宇宙からのメッセージとは、1978年GWに公開された東映のSF特撮作品である。
概要
1977年、アメリカでは『スターウォーズ』が爆発的ヒットを記録していたが、配給元の都合により日本での公開は1年以上後になってしまった。この状況を踏まえ、間違いなく来るであろう宇宙SFブームに合わせ、日本の映像業界もにわかに動き始めた。まずゴジラで知られる東宝は『惑星大戦争』を封切。ウルトラシリーズの円谷プロも『スターウルフ(後に「宇宙の勇者スターウルフ」に改題)』のオンエアを開始する。
そして長らく特撮ヒーローものを作り続けてきた東映も動き始めた。それが本作である。
監督は深作欣二、脚本は松田寛夫と、いずれも『柳生一族の陰謀』を終えたばかりの二人が起用され、特撮は長らく松竹や東映、円谷プロやピープロといった各社で腕をふるった矢島信男が手掛けた。ストーリーは『里見八犬伝』をベースに、宇宙の侵略者・ガバナス帝国に選ばれた八人の勇士が立ち上がるというもので、千葉真一、志穂美悦子、デビュー間もない真田広之らJAC(ジャパン・アクション・クラブ)の面々や、海外からビック・モローを呼ぶなど豪華俳優陣を揃えている。
制作費は公称10億、うち特撮予算が4億となっているが、矢島特撮監督によるとそれでも足りなくなり、本社に直訴して追加予算を出してもらったという。結果、宣伝費も含めた総予算は15億円にもなった。
「SFにも現代劇と時代劇があるのなら、時代劇を目指す」「宇宙でのチャンチャンバラバラを撮りたい」という深作監督の言葉の通り、まさに無国籍アクションともいえるテンポ良い演出と、当時の最新技術を駆使した大胆不敵な特撮カットは現在の目で見ても非常に斬新であり、単なるブーム便乗映画とは一線を画している。ただ当時の国内興行成績は6億円台と振るわず、逆に海外では受けたため、トータルではプラマイゼロという結果になった。
また続編となるTV版「宇宙からのメッセージ・銀河大戦」が本作公開後の7月にスタートされたが、先の映画版不振の影響もあったのか平均視聴率は一桁に留まっている。だがTV版のストーリーは、映画版の企画当初に脚本家の伊上勝が書き上げた初稿を元にしており、また終盤の大河ドラマ的展開は従来の特撮ヒーロー作品とは違う壮大なものに仕上がっており、一見の価値はある。なおこちらも海外で受けており、とりわけフランスでは『San Ku Kai』の題名で吹替版が作られ、日本よりも先にDVD-BOX化されるなど人気がある(情報によると南米でもオンエアされた模様)。
関連商品
前述のとおり、当時の日本の最新技術を駆使した作品で映像面の評価は高い。
関連項目
テレビ朝日系 土曜19時台後半枠 | ||
前作 | 今作 | 次作 |
透明ドリちゃん | 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 |
あばれはっちゃくシリーズ |
- 2
- 0pt