GUNDとは、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する架空の技術である。
その他の用法については、記事「ガンド」を参照。
概要
GUNDとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の時代A.S.(アド・ステラ)において、人体の機械化と新発見された鉱物元素パーメットを人体に流入させる事で、人間の身体欠損を治す医療技術または身体機能を補う身体拡張技術の事である。原理として考えられるのは、パーメットが各元素で情報を共有する性質を持つことが挙げられており、その性質を利用した技術。
新しい医療テクノロジーであるGUNDは、宇宙環境で生じる身体機能障害の補助を目的として、研究組織「ヴァナディース機関」が開発した。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』における、ニュース番組INN(INTERPLANETARY NEWS NETWORK)の報道によれば、その身体機能障害とは、骨粗鬆症、微小重力筋萎縮、空間能力障害、宇宙生活関連神経眼症候群、平衡擾乱、宇宙線による健康被害などである。
このGUNDと呼ばれる高度な身体拡張技術は、欠損した四肢や感覚器官を機械で補う義手や義足、義眼といったものから、脊髄の損傷でさえも機械で補ってしまうほどで、宇宙に進出する基盤になると考えられている。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』では、ニュース番組INN(INTERPLANETARY NEWS NETWORK)にて、脊髄を機械に置換した被験者や額にヘッドセットを付けてモビルスーツ大の腕部を遠隔操作する被験者などが報道された。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』では、主人公エリクト・サマヤの母親エルノラ・サマヤは子供時代に既に右腕をGUNDにしており、彼女曰く「この技術が無かったら自分は生きていない」。また、エルノラのGUNDは、劇中で原因は明かされていないが、すぐに止まってしまう特徴があり、停止した際にはバッテリーのようなものを交換する事で再びGUNDを使用可能にしていた。
適用部位
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』において、ニュース番組INN(INTERPLANETARY NEWS NETWORK)で紹介されたGUNDの適用部位は、頭部を除いた首から下の部分、脊髄のような生命維持に必要な臓器、血管、骨などほぼ人間のあらゆる部位が機械で置換する事が可能になっている事が描写された。
『PROLOGUE』のエンディングでは、機械製の心臓や神経系まで登場した。
月刊ガンダムエース2022年11月号で行われた、岡本拓也プロデューサーインタビューによれば、GUNDは視覚や聴覚といった感覚機能も補う事が可能であり、『PROLOGUE』に登場したカルド・ナボ博士も左目がGUNDによる義眼になっており、頭部に装着されたヘッドギア型のGUNDの補助装置を併用する事で身体機能を補っているのだという。
GUNDの歴史
GUNDの社会への浸透
医療技術であるGUNDは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚『PROLOGUE』のエンディングにて、生身の肉体で踊るバレエダンサーに混じって左脚をGUNDにした者や、街中でスマートフォンを手にしながら歩く片腕をGUNDにした通行人、左腕をGUNDにした花嫁など、既にGUNDが社会に浸透し切っている事が明示されている。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイトでは、ペイル・テクノロジーズの合議制CEOであるニューゲン、カル、ネボラ、ゴルネリの4人が首元をGUNDによって機械に置換しているのが見て取れるなど、あの世界の上流階級に位置する人間にも、この身体拡張技術は広まっているようである。
ただし、ヴァナディース機関襲撃の時期を境に、GUND-ARMの暗い印象から機関が提唱していたGUND医療の流れはいったん途絶えていたことが示唆。幾数年後に立ちあがった企業「GUND-ARM Inc.」が、これを引き継ぐ形で運用する。作中では、試験用として背面用部に接触させる端末を介して駆動させる荷台型義足の実験が行われた。これは下肢断裂ではなく単なる半身不随でも義足の上に乗る形でも利用できる利点を持つ。
オックス社からのGUND開発元への資金援助
何事も資金が無ければ技術の研究、開発の継続は不可能である。GUNDも例外ではない。
月刊ガンダムエース2022年11月号で行われた、岡本拓也プロデューサーインタビューによれば、GUNDの開発元であるヴァナディース機関はスポンサードが無かったら研究を続けられていなかったと言う。そこで、ヴァナディース機関に手を差し伸べたのは、地球の企業であるオックス・アース・コーポレーションであった。オックス社が資金援助を行う代わりに、ヴァナディース機関はGUNDの技術提供を行うという契約を結んだのだった。
GUNDの軍事技術への転用
オックス・アース・コーポレーションの資金援助によって、GUNDの研究を続行する事が出来たヴァナディース機関だったが、オックス社の要請により、彼らはGUNDを18mサイズの機動兵器モビルスーツのシステムへと軍事転用する事となった。
GUNDフォーマットの誕生である。
関連機体
- ガンダム・ルブリスLF-03
- GUNDフォーマットを搭載した試作モビルスーツ。GUND-ARMである。開発に携わったカルド・ナボ博士はこの機体を指し「こんな兵器」と言うなど心中複雑なようだが、ルブリスLF-03はGUNDの未来であり、人類の可能性を切り開く新たな扉であるという。ガンダム・ルブリス 量産試作モデルLF-01とLF-02とは別格の扱いを受けていた。
関連キャラクター
- カルド・ナボ
- GUNDを開発したヴァナディース機関の代表を務める研究者で、GUNDを軍事転用したモビルスーツシステム「GUNDフォーマット」理論の第一人者である。研究員達の尊敬を集めるだけでなく、オックス・アース・コーポレーションからの出向社員であるナディム・サマヤが、カルドの事をばあば扱いした娘エルノラ・サマヤを窘めて畏れ多いと言うほどに、人格的に評価されている。
関連項目
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