「無名世界観」とは、幾千の夜を越えて世界の危機を救うプレイヤーたちが行き交う世界を構築する世界観である。
概要
ゲーム制作会社「アルファ・システム」(『俺の屍を越えてゆけ』や『高機動幻想ガンパレード・マーチ』などが代表作)内で発生した世界観。
ゲームデザイナーの芝村裕吏氏と、その関係者たちによって練り上げられた設定集で、「開発したゲームの権利は制作会社に渡ってしまうが、世界観は使いまわせる」というコンセプトを元に、関連作品に別のゲームのキャラを登場させて、ファンを囲い込む経営戦略で設計されたものである。
要するにアルファ・システムの複数の作品における、共通した舞台背景のこと。
また、この設定を利用したファンとの交流手段として、ネット上でTRPG(世界の謎ゲームなど)を行い、その結果を世界観にフィードバックさせることも行っている。
それぞれの世界について
無名世界観では、いわゆる「パラレルワールド」のように複数の世界(第○世界と番号で表現される)が隣り合って存在し、隣の世界に絶えず影響を与えたり受けたりしつつ、変容を繰り返している。
またそれぞれの世界ごとに特殊な技術『基幹技術』が発展していて、各々の世界を特徴付けるものとなっている。
「第○世界」という名称は、発見された順番で振られた世界の番号。
該当世界が変化(移動、分裂、融合、その他もろもろ)する度に番号が変わったりするので、基本的には後者の「プロダクトネーム」と呼ばれる名前で区別する。
以下に挙げるものは、世界番号とプロダクトネーム、基幹技術。
そして該当する世界をメインとして登場した作品である。
第1世界:サイレントオデッセイ
基幹技術:物語(対話)
我々が存在する現実世界のこと。
かつては第7世界が我々の世界(=現実世界という設定)と思われていたが、現在は第1世界が我々の世界とされている。
登場作品は今のところ確認されていないが「30万を越える豪華絢爛たる風の妖精たちが、光の軍勢とともにAZANTと戦っている」世界らしい。
第2世界:ダンスドール
基幹技術:歌
この世界では歌は魔術であり、歌が運命を決するものと言われている。
登場作品は確認されておらず、世界の情報のみが語られている。
だが『悲しみの聖戦』と呼ばれる事件を元凶として、無名世界全体に事件が連鎖的に誘発された、「全ての元凶」とも言える事件の爆心世界である。
第3世界:ハートオブハイドロゲン
基幹技術:微小機械
木になった老人が登場し、わんわん帝国とにゃんにゃん共和国が存在している。
かつては世界調査局の本拠地が存在していたとされる。
第4世界:エレメンタルギアボルト
基幹技術:精霊回路
精霊を使役する紋様、精霊回路が発展した世界。
これを使役できるスルカナンという原住民族は、精霊回路を「魔法陣」と呼ぶ。
隣り合う第5世界と頻繁に交差する(2つの世界が重なり合って全く同じ状態になり、世界同士が地続きで繋がること)らしく、その際は東方世界と呼ばれる。
PSゲーム『幻世虚構 精霊機導弾 ELEMENTAL GEARBOLT』の元になった「精霊機導弾事件」が発生した世界である。
第5世界:ガンパレード
基幹技術:生命工学
1945年、突如として現れた黒い月と、それに呼応して現れた人類の天敵「幻獣」との戦争「ガンパレード事件」が発生した世界。
隣り合う第4世界と頻繁に交差するらしく、その際は西方世界と呼ばれる。
PSゲーム『高機動幻想ガンパレード・マーチ』、
PS2ゲーム『ガンパレード・オーケストラ』シリーズ、
そしてゲームの前日談となる公式SS『ガンパレード・マーチ外伝』や、漫画『ガンパレード・マーチ アナザー・プリンセス』などの舞台となった世界。
第6世界群:ゴージャスタンゴ
基幹技術:機械工学
元々は一つの第6世界であったが、とある人物の手違いか何かで、3000を越える世界「第6世界"群"」に分裂してしまった世界。
そのため単に第6世界と呼ぶ場合でも、"どこの"第6世界なのかが不明であるため、一般的に「式神世界」だとか「絢爛世界」だとか、作品の登場する名前を個々に付けて呼称することが多い。
舞台となった作品は、アーケードゲーム『式神の城』、PS2ゲーム『絢爛舞踏祭』、
小説『頂天のレムーリア』、漫画『われは剣王っ!!』、公式SS『ヴァンシスカの悪魔』『海ラヴ』『ゴージャスタンゴ・ストーリー』などがある。
第7世界:アイドレス
基幹技術:不明(情報通信のようなもの)
かつては我々の世界(現実世界)と呼ばれていた世界。
文芸設定上のキャラクターである芝村裕吏、矢上総一郎が存在していた。
また、こちらにも「アルファ・システム」と呼ばれる組織の本拠地があったとされるが、2004年6月に死の商人(悪の組織)たる「セプテントリオン」によって壊滅。現在はただのコンピュータゲーム会社になったとのこと。
こちらは2002年頃から第1世界と交差(2つの世界が重なり合って全く同じ状態になり、世界同士が地続きで繋がること)している模様。
現在はセプテントリオンによって、世界が2つに分裂している。
公式ネット小説『男子の本懐』『女子の本懐』の始まりの世界である。
オンラインゲーム『電網適応アイドレス』と同じプロダクトネームを持つが、関連はよく解っていない。
その他・無名世界
現在は他にも第8~13の世界が存在しているらしいが、詳細は不明。
また観測された第1~7以前の世界については存在が確認できていない。
かつては「7つの世界が螺旋を描きながら果てしなく伸びている」と考えられていたため『セブンスパイラル』や『7つの世界』などの俗称で呼ばれていた。
だが近年になって新しい世界が他にも存在していること、螺旋ではない可能性があることなど、他にも様々な要因があったため『無名世界』と統一して呼称されるようになった。
これらの無名世界は互いに情報を交換し合い、常にすべての世界が同じ姿を得られるように微調整が行われている。
分かりやすく言えば、ある世界で大きな事件が起きると、隣の世界でも事件が起きる…といった具合に情報が伝播する。
この「複数の世界を均等に保とうとする力を利用し、世界を渡り歩くプログラム」(OVERS_Systemなど)を駆使して、プレイヤーや特定キャラクターは世界を飛び回っている。
関連動画
関連項目
- 幻世虚構 精霊機導弾 ELEMENTAL GEARBOLT
- ガンパレード・マーチ
- ガンパレード・オーケストラ
- 式神の城
- 絢爛舞踏祭
- アルファ・システム
- 芝村裕吏
- OVERS
- クロスオーバー
- スター・システム
- スピンオフ
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