ファン・ディアスとは、キャプテン翼の登場人物である。
アルゼンチンの天才選手で、モデルはディエゴ・マラドーナ。
「アルゼンチンの至宝」、また「マラドーナ2世」とも称される事があり、アルゼンチン代表監督になったマラドーナの下でプレーしたり、現役時代のマラドーナを彷彿とさせる活躍をたびたび見せる。
概要
貧しい家庭の8人兄弟の末っ子として生まれ、サッカーボール(の代わりになる物なら何でも)を友達として育つ。幼い頃からの親友アラン・パスカルを相棒にしており、共にアルゼンチン代表に選ばれるまでに成長する。そのコンビネーションは翼・岬と同じく「ゴールデンコンビ」と称される。ただ、ディアスの全力のプレーにはパスカルは着いてこられない。
自他共に認める天才であり、「俺は天才ファン・ディアスだ!」が決め台詞。
特にゲームでは必殺シュートの前に叫んで「これを言い出したら失点確実」となるか、もしくはシュートを決められた後に言われてプレイヤーに追い打ちを掛ける事になっている。
同時期のジャンプ漫画のキャラなのに「俺は天才だ!」とはえらい違いである。
ジュニアユース編
アルゼンチン代表として全日本と対戦。アルゼンチンはディアス一人のワンマンチームで、ドリブルで8人抜きを決めてゴールや、高いパスに対して側転・バック転で勢いを付けてのオーバーヘッドキックなど、凄まじい運動能力を見せつける。翼と同じくドライブシュートも使用できる。
「タイガーショット」「ファイヤーショット」「キャノンシュート」などの漫画ならではの超威力のシュートは持たないが、天才的なテクニックはそれらの超人シューターたちを上回る実力。
試合開始後あっという間に3点を叩き出し、一方的なリードを奪う。
しかし翼たちが食い下がり始めると焦りも見せるようになり、そこをチームメイトの奮起と激励で支えられるという一幕もある。
最終的には全日本に敗れる事になるが、その高い評価は落ちる事は無い。
特に、松山がディアスに一騎討ちで勝った事は、松山にとって大きな誉れになる戦歴であろう。
ワールドユース編以降
ワールドユースでは、アルゼンチンはドイツと対戦した。シュナイダー対ディアスという黄金カードにファンの期待は大いに盛り上がったのだが、なにしろ打ち切り漫画なので何の描写も無く敗退。おまけにこの試合、後でシュナイダーとミューラーは不出場、ディアスは故障中だったという残念な後付けが為された。
読み切りで日本と練習試合を行い、またも6人抜きドリブルを決めてゴールを奪う。
オリンピックでは、後付け設定の負傷を完治して参戦。全日本との試合では、この時期の漫画には珍しく好勝負を演じている。マラドーナが見せた「神の手」ゴールも披露した。
決勝トーナメントではブラジルと対戦し、また何の描写も無く敗退。
取って付けたようにハットトリックを決めたとだけ言及されている。しかしサンターナとナトゥレーザにハットトリックをやり返されて負けたとのこと。
……と言うわけで惨敗という描かれ方をしているのだが、
・ブラジルに6点取られるほど試合自体は圧倒されていて
・ブラジル側の中盤にはサンターナ、ナトゥレーザ、リバウールとボスクラスの強豪が三人もいて(アルゼンチンにはディアスしかいない。パスカルでは立ち向かえないだろう)
・ブラジル側のゴール前にはアルベルト、カーザ・グランデ、ラドゥンガと言った優秀なDFが多数おり(アルゼンチンにはガルバン一人だけ)
・ブラジルには凋落著しいが天才GKサリナスがいて(アルゼンチンのガルトーニ君は凡人なので大量失点でも仕方ない)
この戦力差でハットトリックを決めたのは超人的な活躍だったと言える。
決して「サンターナ、ナトゥレーザ、ディアスの個々の活躍は互角だったが、人数差のためにそのまま得点の差となって現れ……」という内容では無いはずだ。
テクモ版
全シリーズを通して強敵として現れる。
初代では翼と同じドライブシュートを使う。また、ダイビングヘッドとオーバーヘッドキックも使用でき、地上でも浮き球でも必殺技を使える万能選手であった。
2ではドライブシュート、前転シュート、オーバーヘッドキックとあらゆる局面から必殺シュートを繰り出せる。アルゼンチンユースにも新戦力が加わっており、ディアスの必殺シュートをなんとかパンチングで防いだと思ったら、次の瞬間「サトルステギ君、高いボールに動きを合わせる!」と表示される画面に絶望するのがお約束。
また、「よし、行くぞ!」の台詞と共にドリブル性能が大幅に向上、移動速度が二倍になるという特殊能力「天才の証明」を使う。
3では、翼が負傷のため欠場したままアルゼンチンと戦う事になる。原作さながらの動きで全日本守備陣を次々に抜き去り前転シュートを放つイベントがあり、これを見た翼は新必殺技ネオサイクロンを編み出すきっかけにする。
なぜかオーバーヘッドキックを失っており、側転バク転バク宙オーバーヘッドの搭載もされなかった。
また、3でのアルゼンチン戦は専用BGMを持つようになった。非常にかっこいい名曲である。
ここまで超人的な必殺シュートを持たなかったディアスだったが、4では翼の必殺技サイクロン、ネオサイクロンを修得。さらにオーバーヘッドキックで繰り出す「バク宙サイクロン」を開発し、翼を超える必殺技を編み出した。
いつも他人の技をパクってきた翼が初めて「自分が苦労して開発した技を他人に使われる」という事態に直面してショックを受け、ロベルトに「互いの技を研究する事で自分の力を高めていくのはプロとして当然の事」と諭される場面がある。
また、展開によっては翼に勝利して喜ぶことも(試合に負けたら勝つまで再戦し続けるのではなく、負けたままシナリオが進む)。
今度もオーバーヘッドキックは忘れたまま。サイクロンを修得したので全局面で必殺シュートを撃てるという個性は戻って来たが……。
5では、「前年コパ・アメリカでブラジルを破って優勝した」という設定が追加され、サンターナ編のシナリオボスとして登場。チームメイトの反乱のため戦力のほとんどを失ったサンターナは苦しい戦いを強いられる。
ここでボスとして登場するためか、ほとんどの原作主要キャラに用意された個人シナリオがディアスだけ無い。岬、若林、日向、松山、シュナイダー、ミューラー、ピエール、ナポレオン、ヘルナンデス、サンターナに個人シナリオがあり、ディアスにだけ無いのは寂しい。
全日本の対戦相手としては、ラスボスチーム「カンピオーネ」の直前、ドイツの後に戦うという待遇になったが、「天才の証明」、ネオサイクロン、バク宙サイクロンが消えており、ディアス自身は前作から弱体化している。オーバーヘッドキックは復活した。
こうして全作を通じてかなりの強敵であったが、ラスボスとして現れる事は無かった。
関連項目
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