ファロール単語

ファロール
2.6千文字の記事
  • 1
  • 0pt
掲示板へ

ファロール(Pharol)とは、C・L・ムーアスペースオペラ小説ノースウエストスミスシリーズで言及される異クトゥルフ神話に取り入れられたことで数奇な運命を辿ることになる。

概要

二つ名は、ブラック・ファロール/のファロール(ファロル)、ファロール・ザ・ブラック (Black Pharol/Pharol the Black)。

スミス相棒ヤロールは金星人で、いかがわしい信仰の魔神としてシリーズ中たびたびファロールに言及している。シリーズ第1作の『シャンロウ』(1933)で既に名前が挙がっていた。
もっとも、これに信心を示す者はもはやいないらしく、「ガッデム!」並みに軽い感じで使うことが多かったが。

々の遺々の/Dust of Gods』 (1934)[1]では、ノースウエストスミスヤロールは、の小男からファロールの遺を手に入れて欲しいと依頼を受ける。

現在小惑星帯になっている失われた惑星で信仰されていた三のうちで最も強大な存在であったファロールは、体を失い去った後にもその名残であるを残していった。それを使ってをよみがえらせた者には全知全が与えられるというのだが…

この作品では、残りの2、セーグ/サイグ(Saig)とルサ(Lsa)についても言及される。 しかし、火星殿跡で々の玉座にたどり着いたスミス達は、これら2文字通り一つ残さず消え去っていることに気づくのだった。

のちにムーア結婚することになるヘンリーカットナー[2]は、クトゥルフ神話小説ハイドラヒュドラHydra』(1939)にてのファロル/ブラック・ファロールの名に言及した。

この時点のファロールには詳しい情報はない(小男も本来の姿は知らないと自分で言っていた)。
かつての[3]そのものとして顕現していたこと、その殿は、狂気をもたらす生きたの番人達に守護されていることだけがられた。

発展と変貌

リンカーターは、『シャッガイ/Shaggai』(1971)で、クトゥルフ神話世界によりふさわしい姿へとファロールの「リメイク」を行った。こんなどうでもいいからシャンロウ神話世界に輸入してくれ…
魔術師エイボンが「度のあるこの宇宙よりか彼方にある宇宙の深淵」…ティンダロスの猟犬「その設定、逆じゃね?」…より召喚した魔神という設定で、のたくるのような腕と牙を備えた、巨大な怪物の姿をとっていた。大変強情な性格で、拷問系の魔術でいくら脅しつけられても最初に述べたこと以上の追加情報を決して出そうとしなかった。

クトゥルフ神話カルトブック エイボンの書』(原書2001)に再録された際には、リチャード・L・ティアニーの『ファロールの召喚/The Summoning of Pharol』が書き下ろされた。ここではファロールが単眼で、炎をっているという追加情報が示された。
炎の魔物という点では、クラーク・アシュトン・スミスの『アヴェロワーニュの』に登場したエイボン指輪に封じられた魔物からを受けているのかもしれない[4]

クトゥルフ神話TRPGクリーチャー図鑑『マレウスモンストロルム』(原書2006)では、この炎の特徴が更に強調されており、この旧支配者が歩いた場所は焦げてくなり、触れた可燃物は発火する。燃え移ったものはともかく、ファロール本体を包む炎を消す方法はない。また、6本もの腕…というか触腕を持っているのも特筆もの。
人間を生きながら焼きにして生贄にげる教団の設定が作られたのもこの時である。

バージョンである第7版に対応した『新クトゥルフ神話TRPGレウスモンストロルム Vol.2 格編』(原書2020)での旅人(Dark Traveler)ファロールは、々の世界とは別の次元の住人で、旧き神の封印に束縛されていないと追加設定された。先に述べたカルト教団にはめて教団名が設定されたが、どうやらファロールご本尊の召喚がまともに成功しないらしい。この体たらくでは彼らのお先はっ暗である。

ブラウザゲーム神姫PROJECT』でイラスト集の書籍付録として登場した神姫ファロールは、属性銃使いで、バースト攻撃にはムーア小説に直接関係する用が使われている。
なお、原作小説主人公ノースウエストスミス武器は熱線

これだけ設定を弄くり回されてもブラックという属性を維持し続けているのは、かえって凄い事ではないだろうか?

の小男「ついにファロールをここに甦らせたぞ! さぁ、々を滅ぼす方法を私に教えるのだ!」

ファロール「それはピラミッドに棲むものに問うがよい」

小男「えぇ~… (´・ω・`)

関連商品

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *『~遺』が論創社版、『~』がハヤカワ文庫。どちらも仁賀雄訳
    創元SF文庫訳も『~』としている
  2. *中村融は両作家の短編集にそれぞれ巻末解説を書いており、「ミスター」C・L・ムーアファンレターを送ったカットナーが「ミスキャサリンムーア」から返事が来て仰したというエピソード紹介している(『大宇宙の魔女(新訳)』exit_nicoichiba『ロボットには尻尾がない』exit_nicoichibaに収録)。
    二人の仲の進展には実はラヴクラフトも関わっている。S. T. ヨシによればexit_nicoichibaラヴクラフトカットナーに「この写真同封しとくから後でムーアさんに渡しといて」という手紙1936年に送っているのだ。縁結びのキューピットにして職人ラヴクラフト!
  3. *旧訳ではねじれた人間のような形だと書かれていたが、による2021年の新訳によれば、これはファロールを信仰していた往古の異人の姿なのだそうだ。そのものは直視できず姿は不明
  4. *これはウィアード・テールズに掲載された短縮版での設定で、 オリジナルにあたる初稿版ではこの魔物は直接姿を現すことはない。『ナイトランド魔術師の帝国《3 アヴェロワーニュ篇》exit_nicoichiba』に掲載されているのが初稿版で、『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』と『イルーニュの巨人』に掲載されたのが短縮版である。

【スポンサーリンク】

  • 1
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

ニコニ広告 (単) 記事と一緒に動画もおすすめ!
提供: cordoba
もっと見る

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

ファロール

まだ掲示板に書き込みがありません…以下のようなことを書き込んでもらえると嬉しいでーす!

  • 記事を編集した人の応援(応援されると喜びます)
  • 記事に追加して欲しい動画・商品・記述についての情報提供(具体的だと嬉しいです)
  • ファロールについての雑談(ダラダラとゆるい感じで)

書き込みを行うには、ニコニコのアカウントが必要です!