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北信愛（きた・のぶちか 1523 ～ 1613）とは、陸奥の戦国武将である。南部家臣。
概要
南部一門・北氏の生まれ。剣吉城主。南部晴政死後の家督争いで南部信直の擁立に尽力し、以後彼の側近として重きを成した。花巻城代を務め、1600年の関ヶ原の戦いのドサクサ紛れに伊達政宗が一揆を扇動した際には、寡兵ながらも防衛に成功した。
あまり意識されない事も多いが、かなり遅咲きの高性能じいちゃんである。
生涯
北致愛の子。父・致愛は南部氏21代当主・南部信義の一人息子なのだが、信義の死後に生まれたために家督継承の権利を奪われて、母方の北家を継いだという経緯の持ち主。故に、南部晴政とは「はとこ」の関係に当たる。
父は1540年ごろ隠居しており、南部一門の一人として働いていたと思われるのだが、その前半生の記録は少なく不明瞭。史料によっては津軽地方の大光寺城主・大光寺政景と同一視されていることもある。この説に則ると、父に代わって剣吉城主になったためか、息子・大光寺正親（北正愛、光親(光愛)とも）に早くに大光寺城を譲っているが、正親は若くして亡くなり、南部家臣の滝本重行が城代を務めていたとされる。
大光寺南部氏は石川氏・大浦氏と並んで南部一族の津軽統治を担当する三大勢力のひとつであり、のちのち石川信直と結託するのもそういった背景があったのかもしれない。
石川信直の擁立
1570年、南部晴政に実子・南部晴継が生まれた事で、それまで後継者とされてきた婿養子・南部信直（石川信直）との関係が険悪化する事態が発生する。翌年、大浦為信（津軽為信）が反乱を起こして信直の父・石川高信を殺害、石川氏が統治していた津軽を切り取っていくが、晴政はこれに有効な手をうてなかった（うたなかった？）。むしろ一族内での石川氏の力を削ごうとしていたとも言われる。前述の大光寺城も攻め落とされており、大光寺一族や滝本も南部地方へ逃れている。そんな中、1576年に信直の妻（晴政の娘）が死去した事で、いよいよ身の危険を感じた信直は出奔する。
この時、八戸政栄や南長義とともに、信直を保護する存在としてようやく北信愛は本格的に表舞台に登場する。この時既に54歳。翌1577年、南部晴継の元服の烏帽子親を務めている辺りからしても、既に相当の重臣であったことはうかがえる。
1582年、晴政と晴継が立て続けに死去した事で家督争いが発生するも、信愛の入念な根回しにより信直が新当主に就任した。以降は信直の側近として外交活動などに活躍する事になる。
花巻城の戦い
1599年に信直が死去した際に出家して「松斎」（しょうさい）と号する。この頃は花巻城代を務めている。元々は次男の北秀愛が務めていたのだが、先だって死去したために息子の後を継いだ。この頃には既に目を患い、視力を失っていたともいう。
翌1600年、関ヶ原の戦い・慶長出羽合戦に南部軍が出陣している隙を突く形で、かつて花巻周辺を領していた和賀氏の末裔・和賀忠親率いる一揆が伊達政宗の扇動によって蜂起。花巻城に夜襲を仕掛けてきた。1000人近い一揆勢に対し、花巻城にはわずか十数人の家臣しかいないという状況（政宗は同じ東軍、本来は味方のはずなので…）だったが、当時78歳の信愛は城下の民衆・女子供・老人までフル動員して決死の防衛戦に挑む。
残るは本丸のみという状況にまで追い詰められるが、所詮相手は烏合の衆。ひたすら鉄砲で空砲を撃ちまくる事で守兵が大勢いるかのように見せかける、などの老練な大芝居をうって時間を稼ぐことに成功した。こうして翌朝には援軍が到着し、一揆勢は撤退する。
こうして南部家盛岡藩の礎をがっちりと固めた後、1613年に死去。享年91歳の長寿だった。が、この直後の大坂の陣では養子・北信景（北直吉）が出奔して豊臣方に与するトラブルも発生している。五男・北直継が跡を継いで、以降は盛岡藩の家老として代々続いた。1818年以降は藩主の許しにより南部姓を名乗る。
ゲームなど
「きたのぶあい」とか「ほくしんあい」とか誤読されることに定評がある。戦極姫シリーズでは実際に「北信 愛」という女性武将として登場する。お約束というやつである。
信長の野望
天翔記の頃は南部一門扱いだったのだが、最近は別血筋扱い。政治を中心としたバランスの良い能力と高い義理、そして長寿命の持ち主。足りない部分の穴埋め役として使いやすい万能武将。
| 軍事能力 | 内政能力 | |||||||||||||
| 戦国群雄伝(S1) | 戦闘 | － | 政治 | － | 魅力 | － | 野望 | － | ||||||
| 武将風雲録(S1) | 戦闘 | － | － | 政治 | － | 魅力 | － | 野望 | － | 教養 | － | |||
| 覇王伝 | 采配 | 75 | 戦闘 | 68 | 智謀 | 64 | 政治 | 72 | 野望 | 72 | ||||
| 天翔記 | 戦才 | 140(B) | 智才 | 132(B) | 政才 | 150(B) | 魅力 | 71 | 野望 | 71 | ||||
| 将星録 | 戦闘 | 67 | 智謀 | 71 | 政治 | 72 | ||||||||
| 烈風伝 | 采配 | 60 | 戦闘 | 55 | 智謀 | 64 | 政治 | 71 | ||||||
| 嵐世記 | 采配 | 66 | 智謀 | 58 | 政治 | 75 | 野望 | 66 | ||||||
| 蒼天録 | 統率 | 66 | 知略 | 60 | 政治 | 73 | ||||||||
| 天下創世 | 統率 | 68 | 知略 | 64 | 政治 | 75 | 教養 | 71 | ||||||
| 革新 | 統率 | 76 | 武勇 | 55 | 知略 | 69 | 政治 | 82 | ||||||
| 天道 | 統率 | 78 | 武勇 | 55 | 知略 | 69 | 政治 | 82 | ||||||
| 創造 | 統率 | 77 | 武勇 | 58 | 知略 | 67 | 政治 | 78 | ||||||
関連項目
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