沖縄保育園米軍ヘリ部品落下問題とは、2017年12月に米軍普天間飛行場近くの「緑ケ丘保育園」の屋根に円筒状の物体が落下したとされるトラブルである。
(本記事は「自作自演が疑わしい」という意見のニコニコ大百科ユーザーにより作成されたため、記事名が「緑ケ丘保育園沖縄落下物自作自演問題」になっていた。ただしその後「自作自演だとする主張の根拠が曖昧」という指摘もなされるなど(本記事「関連リンク」参照)、「自作自演」と断言できるものでもないことも判明。その影響でか「沖縄保育園米軍ヘリ部品落下問題」と記事名が変更された。ただしこの記事名変更は掲示板で話し合って決定されたものではない。)
緑ケ丘保育園は「米軍ヘリの通過時に落ちてきたために米軍ヘリから落ちた部品と思われる」と主張した。
しかしこの点について、後述するような様々な理由から「捏造だ」という非難がネット上で盛り上がっていった。さらにはそれに対して「捏造だとする根拠が曖昧だ」という逆非難も為されるようになり、議論が紛糾した。
これとは別に2017年12月13日、宜野湾市の普天間第二小学校の運動場に米軍普天間所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの金属製の窓枠が落下した事故があるが、こちらは整備の問題といわれており「捏造」だ「捏造ではない」といった議論はあまりなく、全く別の事件なので注意。
概要
事の始まりは2017年12月7日、金井創牧師(日本キリスト教団佐敷教会)は普天間バプテスト教会の緑ヶ丘保育園に落下物があったと証拠写真を公開。落下物は透明の筒状でプラスチック製とみられ、長さ約9.5センチ、厚さ約8ミリだった。米軍ヘリかオスプレイと名指しし、園児に当たったら大変だったと述べる。神谷武宏園長らは同じ7日に「米軍ヘリが上空を通過後に『ドン』という音がした」と述べた。
緑ケ丘保育園の保護者らは2017年12月12日にトラブルの原因究明や園上空での米軍ヘリ飛行禁止を求める嘆願書を県などに手渡した。
その後沖縄県警は2017年12月18日に県議会米軍基地関係特別委員会で、「トタンのへこみが見つかった件について、当日の現場での調べでは『へこみは確認できなかった』」「落下物について『米軍側に確認しているが正式な回答はまだもらっていない』」「衝撃音を聞いた保育士や屋根にあった落下物を確認した園長の話から『物体が落ちたのは間違いない』」などと証言した[1]。
ただしこの事件については、「捏造」を疑う人や、捏造だと断定する態度で非難する人もいた。例えばこの落下物はヘリコプターの部品であり、重量は213グラム。これについて①「213グラムは重いので、もしヘリからの落下であれば相当の衝撃で部品がわれるか破損する上、屋根の損傷も相当なものになるはずである」、②「213グラムは缶コーヒーと同じ程度で軽いので、ドンという音はしないはず」などの「矛盾点」を指摘し始めるネットユーザーが出現。(①と②が互いに正反対だが、これは個人の感性の問題であろう)
これらの「矛盾点」とされるものを突きつけられた金井創牧師は「ネトウヨ」と一括りにして言い返した。
米軍は調査の結果「いずれのヘリからも部品はなくなっていない」と発表。ただし、保育園側が提示した部品自体は本物のヘリの部品であり、センサーに被せておくカバーで飛行前に取り外すはずのものだった。
その後「当該部品を取り付けた状態でヘリを飛行するはずがない」つまり「米軍が取り外し忘れを起こすとは思えない」という趣旨のTwitter書き込みや、「海兵隊の友人が3年ほど前からこのタイプは使われてなく現在はでっぱりのあるケースになっている。つまり3年という時空を超えて熱を帯びて落ちてきたという話になる」という自称海兵隊員の友人といった人のTwitter書き込み(ただし、この書き込みの裏が取れているわけでは無いようだ)などが現れ、これらの書き込みを根拠に「捏造」と主張する声がさらに過熱した。
さらにマスコミ報道により証言がバラバラだった(跳ねた回数が1回と2回と3回、1度目の衝撃音の約8秒後に、二度目が記録されていた)事などを受けて、「金井創、緑ケ丘保育園側、左翼の自作自演」だと大手右派マスコミや右派有名人が「捏造疑惑」を主張して非難し始める事態に発展。金井創牧師はFacebookに投稿していた証拠写真の投稿を削除することになった。
一方、これらの「捏造疑惑」の根拠が曖昧であることを指摘して、捏造だと断定する者たちを逆に非難する声もあり(本記事「関連リンク」参照)、互いが非難しあうという荒んだ状況となった。
2020年には、沖縄県警が「落ちてきた部品」とされるものと形や重さや大きさなどをそろえた類似品を作成してトタンにぶつけてみる実証実験を施行。その結果、「上空からの落下物とは特定できなかったが、その可能性を否定するものでもなかった」というどっちつかずの結論(どちら側に決めつけもしない、科学的な正確さを重視した結論と言えなくもないが)に至ったことを公表した。
関連動画
関連リンク(ソース)
事件に関する報道・コラム
- 沖縄の保育園に中傷メール ヘリ落下物は「自作自演」 - 共同通信
- 「へこみ」県警未確認/保育園に米軍部品 落下は認める | 沖縄タイムス紙面掲載記事 | 沖縄タイムス+プラス
- 社説 [緑ヶ丘部品落下2年] 子の命守る責任果たせ | 社説 | 沖縄タイムス+プラス
- 米軍落下物事故から考える沖縄。「なんでおそらからおちてくるの?」 | ハフポスト
- 外務省職員が米軍部品落下の保育園訪問 上空回避「努力したい」/沖縄 - 毎日新聞
- 保育園屋根の米軍部品 落下と特定できず 沖縄県警が実証実験の結果を公表 トタンに「傷とへこみ」 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
「自作自演」であるとする側に立つリンク
- 沖縄の保育園に落ちたとされる米軍の部品、ネットのミリオタ達が分析 「CH53ヘリに実際に使用されている物とクリップの位置が違う」と疑義を呈す~ネットの反応「保育園に落ちた米軍死ね、じゃねーの??」「この部品を落としたKYって誰だ?w」 | アノニマスポスト
- 普天間バプテスト教会付属緑ヶ丘保育園に落下したとされるCH53米軍ヘリのセンサー保護カバー CH-53と同型機のMH-53Eの元搭乗員「部品落下の話は100%嘘です」 一連のまとめ | アノニマス ポスト
- ボギーてどこん(浦添新基地建設見直し協議会)さんはTwitterを使っています 「#USMC #USAF #3MEF #IIIMEF 保育園に落ちてきたというパーツですが、海兵隊の友人の話では3年ほど前からこのタイプは使われてなく現在はでっぱりのあるケースになっているとか。つまり3年という時空を超えて熱を帯びて落ちてきたという話になる。まさに焦げ臭い話になりつつありますね。」 / Twitter
「自作自演であるというのはデマ・誹謗・中傷」とする側に立つリンク
- 「沖縄の保育園での米軍機部品落下は左のデマ」という右のデマ : 脱「愛国カルト」のススメ
- 「米軍落下物は自作自演」とネットで誹謗中傷を浴びた保育園。園長が伝えたいこと
- 部品落下「自演だろ」 恣意的編集で悪意凝縮 <沖縄フェイクを追う >⑧~まとめサイト❶ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
- 沖縄米軍部品落下3年、誤解される当事者の願い | 政策 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
関連項目
脚注
- 0
- 0pt
- ページ番号: 5511671
- リビジョン番号: 2875454
- 編集内容についての説明/コメント: