俺はライバルの頭を直接ぶっ叩くことで……
勝ち上がってきた男だぁ!
ヴィム・ジェタークとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物である。
cv:金尾哲夫
概要
軍事企業ベネリットグループ内のトップ企業「御三家」を構成する1社、ジェターク・ヘビー・マシーナリー社のCEO。一族経営の同社を剛腕でまとめる野心家。
前日譚『PROLOGUE』ではまだ健在だった父親の付き人として、MS開発評議会に出席していた。
グエル・ジェタークとラウダ・ニールの父。妻(グエルの母)と妾(ラウダの母)には、どういうわけか2人揃って離婚&縁切りされており、男手一つで兄弟を育てている。
やや中年太りが始まった恰幅の良い中年男性。劇中ではジェターク社の制服スーツを常に着用しているが、回想シーンでは普通の背広を肩に羽織る姿も見せていた。この癖はグエルに受け継がれる。因みにヴィムに似ているのはグエルの方である。
人物
私人として
今回の決闘は俺の方で無効にしてやる!
これ以上恥をかかせるな!
妻たちに出て行かれた原因は明かされていないが、本編の言動を見るに、その苛烈かつ激情家な姿勢が仇となったものと思われる。
端的に言うなら「昭和のクソ親父」。本人なりに息子たちを愛しており、将来も考えてやっているものの、強権的&独善的な振る舞いに終始し、子供を潰してしまうタイプの親。家族よりも社の将来を露骨に優先するため、平気で理不尽な罰を与えたり、子の意向を最初から聞きもしないでレールを敷いてしまう。
おかげで、本編開始直後のグエルは天狗になって父の行いを縮小再生産する小暴君と化しており、ラウダは父に従順に従うイエスマンも同然の状態になっていた。その後もグエルにかわらず接し続けた結果、彼の反発・家出を招き、事態をどんどん悪化させていく。
ただ、息子たちをスパルタ教育で後継者に育てようとする心意気は確かであり、理不尽な叱責の内容も一会社の長としては納得のいく範疇ではある。加えて、デリング・レンブランが娘を自分の道具のように扱っていたり、プロスペラ・マーキュリーに至っては娘に洗脳教育を施しているようにしか見えなかったりと、本作の他の親キャラがどいつもこいつもロクでもない連中だったため、ヴィムが(相対的に)一番マシということで視聴者から再評価される事態も発生した。
実際、グエルもラウダも父親のことを、親としては確かに愛していた。ヴィムはグエルとラウダで扱いを変えることはなく、親としての最低限(ほんとに最低限)の責任は果たしていたのである。
ヴィム当人の行動原理としては、ジェターク一族の血統と伝統への拘りが大きなウェイトを占めているものと思われる。実際、軍人上がりの上司デリングを嫌悪していたり、スペーシアンの辺境居住者をあからさまに下に見ていたり、シャディク・ゼネリを「養子は大変だな」とナチュラルに煽ったりと、相手の出自に関する問題行動を多々やらかしている。
仕事人として
「ガサツな男だ。ジェタークごときにそんな大それたことは果たせまい」
――サリウス・ゼネリ
「内輪での派閥争い。謀略。それしか頭にないつくづく『浅い』男だったよ」
――シャディク・ゼネリ
ヴィムを語る上で彼が「実力行使大好きおじさん」であることは外せない。学園ものとして始まった本作において、第1話からいきなり自グループ総裁の暗殺未遂を起こし(グエルがホルダー=ミオリネの婚約者である内に抹殺し、次期総裁の座をグエルに確定させるため)、第7話ではラウダに命じてプロスペラを複数の男たちで囲んでから取引を持ち掛けたり(一度提供されたにも関わらず、GUND開発データを更にせびろうとした)、第10話ではまたもやデリング暗殺をサリウスに持ち掛けたり、あまつさえ自らMSで出撃するなど、その暴挙は枚挙にいとまがない。
だが、仕事柄接する機会の多いゼネリ親子からボロカスに言われている通り、どうにも自社の製品やスタッフ、そして自らの力量を過信する傾向があり、行動そのものも近視眼的に終始しがち。上記の行動は結果がまるで伴っておらず、特に第7話では御三家で一社だけ抜け駆けを図ろうとして失敗し、逆に恥をかいてラウダ共々「ぐぬぬ」となることすらあった。
関連静画
関連項目
- 2
- 0pt