
『ルパン3世』フリークにとって、峰不二子は容易に想像できるハニートラップの達人として認識されていると思われる。
なおハニートラップは、主に女性が男性に仕掛ける場合に使われるが、男性スパイによって対象となる女性を罠にかけたという記録もある。
政治的・国際的なハニートラップ [1]
ハニートラップはもともと共産圏で使われていたもので、チャイナでも旧ソ連から導入している。これに引っかかった役人や学者は多い。「親密な関係」を盗撮され、帰りの空港でそっと写真やビデオをお土産として手渡されれば、大抵の人間はチャイナの操り人形になってしまう。総理大臣までもが女性工作員と親密な関係となり機密を漏らしたりODA名目で金を拠出させられている、と報道されたこともあった。
チャイナの手口はまず空港での出迎えから始まるらしい。飛行機を特別の入り口に横付けし、ターゲットを通関させることなく入国させ、白バイが先導する高級車に乗せるなどの「VIP待遇」を行う。普通ならターゲットはこれで舞い上がってしまい、気が緩むだろう。女性工作員は通訳として宛てがわれたり、ホテルに足指を洗うマッサージ嬢として現れることもある。
中にはハニートラップを見抜いて容易に引っかからない場合もあるが、睡眠薬等を用いて眠らせ、彼の服を剥いで全裸でベッドの上に寝かせ、そこに美女がやってきて(検閲済み)なシーンを演出・たっぷり撮影して脅迫材料にするので問題ない。(マスコミや情報操作には絶好のネタになるため)
- 2009年には、ロンドンオリンピックのスポンサー集めのために北京を訪問していたロンドンの元・副市長が、"美人な中国人女性"と出会ってホテルの部屋に連れ帰った際、薬物を飲まされて意識を失わされ、所持していた携帯電話や資料を盗まれたという。
- 共産圏の影響下にあった東ドイツの時代には、(ロミオとジュリエットにかけて)「ロメオ」と呼ばれる男性スパイたちが、権力を持つ女性や重要情報にアクセスできる立場の女性を狙って関係を築き、西ドイツ側の内部情報を入手していたとされる。 [2]
- ロシアから中国に対して仕掛けられたハニートラップもある。宇宙工学やミサイル技術の第一人者だった男が、上海で活躍していたウクライナ出身のモデルという女性に引っかかり、重要機密文書をロシアへ流出させたとして、中国国家安全局の取り調べを受けることになったという。 [3] [4]
関連動画
政治・国際
関連静画
関連項目
関連リンク
脚注
- *「中国GDPの大嘘」髙橋洋一 2016 講談社
- *古今東西ハニートラップの歴史 (ニューズウィーク日本版 2010年12月22日(水)10時00分)
- *ロシアのハニートラップに嵌った中国人技師 - 澁谷 司 (一般社団法人日本戦略研究フォーラム2016年09月26日 12:30)
- *中国とロシアは「かつての共産国家」「対アメリカ」という点では同盟国であり友好国だが、ソ連時代では国境をめぐる戦争経験(中ソ国境紛争)があり、ロシアになってからも中国人による用地買収で地域自治体からは警戒されている。近年では中国による北極海への進出も盛んになったことで、「自分たちの庭を荒らされるのでは」と警戒感が高まっているとされ、全面的に友好であるとは言い難いようである。
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