北斗とは、国鉄からJR北海道にかけて運行されている列車名である。
概要
特急はくつるが上野~青森間に運行されるまで東北本線の夜行列車のエースであった。はくつるが東北本線経由であったのに対し急行北斗は常磐線経由で運行されていて、すぐに特急ゆうづるに格上げされて廃止されてしまったが、そのゆうづるが青函連絡船の先で連絡していたのは新設された特急北斗であった。
おおぞら・おおとりに続き第三の北海道特急として設定され、当初は函館~東室蘭~札幌~旭川間で運行していた。また、北斗の名称は夜行列車の名称がそのまま昼行列車の名称に変化した数少ない例である。函館駅を発着する昼行特急には全区間函館本線経由の特急北海や札幌駅発着の特急エルムや前述のおおぞら・おおとりも設定されていた時期もあったが、青函トンネル開業のダイヤ改正で北斗に一本化されている。
青函連絡船が存在していた頃は青函連絡船からの接続を重視するダイヤを組んでいたが、最近では道南と道央を結ぶ特急列車としての意味合いの方が強い。ちなみに気動車特急の表定速度がトップの列車名であり、最速列車に至っては100km/hを超えている。
なお、2013年10月まで東室蘭駅、苫小牧駅、南千歳駅、新札幌駅のみ停車する函館駅発札幌行1本が存在しており、函館駅から札幌駅までを3時間丁度で結んでいた。表定速度は106.2km/hと日本の在来線特急の中では最も最速であった。
ちなみに、「スーパー北斗」デビュー直後の1994年3月時点では、2号が東室蘭駅のみ、15号が東室蘭駅、苫小牧駅のみ停車で函館~札幌駅間を2時間59分で結んでいた。この時の表定速度は106.8km/hで、2020年現在で日本の在来線特急歴代最速となっている。
2013年11月以降、JR北海道のトラブルの影響で2往復が減便となったため、代替で2013年12月~2015年2月に函館駅~大沼公園駅間で臨時快速「大沼マウントレイク号」→臨時特急「大沼」が1往復設定されていた(2016年3月のダイヤ改正で増発したため、以降は運行なしと見られる)。
2018年3月17日、ダイヤ改正により北斗3往復がスーパー北斗に置き換えられ、定期運行の「北斗」が一旦廃止された。しかし、2020年3月14日ダイヤ改正より「旧型車両との差別化を図るという意義が薄れてきた」[1]ことから「スーパー」を外し、全列車が再び「北斗」として運行されている。
運行形態
- 会社:JR北海道
- 運行種別:特急
- 運用線区:函館本線・室蘭本線・千歳線
- 運行区間:函館駅~札幌駅(定期10往復+臨時1往復)
- 使用車両:キハ261系
- 編成図:
- 備考:2024年3月16日ダイヤ改正時点。5,14号は臨時列車で、閑散期の水曜・木曜は運休。6両以上に増結される場合がある。
停車駅
凡例:●は全列車停車、○は1本のみ通過、▲は一部停車、-は通過。
路線名 | 函館本線 | 室蘭本線 | 千歳線 | ||||||||||||||||
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駅名 | 函館駅 | 五稜郭駅 | 新函館北斗駅 | 大沼駅 | 大沼公園駅 | 森駅 | 八雲駅 | 長万部駅 | 洞爺駅 | 伊達紋別駅 | 東室蘭駅 | 登別駅 | 白 老 駅 |
苫小牧駅 | 南千歳駅 | 千 歳 駅 |
新札幌駅 | 札幌駅 | |
下り(札幌行き) | ● | ● | ● | - | ▲ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ▲ | ● | ● | - | ● | ● | |
上り(函館行き) | ● | ● | ● | - | ▲ | ● | ● | ● | ○ | ● | ● | ○ | ▲ | ● | ● | - | ● | ● |
大沼公園駅には2, 4-17号、洞爺駅・登別駅には2号以外停車。白老駅には1, 3, 5-20, 22号のみ停車。
かつては大沼公園駅を経由しない通称砂原線周りの特急北斗も設定されており、それを中心に大沼駅に臨時停車していた物もあったが、現在は全ての北斗が大沼公園駅を経由しているので大沼駅の臨時停車は取りやめとなっている。
新函館北斗駅は現在は全列車が停車しているが、北海道新幹線開通前の渡島大野駅であったころは全列車が通過していた。なお、当時のルートでは札幌行きの列車は渡島大野駅自体を通過していなかった(藤城線を経由していたため)。
2019年ダイヤ改正から下り1本のみ南千歳駅を通過し千歳駅に停車していたが、僅か2年で廃止された。
列車名の由来
変遷
東北急行北斗
1949年9月 上野~青森間を常磐線経由で走る無名有料夜行急行が1往復設定される。
1950年11月 上記の急行列車が北斗と名称される。
停車駅は上野 - 土浦 - 水戸 - 日立 - 平 - 小高(下りのみ) - 原ノ町 - 山下(上りのみ) - 仙台 - 小牛田 - 一ノ関 - 黒沢尻 - 花巻 - 盛岡 - 一戸 - 尻内 - 向山(下りのみ) - 古間木 - 野辺地 - 浅虫 - 青森
1965年10月 特急ゆうづるに格上げされ北斗の名称は後者の特急となる。
北海道特急北斗
1965年10月 函館~東室蘭~札幌~旭川間に特急北斗が1往復設定される。
停車駅は函館 - 洞爺 - 東室蘭 - 登別 - 苫小牧 - 札幌 - 岩見沢 - 滝川 - 旭川
1968年10月 急行すずらんの格上げで函館~旭川間に特急北斗が設定され計2往復の運転となる。
1971年7月 函館~札幌間を運行していた昼行特急エルム1往復を吸収して北斗は函館~旭川2往復・函館~札幌1往復の計3往復となる。
1972年10月 函館~旭川間運行の1往復の名称をおおぞらに変更して北斗は2往復に減便。
1973年10月 急行すずらんの格上げで函館~旭川間に特急北斗が設定され計3往復の運転となる。
1981年10月 函館~札幌~石勝線経由釧路間で2往復設定されていたおおぞらの内1往復を札幌~釧路間運行とする事から北斗1往復増の4往復となる。
1986年11月 2往復あった特急北海廃止と特急おおぞら系統分離1往復の計3往復増発され北斗8往復運転となる。
1988年3月 青函トンネル開業のダイヤ改正で特急おおとり1往復分離で北斗1往復増だが下り始発と上り最終のダイヤを同じく設定された寝台特急北斗星に譲った為、北斗は8往復のまま留まる。
1994年3月 5往復がスーパー北斗となり北斗は2往復減の6往復、合計で11往復の運転となる。
2013年11月 スーパー北斗5往復・北斗4往復に変更。最高速度引き下げ。なお、キハ183系の事故の影響で、7月から既に運休が発生しており、北斗に関しては2014年7月まで臨時特急のみの運行となる(2014年3月からは1本のみ定期特急が復活)。なお、この変更によって運転取りやめとなった号数は2014年3月まで欠番となっていた。
2016年3月 北海道新幹線開業のダイヤ改正で北海道新幹線接続のために、スーパー北斗8往復(3往復増)・北斗4往復に変更。同時に新函館北斗駅に停車開始。なお、この本数は事故による減便前よりも本数が増加している。
2018年3月 キハ261系20両を追加投入。これにより北斗は定期運用を終了し、スーパー北斗12往復になる。
2020年3月 「スーパー」の愛称取り止めによりスーパー北斗の全列車を北斗に変更。また「ウポポイ」開業に合わせて一部列車が白老駅に停車。
2020年4-6月 新型コロナウイルス感染拡大を受け4~6両に減車。一部列車運休。2021年1月以降も実施。
2021年3月 正式に所定5両に減車。1往復削減。1往復臨時化。
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関連項目
- 鉄道列車名一覧
- 東北本線・常磐線・函館本線
- キハ80系・キハ183系・キハ283系
- 日本国有鉄道・JR北海道
- 北海(列車) - かつて函館駅と札幌駅を結んでいた特急
- エルム(列車) - 同上
- 大沼(列車) - 減便により設定された代替の特急
脚注
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